世界J・フライ級王者。デビュー初期の試合。ウィル・グリッグスビー戦、シルビアーノ・ペレス戦、ホセ・エレラ戦を紹介します。
マイケル・カルバハル(アメリカ)
身長166cm:オーソドックス(右構え)
①マイケル・カルバハル 4R 判定 ウィル・グリッグスビー
(フライ級戦、1989年)
(ダウンシーン)
4R:右フックでグリッグスビーがダウン
(感想:アリゾナ州フェニックスのカルバハル。1988年ソウルオリンピックでライトフライ級銀メダル。弟クルス・カルバハルも後に世界王者(WBO世界バンタム級王座)になったボクシング兄弟。ニックネームはロベルト・デュラン風の「小さな石の拳」。エキサイティングなKOを狙う好戦的なスタイルにピッタリ。ボブ・アラムと契約し、軽量級初の「100万ドルファイター(「それだけのファイトマネーをもらえる人気選手」の意)」、四階級制覇を目指す。アトランチックシティで行われたこのグリッグスビー戦はプロデビュー戦。グリッグスビーはこれがプロ二戦目(1KO勝利)の黒人サウスポー。やや振りが大きめの左フックを使う。カルバハルはパワーを込めてジャブ、ワンツー、左フック(このスタイルは現役時代、一貫したものとなった)。互いにディフェンス。パワフルなカルバハルだが、グリッグスビーは攻撃をかわす。グリッグスビーは攻めの姿勢ではあるがジャブが少なく、飛び込んで打つフックは空振りに終わる。左ボディからの左フックといったコンビネーションを見せるカルバハル。4R、打ち合いの中、右フックでグリッグスビーがダウン。判定は3-0。ジャブ、連打でカルバハルが勝利。グリッグスビーは右のパンチに強いものがあったが、やはりジャブが少なかったのが結果に出た。その後、グリッグスビーは長いブランク。カムバック後、連勝し、IBF世界J・フライ級王座獲得。しかし、あのリカルド・ロペスに敗れて王座から陥落した。)
②マイケル・カルバハル 1R KO シルビアーノ・ペレス
(フライ級戦、1989年)
(ダウンシーン)
1R:左フック、右ストレート、右フックで3度、ペレスがダウン
(感想:カルバハルのプロ二戦目。場所は地元フェニックス。ペレスはメキシカン。これがプロデビュー戦とのこと。背は低いがガッチリした体のペレス。サウスポースタイルで前進し、左ストレート。しかし、カルバハルは冷静かつアグレッシブ。右カウンターで迎え撃ち、左フックでダウンを奪う。二度目は連打からの右ストレート。激しく連打するカルバハル。右フックで三度目のダウンを喫したペレスは立てず。実にパワフルだったカルバハル。短い試合だったが、左フックからの右ストレートなどコンビネーションがよく出ていた。)
③マイケル・カルバハル 8R 判定 ホセ・ルイス・エレラ
(J・フライ級8回戦、1989年)
(ダウンシーン)
4R:右アッパーでエレラがダウン
(感想:これまで7連勝(6KO)のカルバハル。エレラはメキシカン。13(8KO)1敗。その「1敗」はデビュー戦でイサイアス・サムディオ(後、ユーリ・アルバチャコフのWBC世界フライ級王座に挑戦、判定負け)に喫したもの。ネバダ州での一戦(リングサイドでコメディ俳優のジョン・キャンディが観戦)。カルバハルがジャブで先手を取り、左フックでボディを攻める展開。エレラは左フックからの右ストレートを打つなど、共に右のパンチにパワーがある。接近戦では互いに左右フック。4R、カルバハルがマイク・タイソンばりの「右ボディからの右アッパー」。そして、右アッパーでエレラをダウンさせる。しかし、タフなエレラは打たれても打ち返す。判定は3-0。エレラはいいパンチを持っていたが、ジャブが少なく、得意のフックは空振りに終わった。そんなエレラ。その後、再びサムディオに敗れるなど、負けが込んだキャリアとなった。)
マルコス・パチェコ戦、ホセ・ルイス・ベラルデ戦、ホルヘ・ローマン戦
ロビンソン・クエスタ戦、ウンベルト・ゴンザレス戦(初戦)、金光善戦
ドミンゴ・ソーサ戦、ウンベルト・ゴンザレス戦(再戦)、アブネル・バラハス戦
ホスエ・カマチョ戦、ウンベルト・ゴンザレス戦(三戦目)、フランシスコ・カラスコ戦
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