WBC・IBF世界J・ミドル級王者。安定した強さ&打たれ脆さ。世界王座防衛戦、モーリス・ブロッカー戦、トロイ・ウォーターズ戦、ジョー・ガッティ戦を紹介します。
テリー・ノリス(アメリカ)
身長175cm:オーソドックス(右構え)
①テリー・ノリス 2R TKO モーリス・ブロッカー
(WBC世界J・ミドル級タイトル戦、1993年)
(ダウンシーン)
1R:左フックで2度、ブロッカーがダウン
(感想:ノリスがタイトル防衛。七度目の防衛戦でWBA世界ウェルター級王者のメルドリック・テーラーをKOしたノリス。八度目の相手ブロッカーはIBF世界ウェルター級王者。これまで34勝(18KO)2敗。背が高く(身長188cm)、シャープなジャブを打つが、パワーはそれほどない。ノリスは33勝(19KO)3敗。1R、ブロッカーが器用に左ジャブ、長い右ストレート、力んで振るう左フック。接近戦を避けようとクリンチ。ノリスはディフェンスしながら接近し、左右フック。ワンツーからの左フックでブロッカーがダウン。ラウンド終了間際にも連打からの左フックでダウン。立ったが、足に来ている。2R、左フック連打を浴びてブロッカーがロープ際に後退したところでレフェリーストップ。ノリスが勢いで圧勝。一瞬の隙を突く左フックが見事だった。ブロッカーはやはりパワー不足。身体全体のパワーでノリスに押されていた。メルドリック・テーラーはノリスにKOされた次の試合でクリサント・エスパーニャにKOされてWBA王座を失ったが、ブロッカーはフェリックス・トリニダードにKOされてIBF王座を失った。)
②テリー・ノリス 4R TKO トロイ・ウォーターズ
(WBC世界J・ミドル級タイトル戦、1993年)
(ダウンシーン)
1R:右フックでウォーターズがダウン
2R:連打でノリスがダウン
3R:右ストレートでウォーターズがダウン
(感想:ノリスがタイトル防衛。九度目の防衛戦。ウォーターズはオーストラリアの実力者。WBC5位で、これまで20勝(14KO)2敗。彼を負かしたのは、後のWBA世界S・ミドル級王者の白仁鉄、IBF王者のジャンフランコ・ロッシ(世界戦)のみ。試合前、楽団による両国国歌演奏。1R、開始から飛ばすノリス。ワンツー、左フック、ボディ連打、といったパンチを踊るように打ち込む。右フックでウォーターズがダウン。しかし、なぜかカウントを取らないレフェリー(マーチン・デンキン)。しかも、ノリスから減点(ダウン後に攻撃したから?)。2R、自在に打ちまくるノリスだが、右フックが効いてしまって連打でダウン。しかし、その後はノリス。激しく連打し、3Rには右ストレートでウォーターズからダウンを奪う。3R終了後、キズによりウォーターズが棄権。短かったがエキサイティングな内容だった試合。ノリスの攻撃力は素晴らしかったが、やはりこの選手には打たれ弱さが。ウォーターズは良い選手。相手のスピードには付いていけなかったが、右ストレート、左フックはしっかりした打ち方だった。後、ノリスをKOして新王者になったサイモン・ブラウンにウォーターズは挑戦したが、惜しくも判定負け。フェリックス・トリニダードにKOされるなど、世界王座には手が届かなかった。)
③テリー・ノリス 1R KO ジョー・ガッティ
(WBC世界J・ミドル級タイトル戦、1993年)
(ダウンシーン)
1R:左フック、連打で2度、ガッティがダウン
(感想:ノリスがタイトル防衛。十度目の防衛戦。WBC8位ガッティはカナダの新鋭で、これまで20勝(15KO)2敗。ただし、王座を獲得したことはない。1R、ジャブを連打し、右ストレートからの左フックといったコンビネーションを使うガッティだが、左フックでダウン。さらにロープ際で連打を浴びて、ロープ外へ。マウスピースを自ら吐き出し、試合終了。あっけなく終わった試合。ガッティは悪い選手ではなかったが、一瞬の左フックで勝負がついた。ノリスは前回の防衛戦でダウンを喫し、打たれ弱さに懸念があったが、この試合ではそれを見せることなく圧勝。そんなノリスの次の防衛戦の相手はハードヒッターのサイモン・ブラウン。ガッティは後、スベン・オットケのIBF世界S・ミドル級王座に挑戦して敗北、引退。世界王者にはなれなかったが、弟のアルツロ・ガッティが世界王者に。)
デリク・ケリー戦、エドワード・ネブレット戦、クインシー・テイラー戦
バスター・ドレイトン戦、ジョン・ムガビ戦、ドナルド・カリー戦
ブレット・ラリー戦、カール・ダニエルズ戦、メルドリック・テーラー戦
サイモン・ブラウン戦(初戦・再戦)、ルイス・サンタナ戦(初戦)
ルイス・サンタナ戦(再戦・三戦目)、デビッド・ゴンザレス戦
ポール・ベイデン戦、ビンセント・ペットウェイ戦、アレックス・リオス戦
ニック・ルーパ戦、アンドレアス・アレラーノ戦(ノンタイトル戦)、キース・ムリングス戦
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