2022年7月6日水曜日

「長いリーチ&ジャブ」ヘナロ・エルナンデス①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

WBA・WBC世界J・ライト級王者。世界王者になる前の試合と初の世界戦。フェリッペ・オロスコ戦、レオン・コリンズ戦、ダニエル・ロンダ戦(WBA戦)を紹介します。

ヘナロ・エルナンデス(アメリカ)

身長180cm:オーソドックス(右構え)

ヘナロ・エルナンデス 10R 判定 フェリッペ・オロスコ

(ライト級戦、1989年)

「長いリーチ&ジャブ」ヘナロ・エルナンデス①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:メキシコ系アメリカ人のエルナンデス。本人によると、「ヘナロ」ではなく「ジェナロ」と読むのが正しい、とのこと(ただ、日本では「ヘナロ」で通っているため、便宜的にそう呼ぶことにします)。とても背が高く、懐が深いボクシング(シュガー・レイ・レナード、マイク・タイソンは178cm)。帝拳ジムとプロモート契約をしたため、日本のリングにも登場。とても強かったが、意外なことにアマチュアでは4戦して全敗だったという。プロでは連戦連勝。オスカー・デラ・ホーヤがJ・ライト級で初の世界王座を目指した時にエルナンデスに挑戦する計画もあったが、勝てないと思ったか、エルナンデス戦を回避してWBO王座に挑戦した(後に二人は対戦)。そんなエルナンデスの弱点は「右拳」。パワーがありすぎるため痛めがち。本来ならKOで勝てたような試合もその弱点のため、判定まで行くことがよくあった。WBAとWBCの世界J・ライト級王座を獲得。WBO世界ライト級王者オスカー・デラ・ホーヤと無敗対決を行ったが敗れ、ライト級王座は獲得できず。引退後、癌に侵され、45歳で死去(2011年)。オロスコ戦は世界王者になる前の試合。オロスコはコロンビアの黒人サウスポーでエルナンデスと同じ身長180cm。デビュー以来、連戦連勝であったがハイメ・ガルサの持つWBC世界J・フェザー級王座への挑戦はKO負け。その後もバリー・マクギガン、ロッキー・ロックリッジらトップクラスに敗北している。ジャブ、ワンツーを使うオロスコ。エルナンデスもジャブ、そして右ストレート、左フック。互いにディフェンスするため、大きなパンチが当たらない。接近戦ではエルナンデスの左フックが時折ヒット。5R、激しい打ち合いでエルナンデスの右ストレート、左ボディフック、オロスコの左ボディフックがヒット。8R、エルナンデスが左右フック連打。判定は3-0。当てるテクニックでエルナンデスが勝利。相手にディフェンシブなところがあったためダウンは奪えなかったが、パンチ自体はよく出ていた。オロスコはテクニシャンタイプ。受け身の姿勢でパンチもやや軽かった印象。後、ブライアン・ミッチェル、ディンガン・トベラ、カルビン・グローブに連敗。トップには敵わなかった。)


ヘナロ・エルナンデス 3R KO レオン・コリンズ

(ライト級戦、1990年)

「長いリーチ&ジャブ」ヘナロ・エルナンデス①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

3R:左フックでコリンズがダウン

(感想:日本の後楽園ホールで行われた試合。帝拳ジムと契約したエルナンデス。WBA世界J・ライト級2位(WBCでは3位)で、これまで17戦全勝(8KO)。コリンズはフィリピンのJ・ライト級3位で28勝(3KO)11敗5分。李承勲の持つIBF世界J・フェザー級王座に挑戦してKO負けしたことがあり、それ以来、勝ったり負けたり連敗したりの選手。エルナンデスが多彩な左を見せる。ジャブ、ワンツー、左フック。左ボディからの左アッパーというちょっとマネできない高等テクニックも披露。コリンズはフックで反撃するが、単発でかわされてしまう。2R、ワンツーからの左フックでコリンズが後退。3R、左フックのカウンターが効いたコリンズ。左フックでダウン。立てず、KO。エルナンデスが圧勝。コリンズの顔面に吸い込まれていくかのようにジャブを当て、左ボディ打ちにも強烈なパワーがあった。)


ヘナロ・エルナンデス 9R TKO ダニエル・ロンダ

(WBA世界J・ライト級王座決定戦、1991年)

「長いリーチ&ジャブ」ヘナロ・エルナンデス①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

7R:右ストレート、右アッパーで2度、ロンダがダウン

9R:左フックでロンダがダウン

(感想:エルナンデスがタイトル獲得。フランスのエペルネーで行われた試合。ロンダはフランスの黒人選手。フランスのJ・ライト級王座、欧州J・ライト級王座を獲得しているが、ブライアン・ミッチェルが王者だった頃にこの王座(WBA世界J・ライト級王座)に挑戦して判定負け。エルナンデスとの王座決定戦でかつて獲れなかった王座を目指す。共に左ジャブから入る似たような戦い方。しかし、リーチの長さが違う。エルナンデスの懐に入っていけないロンダ。攻撃をディフェンスされ、強打されるばかり。7R、左フックからの右ストレートでロンダがダウン。右アッパーで二度目。9R、異常に速い右ストレートからの左フックでロンダがダウン、KO。最後は見えないぐらい速いパンチでエルナンデスが圧勝。懐の深さ、パワーに差があった。この試合は惨敗に終わったロンダだが、後にWBO王座を獲得。フランス王座、欧州王座、世界王座をコレクションすることができた。)

ヘナロ・エルナンデス②

オマール・カタリ戦、竹田益朗戦、渡辺雄二戦

ラウル・ペレス戦(初戦・再戦)、ハロルド・ウォーレン戦

ホルヘ・ラミレス戦、ジミー・ガルシア戦、ホルヘ・パエス戦

アズマー・ネルソン戦、アナトリー・アレクサンドロフ戦、カルロス・エルナンデス戦 

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