世界四階級王者。世界ライト級防衛戦&二階級制覇。ホルヘ・パエス戦、ハロルド・ブレージャー戦、ラファエル・ピネダ戦ほかを紹介します。「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」
パーネル・ウィテカー(アメリカ)
身長168cm:サウスポー
①パーネル・ウィテカー 12R 判定 ホルヘ・パエス
(WBA・WBC・IBF世界ライト級タイトル戦、1991年)
(感想:ウィテカーがタイトル防衛。「三団体王者」ウィテカーがサーカス出身の挑戦者と対戦。パエスは元IBF世界フェザー級王者。派手なパフォーマンスで人気の男であるが、ライト級で通用するかどうか? ネバダ州リノでの一戦。安定した試合ぶりのウィテカー。右ジャブを使い、右フックでボディーを叩く。パエスは回転の速い連打で前に出るが、フェザー級上がりの軽いパンチは通用せず。判定は3-0。ウィテカーが「判定で勝つパターン」だった試合。最終ラウンドの激しい打ち合いとパエスの反則パンチが見所だった。パエスはその後も「人気者」としてリングに上がり続けたが、獲得した世界王座はフェザー級のみだった。)
②パーネル・ウィテカー 10R 判定 ハロルド・ブレージャー
(J・ウェルター級戦、1992年)
(感想:フィラデルフィアで行われたノンタイトル戦。ブレージャーは当時の実力者。イタリアでファン・マルチン・コッジのWBA世界J・ウェルター級王座に挑戦して判定負け。リビングストン・ブランブルに敗北し、北米王座陥落。その後はIBFのインター王座を獲得、防衛するなど再び連勝を重ね、このウィテカー戦。ウィテカーがジャブ、ストレート、左右フックでボディ打ち。WBA4位、IBF8位のブレージャーは世界ランクには入ってはいるが、年齢的な問題と多くの試合をこなしてきたことで、さすがにパンチのキレが落ちている状態。そのため、攻めるがブロックされたり、かわされたり。ウィテカーが時折強いパンチを入れながら、全体的に軽い連打でまとめる。判定は3-0。結局、世界王者にはなれなかったブレージャーだが、ウィテカー戦後も精力的にリングに上がり、全米ウェルター級タイトルを獲得するなど100戦を超えるキャリアとなった。ウィテカーはこの試合の後、王座を返上。上の階級を目指す。)
③パーネル・ウィテカー 1R KO ジェリー・スミス
(J・ウェルター級戦、1992年)
(ダウンシーン)
1R:左ストレートでスミスがダウン
(感想:メキシコシティで行われたノンタイトル戦。スミス(アメリカ)は勝ったり負けたりの黒人選手。バック・スミス、テレンス・アリらにKO負け。しかしながら、動きは良い。ジャブを連打して右ストレート。相手の攻撃をヘッドスリップでかわす器用さ。ウィテカーはいつものようにジャブ、ワンツー、左ボディ。そしてロープ際のスミスに左ストレート。ダウンしたスミスは10カウント内に立てず、KO。ウィテカーがワンパンチKO勝ち。1Rで終わるような雰囲気はなかったが、マトモに左が入った。残念だったスミス。そんなに弱い選手には見えなかったが、その後も負けに負けて、通算戦績は15勝(8KO)64敗1分。バディ・マクガートら有名選手との対戦も多く充実したキャリアとなったが、そんなに負けたらダメージは半端じゃないような気がする。)
④パーネル・ウィテカー 12R 判定 ラファエル・ピネダ
(IBF世界J・ウェルター級タイトル戦、1992年)
ダウンを奪った右ボディ(下) |
(ダウンシーン)
8R:右ボディフックでピネダがダウン
(感想:ウィテカーが二階級制覇。テクニックには定評のある元ライト級統一王者ウィテカー。パワーもある選手だが、世界戦では強打が湿りがち。ラスベガス「Mirage」でハードパンチャーのピネダに挑戦。どんな試合となるか? 王者ピネダはコロンビア人。あのロジャー・メイウェザーを強烈にKOして空位だったIBF王座獲得。これが二度目の防衛戦となる。サウスポーのウィテカーがパワーの乗ったジャブ・ストレート。そしてピネダの攻撃をディフェンス。ピネダのパンチは空を切る。8R、右ボディでピネダがダウン。判定は文句無しの3-0。左でボディを叩くなど、意外なことにウィテカーは上の階級の強打者相手にパワーでも上回った。ピネダは良い選手だが力んだ、ロングのパンチが多かった。もう少しパワーを抜いて手数を増やす戦い方ができていたら判定はきわどいものになっていたかもしれない。この後、ピネダは数年のブランク。カムバックしてオバ・カー、コーリー・スピンクス、ザブ・ジュダーらと対戦したが世界王座に返り咲くことはなかった。)
ウィルフレド・リベラ戦(再戦)、ディオベリス・ウルタド戦、アンドレイ・ペストリャエフ戦ほか
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