2022年8月6日土曜日

「最軽量級の精密機械」リカルド・ロペス①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

WBA・WBC・WBO世界ストロー級、J・フライ級王者。世界王者になる前の試合&待望の世界挑戦。ホセ・ルイス・セペダ戦、ホルヘ・リベラ戦、大橋秀行戦を紹介します。

リカルド・ロペス(メキシコ)

身長165cm:オーソドックス(右構え)

リカルド・ロペス 7R TKO ホセ・ルイス・セペダ

(J・フライ級戦、1989年)

「最軽量級の精密機械」リカルド・ロペス①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:11歳でボクシングを始めたロペス。冷静な試合ぶり、端正な顔立ち、スーツを着こなす姿から「頭がいい男」のイメージがあるが、意外なことに子供の頃はケンカばかりでマトモに勉強したことがなかったという。クーヨ・エルナンデス(カルロス・サラテを育てた男。ロペスのファイトスタイルはサラテによく似ている。クーヨはロペスが大橋をKOした後、死去。井岡弘樹がストロー級王座を防衛した後に亡くなったエディ・タウンゼントと重なる)の指導を受け、アマチュアで無敗。プロ入り後も連戦連勝。ニックネームは「El Finito(フィニート:「素晴らしい」「優れた」の意)。単に強いだけではなく、「勝つことだけを信じてリングに上がる」「(複数階級制覇にはそれなりに興味はあるが)所持するタイトルの防衛に専念したい」と堅実な考えの持ち主。このセペダ戦は世界王者になる前の試合。ロペスと同じメキシコのセペダ。フスト・スニガ(後に来日し、ユーリ・アルバチャコフに敗北)、ウンベルト・ゴンザレスにTKO負けしている中堅どころ。1R、ガードを上げるロペス。セペダが非常に積極的に前進し右フックを振るうため、ロペスも足を使いながら右ストレート、左フックで忙しく応戦するペースの速い展開。1Rに右フックを食らってクリンチでしのぐなど、ロペスがセペダの接近戦を持て余す。しかもロペスがセペダの腕をホールドするため、セペダはロペスの首をかかえて攻撃。しかしながら、インサイドからパンチを入れるなど、攻撃の正確さではロペス。6R終了後に手を出してしまったセペダだが、左マブタの負傷により棄権。ロペスが左のテクニックで勝利。得意の右ストレートは空振りが多かった。なかなか強かったセペダ。ロペスの(後の)世界戦の相手よりも強かったのではないか、と思われるほど。後、WBC米大陸ストロー級タイトルを獲得したが、世界挑戦は失敗に終わった。)


リカルド・ロペス 8R TKO ホルヘ・リベラ

(WBC米大陸ストロー級タイトル戦、1990年)

「最軽量級の精密機械」リカルド・ロペス①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

5R:右ストレートでリベラがダウン

(感想:ロペスがタイトル防衛。レイ・エルナンデスとの王座決定戦に勝利して、この王座を獲得したロペスの初防衛戦。ロペスはこれまで23戦全勝(19KO)。リベラは23勝(10KO)10敗1分で、この男もフスト・スニガ、ウンベルト・ゴンザレスに負けている中堅どころ。ディナーショー形式で行われたらしく、正装した男女がテーブルを囲んで観戦(食べながら観戦するワケではない。試合が終わった後で試合について語り合いながら食いまくるのであろう)。小刻みに上半身を動かしてディフェンスするロペス。伸びるジャブ・ストレート、踏み込みの速さは既に世界王者レベル。リベラはジャブ、思い切りのいい右フックにパワーがあるが、ディフェンスされてしまい、手が出なくなるシーンも。5R、伸びのある右ストレートでリベラがダウン。その後も流れは変わらず、8R、負傷したリベラがTKO負けになった。左の正確さ、右カウンター、ディフェンスでロペスが勝利。セペダ戦と比べるとパワーが増したような印象。タフだったが、相手を追い込むような攻めはできなかったリベラ。次の試合でウンベルト・ゴンザレスの持つWBC世界J・フライ級王座に挑戦したが敗北。WBCの地域王座は獲得できたが、世界は獲得できなかった。)


リカルド・ロペス 5R TKO 大橋秀行

(WBC世界ストロー級タイトル戦、1990年)

「最軽量級の精密機械」リカルド・ロペス①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

4R:ワンツーで大橋がダウン

5R:ワンツー、左フックで2度、大橋がダウン

(感想:ロペスがタイトル獲得。WBC4位で、これまで25戦全勝のロペス。米大陸王座を返上して世界初挑戦。大橋は日本のヒーロー。世界戦で負け続けの日本ボクシング界にようやく誕生した世界王者。17勝(14KO)3敗。負けは韓国の金奉準、張正九に対するもので、両者とも手数が多いタイプだった。よく体がしぼられているロペス。ガードを上げて距離を取りながら伸びる左ジャブ、右ストレート、そして左フック。大橋は例の「覗き見スタイル」から左ジャブ、左フックを打つが動きが固く、手数が少ない。ロペスの鋭いジャブ・ストレートがまともにヒット。大橋は前に出るが、手がほとんど出ないサンドバッグ状態。4R、異常に速いワンツーで大橋がダウン。5Rにもワンツーで大橋がダウン。最後はワンツーからの強烈な左フック。大橋がこの試合、三度目のダウン。立ったが、ストップされた。おそらくこれがロペスのベストファイト。ありえないほど速く、パワーのあるパンチだった。惨敗の大橋。手数が多いタイプはやっぱり苦手だったようだ。後、WBA王座を獲得したが、防衛はできなかった。)

リカルド・ロペス②

平野公夫戦、李敬淵戦、プリティボーイ・ルーカス戦

リカルド・ロペス③

シンプラサート・キティカセム戦、ロッキー・リン戦、呉光洙戦

サマン・ソーチャトロン戦、トートー・ポー・ポンサワン戦、マニー・メルチョル戦

ケルミン・グアルディア戦、ヨドシン・セーンモラコット戦、ハビエル・バルゲス戦

ヤミル・カラバジョ戦、アンディ・タバナス戦、アラ・ビラモア戦

キティチャイ・プリーチャ戦、モーガン・ヌドモ戦、朴明燮戦

リカルド・ロペス⑧

モンコン・チャロエン戦、アレックス・サンチェス戦、ロセンド・アルバレス戦(初戦・再戦)

ウィル・グリッグスピー戦、ラタナポン・ソーウォラピン戦、ゾラニ・ペテロ戦(ラストファイト)

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