世界四階級王者。王座防衛戦。ウィルフレド・リベラ戦(再戦)、ディオベリス・ウルタド戦、アンドレイ・ペストリャエフ戦ほかを紹介します。
パーネル・ウィテカー(アメリカ)
身長168cm:サウスポー
①パーネル・ウィテカー 12R 判定 ウィルフレド・リベラ
(WBC世界ウェルター級タイトル戦、1996年)
(ダウンシーン)
5R:左フックでウィテカーがダウン
6R:左ストレートでリベラがダウン
(感想:ウィテカーがタイトル防衛。いわゆる「ダイレクト・リマッチ」。前回は2-1でウィテカーが防衛。リベラ(プエルトリコ)が前回と同じく「WBC1位」として挑戦。マイアミでの一戦(リングサイドでフェリックス・トリニダードが観戦)。端正なボクシングのリベラ。ジャブ、ワンツー。ウィテカーは相手の様子をうかがいながらジャブ、左ストレート。パンチの正確さとディフェンスでウィテカー。ところが5Rに左フックでダウン。どことなく体が重そうなウィテカーは動きに精彩を欠き、クリンチが多い。6Rに波乱。リベラがローブロー。「お返し」とばかりにウィテカーが強烈な左ストレートでリベラを倒す。逆に左フックでウィテカーがダウンしたが、レフェリーはこれをダウン扱いせず。前回同様、またしてもサウスポーにスイッチするリベラだが、ほとんど効果無し。しかも、序盤のキレが無くなりクリンチ多し。12Rにもウィテカーがダウン。しかし、これもレフェリーはダウン扱いせず。判定は3-0。6Rに奪ったダウンは流石だったが、それ以外は微妙だったウィテカー。体の重さを感じる試合ぶり。リベラは残念。スタミナに課題があるように見えた。後、リベラはオスカー・デラ・ホーヤの世界王座に挑戦したが、TKO負け。世界を獲得することはできなかった。)
②パーネル・ウィテカー 11R KO ディオベリス・ウルタド
(WBC世界ウェルター級タイトル戦、1997年)
(ダウンシーン)
1R:ワンツーでウィテカーがダウン
6R:左フックでウィテカーがダウン
11R:左フック連打でウルタドがダウン
(感想:ウィテカーがタイトル防衛。ウィテカーの八度目の防衛戦。挑戦者ウルタドはキューバ人。WBC10位で、これまで20戦全勝(13KO)。アトランチックシティでの一戦(リングサイドでオスカー・デラ・ホーヤが観戦)。1R、距離を取るウルタド。開始早々、ワンツーでウィテカーからダウンを奪う(うっかりダウンして笑うウィテカー)。その後も距離を取るウルタド。ウィテカーは距離を詰めてジャブ、左ストレート。しかし、クリンチ時にラフプレーが目立つようになっていく(互いにラビットパンチ、ローブロー)。いつもはキレイにジャブを正確にヒットさせるウィテカーだが、この試合では動きの機敏さに欠け、ウルタドのリーチの長い連打に手こずり、クリンチが多い。5R、ウィテカーが右フックでダウン寸前。しかし、ラビットパンチでウルタドが減点。6R、左フックでウィテカーがダウン。7Rには左ジャブでグラリ。しかしまたしてもウルタドがラビットパンチで減点。9Rにはウィテカーが背後から攻撃して減点。そして11R。このまま試合が続けば微妙な判定になっていたであろうタイミングでウィテカーの左ストレートがクリーンヒット。ロープ際のウルタドに左フック乱打。ダウンしたウルタドのダメージは大きく、KO。ウィテカーがラフファイトの末、何とか強打で防衛。いつもカウンターを取るウィテカーが逆に相手にそれをやられて大苦戦。当たり前のことではあるが、優れた選手でもスピードが無いと良い試合ができない。元々はライト級だったウィテカー。ウェルター級ではやはりムリがあるようだ。そんなウィテカーの次の防衛戦の相手はオスカー・デラ・ホーヤ。ウルタドは後、WBA世界J・ウェルター級王座獲得。)
③パーネル・ウィテカー 12R 無判定 アンドレイ・ペストリャエフ
(WBA世界ウェルター級王座挑戦者決定戦、1997年)
様々なハプニングが |
(ダウンシーン)
11R:連打でウィテカーがダウン
(感想:ウルタド相手に八度目の防衛に成功したウィテカーだが、九度目の相手オスカー・デラ・ホーヤに判定負けして王座陥落。WBA王座への挑戦権を懸けてロシアのペストリャエフと12回戦。WBA1位ペストリャエフはこれまで20勝(15KO)1敗。ロシア王座、欧州王座(いずれもウェルター級)を獲得した実績。WBA2位のウィテカーをアメリカで下して世界挑戦なるか? 右ジャブに伸びがあるウィテカー。ペストリャエフはジャブ、右ストレートはまずまずだが、フックが雑で攻撃の正確さに欠ける。相手の連打をかわしながらウィテカーが時折ジャブ、左ストレートをヒットさせる。9R終了間際のウィテカーのパンチでペストリャエフがエキサイト。11Rにハプニング。ロープの外に上体が出たウィテカーにペストリャエフが連打。しゃがみ込んだウィテカーはダウンを取られる。11R終了後、ウィテカーに何やら注意するレフェリーだが、ウィテカーのセコンド、ルー・ドゥバが逆に猛反発。12R、なぜか笑いながら試合するウィテカー。さらにタコみたいなクネクネした妙な動きで相手の攻撃をかわす。12R終了。判定は3-0(後、ウィテカーの薬物反応により無判定試合となった)。判定に納得いかない男(誰?)が関係者に食ってかかって一騒動。ウィテカーがサウスポーのテクニックで勝利。見所はあったが、ヘンなダウンを喫するなどあまり良い試合ではなかった。ペストリャエフは残念。連打は悪くはなかったが、「WBA1位」の実力は感じられず。後、WBA世界ウェルター級王座決定戦に出場してKO負け。WBF王座(スーパーウェルター級)を獲得。「マイナー王者」にとどまった。)
④カルロス・ボホルケス 4R TKO パーネル・ウィテカー
(スーパーウェルター級戦、2001年)
(ダウンシーン)
4R:右フックでウィテカーがダウン
(感想:挑戦者決定戦が無判定になったウィテカー。新星フェリックス・トリニダードのIBF世界ウェルター級王座に挑戦したが、判定負け。新しい時代に取って代わられた印象。ブランク後、カムバックしてこのボホルケス戦。ボホルケスはメキシカン。WBCの地域王座(スーパーウェルター級)などを獲得した実績。ネバダ州ステートラインでの一戦。レフェリーはジョー・コルテス。ジャブ、左ストレートを出すウィテカー。太った体で、動きのスピードがない(悲しい)。ボホルケスはジャブ、ワンツー、左フックで応戦するが、パンチのキレがない。2R、左肩を痛がるウィテカー。4R、右フックでダウン。その後、肩の痛みでドクターストップ、試合終了。これが最後の試合となったウィテカー。棄権で敗北。戦いすぎたのだろう。殊勲のボホルケス。「棚ぼた」的な勝利(後、バーノ・フィリップスと空位のIBF世界スーパーウェルター級王座を争ってTKO負け)。その後のウィテカー。ボクサーとしては極めて優れていたが、プライベートでは問題アリ(薬物)。そして交通事故で死去(2019年)。55歳だった。)
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