2022年7月3日日曜日

「リズミカルな連打」オルランド・カニザレス⑦「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

IBF世界バンタム級王者。新記録・二階級制覇を目指した世界王座戦。ローランド・ボホール戦、セルヒオ・レイジェス戦、ウィルフレド・バスケス戦を紹介します。

オルランド・カニザレス(アメリカ)

身長163cm:オーソドックス(右構え)

オルランド・カニザレス 5R KO ローランド・ボホール

(IBF世界バンタム級タイトル戦、1994年)

「リズミカルな連打」オルランド・カニザレス⑦「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

5R:右ストレートでボホールがダウン

(感想:カニザレスがタイトル防衛。カニザレスの15度目の防衛戦。挑戦者ボホールはフィリピンのサウスポーで元IBF世界フライ級王者。王座陥落後は日本でユーリ・アルバチャコフにKO負けしたりするなど、勝ったり負けたり。一発ずつ強く打っていくボホール。左ストレート、右フックが特に強く、時折ヒットさせる。カニザレスはジャブ連打、ワンツー、左ボディ打ち。相手の攻撃をダッキング、ブロック。3R、激しい打ち合い。ラウンド終了間際、右ストレートでボホールがダウン寸前に。5R、左フックが効いてグラつくボホール。右ストレートでダウン、KO。慎重にサウスポーの左強打を避けながら最後は強烈なKOでマヌエル・オルチスの持つ世界バンタム級王座15連続防衛記録に並んだ。ボホールは元IBF世界フライ級王者であるが、カニザレスも元々はフライ級でやっていた小柄な選手であるため、体格差は特に感じられなかった。ボホールの一発ずつ強打する姿勢には勇ましいものがあったが、隙ができる打ち方であるため、カニザレスはその隙を見逃さなかった。ボホールは次の試合でジョニー・タピアにもKOされて引退。)


オルランド・カニザレス 12R 判定 セルヒオ・レイジェス

(IBF世界バンタム級タイトル戦、1994年)

「リズミカルな連打」オルランド・カニザレス⑦「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

6R:右ストレートでレイジェスがダウン

(感想:カニザレスがタイトル防衛。カニザレスの16度目の防衛戦。挑戦者レイジェスはキャリアは浅いがこれまで全勝。IBF6位。テキサス州ラレド、日中の屋外リングで行われた試合(「真昼の決闘」という感じ。リング上に陽が照りつけ、陰になっている部分も)。積極的に前に出るレイジェス。ジャブ、右ストレート、接近して左右フックを思い切り振るう。カニザレスはジャブ連打、ワンツー、左ボディ打ち。連打の回転が速いカニザレスだが、レイジェスも力強い連打。激しく接近戦で打ち合う中、6R、強烈な右ストレートでレイジェスがダウン。かなり足に来ていたが何とかしのぐ。それ以降も攻める勢いは落ちたが、レイジェスは前進して連打。カニザレスはディフェンスしながら連打するが、時折打たれる。12R終了。共に自身の勝利をアピール。判定は3-0。ジャッジの一人は1ポイント差という僅差。ジャブやインサイドからのパンチが評価されたか。映像ではよく攻めたレイジェスが勝ったようにも見えた。これでマヌエル・オルチスの防衛記録を超えたカニザレス。次の狙いは二階級制覇。レイジェスは後、全米バンタム級タイトルを獲得。日本でカニザレスとIBAフェザー級王座決定戦を行ってTKO負けを喫した。)


ウィルフレド・バスケス 12R判定 オルランド・カニザレス

(WBA世界J・フェザー級タイトル戦、1995年)

「リズミカルな連打」オルランド・カニザレス⑦「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:バスケスがタイトル防衛。注目の好カード。IBF世界バンタム級王者カニザレスが二階級制覇を狙う。相手は日本でもおなじみの強打者バスケス。バスケスは33歳、カニザレスは29歳。どんな試合になるか? カニザレスはいつものようにリズムボクシング。フットワークで相手を中心に周りながらジャブ、ワンツーを使う。バスケスは動きはそれほど速くはないが、ベタ足でジリジリと前に出て速いジャブ、そして左右フック強打を振るう。共にディフェンス。カニザレスは手数、バスケスはパワー。判定は2-1。バスケスのパワーが評価されたか。パワーに定評のあるバスケスだが、パンチにはスピードとキレもあった。カニザレスは良く言えば「テンポがいい」、悪く言えば「軽い」、といったところ。プロボクシングは「強いパンチ」を評価する世界。採点が割れたように、評価が難しい試合となったが、ジャッジがバスケスの勝利を支持したというのであればそれが正しいのだと思う。HBOのレダーマンの採点は116-112でカニザレス。手数を評価したようだ。)

オルランド・カニザレス①

アルマンド・ベラスコ戦、ルイス・カーティス戦

オルランド・カニザレス②

ケルビン・シーブルックス戦(初戦)、ジミー・ナバロ戦、ケルビン・シーブルックス戦(再戦)

オルランド・カニザレス③

ビリー・ハーディ戦(初戦)、ポール・ゴンザレス戦(再戦)、エディ・ランヘル戦

オルランド・カニザレス④

ビリー・ハーディ戦(再戦)、フェルニー・モラレス戦、レイ・マイナス戦

オルランド・カニザレス⑤

フランシスコ・アルバレス戦、サミュエル・デュラン戦、クラレンス・アダムズ戦

オルランド・カニザレス⑥

デリク・ホワイトボーイ戦、フベナル・ベリオ戦、ヘラルド・マルチネス戦

キノ・ロドリゲス戦、フリオ・ポルテリオ戦、ジュニア・ジョーンズ戦 

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