世界四階級王者。世界ライト級統一戦&防衛戦。ファン・ナサリオ戦、アンソニー・ジョーンズ戦、ポリ・ディアス戦ほかを紹介します。「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」
パーネル・ウィテカー(アメリカ)
身長168cm:サウスポー
①パーネル・ウィテカー 1R KO ファン・ナサリオ
(WBA・WBC・IBF世界ライト級タイトル統一戦、1990年)
(ダウンシーン)
1R:左ストレートでナサリオがダウン
(感想:ウィテカーが王座統一。ホセ・ルイス・ラミレスとの再戦でWBC世界ライト級王座を獲得したウィテカー。WBC・IBF王者としてWBA王者ナサリオと統一戦。ナサリオはプエルトリコの選手。同じプエルトリコのエドウィン・ロサリオに番狂わせで勝利して、王座奪取。ネバダ州で行われたサウスポー同士の対戦。左ストレートと左右フックを使うナサリオ。そこへウィテカーが左ストレート。少し間を置いて前のめりに倒れるナサリオ。立てず、KO。ウィテカーがついに三団体の王座を統一。ワンパンチKOにより、ウィテカーには破壊力もあるということをまたしても証明。一方、初防衛と王座統一に失敗したナサリオ。その後、特に活躍することもなくキャリアを終えた。)
②パーネル・ウィテカー 10R 判定 ベンジー・マルケス
(ライト級戦、1990年)
(感想:統一世界ライト級王者ウィテカーがスペイン・マドリードでノンタイトル戦。マルケスはプエルトリカン。デビュー当初は連勝したりしていたが、バーナード・テイラーらに敗北。このところは勝ったり負けたり。1Rと10Rのみの映像で観戦。ウィテカーはいつものような試合ぶり。右ジャブ、左ストレート、ボディ打ち。そして例の妙な打ち方(クリンチの際に手を背中に回して相手の頭部を「コツン」と打つ。ちょっと説明が難しい反則)。マルケスはダッキングしながらフックを出すが、当たらず。判定は3-0。格下相手に判定勝利。見ていないラウンドがあるため何とも言えないが、大きく盛り上がったシーンはあったのだろうか? マドリードのファンはウィテカーの戦い方をどう評価しただろう? 攻撃の正確さに欠けていたマルケス。その後も勝ったり負けたりだったが、数多く試合をこなした。)
③パーネル・ウィテカー 12R 判定 アンソニー・ジョーンズ
(WBA・WBC・IBF世界ライト級タイトル戦、1991年)
(感想:ウィテカーがタイトル防衛。「三団体王者」としての初防衛戦。挑戦者ジョーンズはあの有名な「クロンクジム」の選手。エドウィン・ロサリオと空位のWBA世界ライト級王座を争ってTKO負けしたことがあり、これが二度目の世界挑戦。ここ最近はWBC米大陸王座(ライト級)を獲得、防衛して連勝中。ラスベガス「シーザース・パレス」での一戦。金色トランクスのジョーンズ。ジャブ、右ストレート、左フック。オーソドックスとサウスポーをスイッチする。ウィテカーはいつものように右ジャブ、左ストレート、左ボディ打ち。攻めるジョーンズだがディフェンスされ、伸びるパンチ、ボディ打ちでウィテカーが優勢。しかし、ウィテカーは倒しに行くような攻めはしない。12R終了。判定は3-0。ウィテカーはジャブが効果的だったが、王者になってからは受け身の試合が目立つようになった。前に出てくる相手に伸びるジャブでカウンターを取り、ボディを打っておく、というパターン。世界王者は単に勝てばいいというものではない。かつてのような攻める姿勢が消えたのが残念。一方のジョーンズ。「クロンクジム」と言えばトーマス・ハーンズやミルトン・マクローリーといった選手を思い出すが、ジョーンズには彼らのような強さや個性は感じられず、「普通の選手」といった感じ。「頻繁にスイッチする選手は攻撃も中途半端」というパターンの選手だった。後、世界王座戦のチャンスがあったが、勝てず。獲得は地域王座にとどまった。)
④パーネル・ウィテカー 12R 判定 ポリ・ディアス
(WBA・WBC・IBF世界ライト級タイトル戦、1991年)
レフェリーに怒られる |
(ダウンシーン)
2R:左カウンターでディアスがダウン
7R:右フックでディアスがダウン
(感想:ウィテカーがタイトル防衛。ウィテカーが地元バージニア州ノーフォークで防衛戦。挑戦者ディアスはスペイン人。欧州ライト級王座を獲得、防衛し続けており、これまで全勝(後にWBO世界ウェルター級王者になるゲルト・ボー・ヤコブセン(デンマーク)にもTKO勝ち)。このところ連続KO勝ちで、世界ランク1位。腕力で勝負するタイプのディアス。豪快に右ストレート、接近して左右フック。しかし、ジャブを使わないためその豪打はことごとく空を切る。ウィテカーは相手の荒っぽい前進をかわしながら右ジャブ、左ストレートを正確に当てていく。2R、左カウンターでディアスがダウン。その後も攻めが雑なディアス。フットワーク&連打作戦も不発。6Rにハンマーのような右パンチを決めたディアスだが、7R、左ストレートと右ボディが効いた。右フックで二度目のダウン。その後は空振りの疲れもあってディアスがジャブを打たれるパターン。12Rにハプニング。バッティングされて怒りのウィテカー。レフェリーを押して注意されてしまう。さらに自らヒザを着いたところを攻められてひっくり返る。最終ラウンド終了のゴング時にもイラついた様子。判定は3-0。ウィテカーがジャブで勝利。ジャブ、ダウンを奪ったラウンド、最終12Rが見せ場だった。ディアスはもったいない負け方。右ストレートからの左フックは豪快で良かった。ジャブを出さなかったのがあまりにも残念。これが最初で最後の世界戦となった。)
ウィルフレド・リベラ戦(再戦)、ディオベリス・ウルタド戦、アンドレイ・ペストリャエフ戦ほか
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