2022年8月13日土曜日

「最軽量級の精密機械」リカルド・ロペス⑨「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

世界ストロー級、J・フライ級王者。二階級制覇を目指した試合&防衛戦。ウィル・グリッグスピー戦、ラタナポン・ソーウォラピン戦、ゾラニ・ペテロ戦(ラストファイト)を紹介します。

リカルド・ロペス(メキシコ)

身長165cm:オーソドックス(右構え)

リカルド・ロペス 12R 判定 ウィル・グリッグスピー

(IBF世界J・フライ級タイトル戦、1999年)

「最軽量級の精密機械」リカルド・ロペス⑨「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:ロペスが二階級制覇。ラスベガスで行われた試合。階級を上げたロペス。これまで47勝(35KO)1分。髪が短くなって「オジサン」っぽい雰囲気に(東京で世界王者になったときとは随分見た目が違う)。王者グリッグスピーは14勝(6KO)1敗1分。あのマイケル・カルバハルのデビュー戦の相手でもある(「1敗」はカルバハルに喫したもの)。ライバルのカルバハルに大きく先を越された形となったが、ようやく世界王者に。良い左ジャブ、右ストレート、左フックを持っている者同士の一戦。ロペスがジャブ、ワンツー、左フックで相手にリズミカルにプレッシャーをかけ、ディフェンス。グリッグスピーは相手の勢いに押され、受け身の姿勢。時折ロペスの左フックがヒット。判定は3-0。ロペスが攻めの姿勢で勝利。ただ、ロペスに強さはあったが、映像の印象ではエキサイティングではない試合だった。グリッグスピーは残念。慎重な性格なのだろうが、相手が強いと受け身になってしまうところがあった。後、グリッグスピーは再びこの王座を手に入れた(2005年)。)


リカルド・ロペス 3R TKO ラタナポン・ソーウォラピン

(IBF世界L・フライ級タイトル戦、2000年)

「最軽量級の精密機械」リカルド・ロペス⑨「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:ロペスがタイトル防衛。ラスベガスで行われた試合。「フェルナンド・バルガス vs. フェリックス・トリニダード」のアンダーカード。ラタナポンは元IBF世界ストロー級王者のタイ人。サウスポーの強打者で、これまで38勝(30KO)5敗1分。ウィル・グリッグスビーとこの王座(IBF世界J・フライ級王座)を決定戦で争って判定負け。これが同王座への二度目の挑戦。左右のスタンスの違いはあるが、共にガードを上げてジャブ、ダッキングしながらストレート、と似たようなところがある両者。左ストレートを主に狙うラタナポン。ロペスはワンツーなどのコンビネーションをリズムカルに使う。3R、攻めるラタナポンにロペスが左アッパーのカウンター。足に来たラタナポンにロペスが左フックからの右ストレート、ロープ際で連打を浴びせてレフェリーストップ。パワーでは負けてはいなかったラタナポンだが、左アッパーからの猛攻で一気に仕留められてしまった。相手の隙を突くのが巧いロペス。ラタナポンの戦い方は真っ直ぐすぎた。後、ラタナポンは世界王座に返り咲くことはなかった。)

   

リカルド・ロペス 8R KO ゾラニ・ペテロ

(IBF世界L・フライ級タイトル戦、2001年)

「最軽量級の精密機械」リカルド・ロペス⑨「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

2R:左フックでペテロがダウン

8R:左フックでペテロがダウン

(感想:ロペスがタイトル防衛。王者ロペスはこれまで49勝(36KO)1分。ペテロはラタナポンをKOしてIBF世界ストロー級王者になったことがある南アフリカのサウスポーで、17勝(9KO)2敗2分。長いジャブ、ストレートが武器。ロペスがガードを上げてジャブ、右ストレート、左アッパー、コンビネーション。二階級制覇を狙うペテロもまた連打で攻めるタイプであるが、ロペスのフットワーク、ジャブ、ディフェンスに遮られて連打できない。2R、絶妙なタイミングの左フックでペテロがダウン。その後は接近戦。ロペスは左フックでボディ攻撃。8R、右ストレートをヒットされて後退するペテロ。左フックでダウン。立てず、KO。ロペスが長く鋭いパンチで勝利。パンチのキレ、隙を見逃さない勘の良さなど、総合的にロペスが上だった。ロペスはこの試合で引退。負け無しのほぼパーフェクトなレコード。大橋秀行戦の前の「世界王者になればロペスの長い時代が続く」というボクシング関係者の予想は大当たり。ただ、ファンだけではなく、本人も希望していたマイケル・カルバハル戦、ウンベルト・ゴンザレス戦が実現しなかったのが残念。もし二人と戦っていれば、個人的にはディフェンスが固いうえに手数が多く、隙を突くのが巧いロペスが勝っていたのでは、と予想する。)

リカルド・ロペス①

ホセ・ルイス・セペダ戦、ホルヘ・リベラ戦、大橋秀行戦

リカルド・ロペス②

平野公夫戦、李敬淵戦、プリティボーイ・ルーカス戦

リカルド・ロペス③

シンプラサート・キティカセム戦、ロッキー・リン戦、呉光洙戦

サマン・ソーチャトロン戦、トートー・ポー・ポンサワン戦、マニー・メルチョル戦

ケルミン・グアルディア戦、ヨドシン・セーンモラコット戦、ハビエル・バルゲス戦

ヤミル・カラバジョ戦、アンディ・タバナス戦、アラ・ビラモア戦

キティチャイ・プリーチャ戦、モーガン・ヌドモ戦、朴明燮戦

リカルド・ロペス⑧

モンコン・チャロエン戦、アレックス・サンチェス戦、ロセンド・アルバレス戦(初戦・再戦)

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