2022年8月12日金曜日

「最軽量級の精密機械」リカルド・ロペス⑧「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

WBA・WBC・WBO世界ストロー級、J・フライ級王者。WBC王座防衛戦&統一戦。モンコン・チャロエン戦、アレックス・サンチェス戦、ロセンド・アルバレス戦を紹介します。

リカルド・ロペス(メキシコ)

身長165cm:オーソドックス(右構え)

リカルド・ロペス 12R 判定 モンコン・チャロエン

(WBC世界ストロー級タイトル戦、1997年)

「最軽量級の精密機械」リカルド・ロペス⑧「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:ロペスがタイトル防衛。ロペスの19度目の防衛戦。ラスベガスで行われた試合。モンコンはタイのサウスポーでWBFのJ・フライ級王者。これまで17勝(5KO)1敗の18歳。ロペスは29歳で44戦全勝(34KO)。モンコンが右ジャブ、左ストレート。しかしながら、タイ人ボクサーにありがちな「パワーはあるが単発」なタイプ。力強い左ストレートを打つが(5Rほか)、ディフェンスが固いうえに異常に用心深いロペスには当たらない。そんなモンコンに対し、ロペスはワンツーからの左フックといったコンビネーション、相手のガードの隙を突くパンチ。判定は3-0。ロペスは倒せなかったのが不満なのか、勝ったが冴えない表情。モンコンは良いパンチを持っており、タフネスもありそうな感じだった印象。もっと積極的に攻めてもよかったのでは? モンコンはこの後もリングに上がり続けたが、メジャー団体の世界王座は獲得できなかった。)


リカルド・ロペス 5R TKO アレックス・サンチェス

(WBC・WBO世界ストロー級王座統一戦、1997年)

「最軽量級の精密機械」リカルド・ロペス⑧「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

2R:右ストレートでサンチェスがダウン

5R:連打でサンチェスがダウン

(感想:ロペスがタイトル統一。マジソンスクエアガーデンで行われた試合。WBO王者サンチェスはプエルトリコの選手。これまで25勝(18KO)1敗(この「1敗」は世界王者として行ったノンタイトル戦で喫したもの)。WBO王座を決定戦で獲得し、ロペスの「ライバル王者」のポジションに。気合いが入っているロペス。素早い動きからのジャブ、ワンツー、左フック。小柄なサンチェスは左フックを狙い、右ストレートを思い切って打って行くが当たらない。2R、ワンツーからの右ストレートでサンチェスがダウン。3Rには右アッパーでピンチ。5R、連打でサンチェスがこの試合二度目のダウン。立ったが、ダメージ深く、レフェリーストップ。ロペスがパワーとキレで圧勝。最後まで前に出るなど、サンチェスは決して弱い選手ではなかったが、攻撃力やパンチの伸びといった点でロペスとはスケールの違いがあった。この後、ロペスはWBO王座を返上(他団体の王者よりも強いことを証明できればよかったのかも)。サンチェスはIBF世界ライトフライ級王座に挑戦したが敗北。世界王座に復帰することはできなかった。)


リカルド・ロペス 7R 負傷引分 ロセンド・アルバレス

(WBA・WBC世界ストロー級王座統一戦、1998年)

「最軽量級の精密機械」リカルド・ロペス⑧「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

2R:右フックでロペスがダウン

(感想:メキシコで行われた注目の一戦(大観衆)。アルバレスはニカラグアのパンチャー。これまで24戦全勝(16KO)。チャナ・ポーパオインに勝ってWBA王者に。日本でもKO防衛。ロペスは46戦全勝(35KO)。1R、アルバレスは得意の右を狙う。ロペスは左を器用に使って右ストレート。スピードではロペスが上回る。そして2Rの衝撃的なシーン。ロペスのジャブにかぶせるように打ったアルバレスの右フックがカウンターとなってロペスが吹っ飛ぶ。その後、アルバレスの右を警戒するロペスはディフェンスしながらジャブ。アルバレスは右を当てようとするあまり、ジャブが少なくなる。7R、バッティングでロペスが負傷。7R終了後、引き分けのアナウンス。アルバレスがもっと左を使っていれば、と(当時)思った試合。あのロペスがダウンし、(結果的に)唯一「勝てなかった試合」。アルバレスの腕っぷしが印象的だった。)


リカルド・ロペス 12R 判定 ロセンド・アルバレス

(WBA・WBC世界ストロー級王座統一戦、1998年)

「最軽量級の精密機械」リカルド・ロペス⑧「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:ロペスが王座統一。ラスベガスで行われた再戦。アルバレスが計量に失敗し、WBA王座剥奪。試合に勝っても「王座ナシ」といった状況に。1R、初戦でダウンしたロペスはかなり警戒気味で、いつも以上にガードを上げている(窮屈そうに見える構え)。共にジャブ。アルバレスが(初戦でダウンを奪った)右フックを当てようと狙う。ロペスは左ジャブ、左フックが効果的。前に出るアルバレスは3Rには右フック、4Rにはパワフルな左ボディ打ちを見せるが、ディフェンスされてしまうというのもあって、攻撃がとぎれがち。ロペスは距離を取りながらリズミカルに左のテクニックを使う。5Rにはまたしてもバッティングでロペスが負傷。最終ラウンド終了時、共に両手を上げて自身の勝利をアピール。判定は2-1。最後まで前に出たアルバレスは力強かったが、ロペスのテンポの良い連打の方が見栄えが良かった印象。アルバレスの方がパワフルだった感じもあったが、追い込むような継続的な攻めができなかったのが残念。後、ロペスはWBA王座を返上、WBC王座は剥奪され、これがストロー級での最後の試合となった。そして、共に二階級制覇(ロペスはIBF世界J・フライ級タイトル、アルバレスはWBA世界J・フライ級タイトル)。それも当然、と思うような強さが両者にはあった。)

リカルド・ロペス①

ホセ・ルイス・セペダ戦、ホルヘ・リベラ戦、大橋秀行戦

リカルド・ロペス②

平野公夫戦、李敬淵戦、プリティボーイ・ルーカス戦

リカルド・ロペス③

シンプラサート・キティカセム戦、ロッキー・リン戦、呉光洙戦

サマン・ソーチャトロン戦、トートー・ポー・ポンサワン戦、マニー・メルチョル戦

ケルミン・グアルディア戦、ヨドシン・セーンモラコット戦、ハビエル・バルゲス戦

ヤミル・カラバジョ戦、アンディ・タバナス戦、アラ・ビラモア戦

キティチャイ・プリーチャ戦、モーガン・ヌドモ戦、朴明燮戦

リカルド・ロペス⑨

ウィル・グリッグスピー戦、ラタナポン・ソーウォラピン戦、ゾラニ・ペテロ戦(ラストファイト) 

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