2022年7月4日月曜日

「リズミカルな連打」オルランド・カニザレス⑧「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

IBF世界バンタム級王者。新興団体の王者として活躍したキャリア終盤の試合。キノ・ロドリゲス戦、フリオ・ポルテリオ戦、ジュニア・ジョーンズ戦を紹介します。

オルランド・カニザレス(アメリカ)

身長163cm:オーソドックス(右構え)

オルランド・カニザレス 2R KO キノ・ロドリゲス

(J・フェザー級戦、1995年)

「リズミカルな連打」オルランド・カニザレス⑧「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

2R:右ストレートでロドリゲスがダウン

(感想:ウィルフレド・バスケスに敗れて二階級制覇に失敗したカニザレス。IBF世界バンタム級王座を返上。これが再起戦となる。ロドリゲスはこれまで8勝(1KO)5敗2分。「BOXREC」の記録によると4回戦と6回戦の経験しかない選手。しかも、連勝したり、連敗したりといった不安定なキャリア。38勝(29KO)2敗1分のカニザレスとは大きなキャリアの違いが。体重が増えたカニザレス。速いジャブ、ワンツー、ディフェンス、と基本的な動きはバンタム時代と変わらないが、動きのキレは少し落ちた印象。ロドリゲスはジャブ、右ストレート。2R、真っ直ぐ攻めるロドリゲス。右ストレートをカウンターで食ってダウン。立てず、KO。カニザレスが当てる巧さで勝利。ディフェンスに問題があったロドリゲス。後、フロイド・メイウェザー・ジュニアに1Rで敗れている。)


オルランド・カニザレス 2R KO フリオ・ポルテリオ

(IBC J・フェザー級タイトル戦、1995年)

「リズミカルな連打」オルランド・カニザレス⑧「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

2R:右ストレートでポルテリオがダウン、右フックでカニザレスがダウン、左ボディフックでポルテリオがダウン

(感想:カニザレスがタイトル防衛。ジョン・レウスに王座決定戦で判定勝ちしてこの王座を獲得したカニザレス。これが二度目の防衛戦。ポルテリオはメキシカン。これまで14勝(7KO)4敗1分で、タイトル獲得歴は無し。直前の試合ではファン・マヌエル・マルケスにKO負けしている。スラリとしたポルテリオ。ガードを高く上げて長いジャブ、右ストレート、そして左フック。カニザレスはおなじみのパターン。ジャブ連打、左フックからの右ストレートといったコンビネーション。攻めるカニザレス、応戦するポルテリオ、といった展開。2R、ジャブ連打からの強烈な右ストレートでポルテリオがダウン。攻めるカニザレスだが、逆に右フックでダウン。しかし最後は左ボディでポルテリオがダウン。立ったがレフェリーストップ。カニザレスがダウンを食いながらも防衛。ダウンを奪った右ストレートは踏み込みが速く、左ボディはなかなか強烈なものだった。ただ、右フックでダウンしたように、レウス戦でも右を打たれるシーンがあったのが少し気になるところ。マイナー団体の王者としてリングに上がり続けるカニザレス。次の防衛戦の相手は「ポイズン(猛毒)」ジュニア・ジョーンズ。)


ジュニア・ジョーンズ 12R判定 オルランド・カニザレス

(IBC J・フェザー級タイトル戦、1996年)

「リズミカルな連打」オルランド・カニザレス⑧「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:ジョーンズがタイトル獲得。注目の好カード。マジソン・スクエア・ガーデンで行われた試合。ジョーンズは元WBA世界バンタム級王者。トーマス・ハーンズのような体型ではあるが、パワーで勝負するタイプ。長いパンチに威力があるが、やや不器用なところがあり、相手に隙を見せて不覚をとったことも。かつてカニザレスがIBF世界バンタム級王者だった頃にWBA王者だったジョーンズと統一戦を行う計画もあったらしいが、ジョーンズがKO負けしたため、その話が流れた過去がある。共にきびきびした動きで手数も多い。スピードがあるカニザレス。速いジャブ、ワンツー。ジョーンズは長いジャブ、右ストレート、左フック。特に右ストレートにパワーがあり、手数を出しながらも距離を取る慎重さもある。互いのパンチがヒットする一進一退の展開。判定は2-1。ジョーンズの大きいパンチが評価されたか。カニザレスは正確なジャブを当て、ジョーンズの長いパンチの隙を突くパンチをヒットさせていたが、小さい攻撃よりも大きい攻撃の方がやはり目立つ。打たれ弱いところもあるジョーンズだが、この試合ではよく頑張っていた。後、カニザレスはIBAのフェザー級王座を獲得、防衛。最後の試合は後の世界王者フランキー・トレドに判定負け。キャリアの晩年はすっかりマイナータイトル路線をひた走る存在になってしまったが、マヌエル・オルチスの世界バンタム級王座の防衛記録(15連続防衛)を抜く16連続防衛(新記録)は立派な記録。「オルチスを超えた」と言ってもよいのかどうか、といったその記録の値打ちに関する議論はともかく、回転の速い連打を打ち、そのパンチにはパワーもあった。天才的な選手であったことは間違いない。)   

オルランド・カニザレス①

アルマンド・ベラスコ戦、ルイス・カーティス戦

オルランド・カニザレス②

ケルビン・シーブルックス戦(初戦)、ジミー・ナバロ戦、ケルビン・シーブルックス戦(再戦)

オルランド・カニザレス③

ビリー・ハーディ戦(初戦)、ポール・ゴンザレス戦(再戦)、エディ・ランヘル戦

オルランド・カニザレス④

ビリー・ハーディ戦(再戦)、フェルニー・モラレス戦、レイ・マイナス戦

オルランド・カニザレス⑤

フランシスコ・アルバレス戦、サミュエル・デュラン戦、クラレンス・アダムズ戦

オルランド・カニザレス⑥

デリク・ホワイトボーイ戦、フベナル・ベリオ戦、ヘラルド・マルチネス戦

ローランド・ボホール戦、セルヒオ・レイジェス戦、ウィルフレド・バスケス戦

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