WBC・IBF世界J・ミドル級王者。最強の挑戦者との世界王座防衛戦&疑惑の試合。サイモン・ブラウン戦(初戦・再戦)、ルイス・サンタナ戦(初戦)を紹介します。
テリー・ノリス(アメリカ)
身長175cm:オーソドックス(右構え)
①サイモン・ブラウン 4R KO テリー・ノリス
(WBC世界J・ミドル級タイトル戦、1993年)
(ダウンシーン)
1R:左ジャブでノリスがダウン
4R:右フックでノリスがダウン
(感想:ブラウンが二階級制覇。WBC1位ブラウンはジャマイカ出身のハードパンチャー。これまで39勝(29KO)2敗。WBCとIBFの世界ウェルター級王座を持っていたが、バディ・マクガートに敗れ、王座陥落。パワーはあるが、動きのスピードはそれほど速くはない。ノリスは36勝(22KO)3敗で、これが11度目の防衛戦。1R、王者ノリスがKOを狙うかのように前に出る。ブラウンの左ジャブがカウンターで決まってノリスがダウン。2Rには右フックでノリスがグラつく。それでも前に出るノリスだが、3Rの終了間際に打たれて完全に足に来た。4R、最後はノリスの体勢が低くなったところにブラウンの右フックが後頭部あたりに当たってKO(後ろから殴ったのではないから反則ではない)。ブラウンが自慢の強打で勝利。ブラウンは動き自体はそんなに速くはないが、パンチにはキレがあった。これまで連続KOで防衛してきたノリス。実力者ブラウンにパワーで圧勝して名を上げたかったのだろうが、無惨な結果に。危険なパンチを持つブラウンは無理に打ち合ってはいけない相手だった。)
②テリー・ノリス 12R 判定 サイモン・ブラウン
(WBC世界J・ミドル級タイトル戦、1994年)
(感想:ノリスがタイトル奪回。ラスベガス「MGMグランド」で行われた再戦。WBC1位のノリス。フットワークを使いながら速いジャブ、ワンツー、ボディ打ち、コンビネーション(マイク・タイソンのような「右ボディからの右アッパー」を見せるシーンも)。ブラウンはいつものようにゆったりした動きから速いジャブ、右ストレート。慎重に距離を取るノリス。ブラウンは定評のある強打で攻めるが、フットワーク&ディフェンスで逃げられてしまう。12R、ノリスがモハメド・アリばりのフットワーク&ジャブ。判定は3-0。打ち合いを避けて、ノリスが連打でポイントを重ねた。ブラウンはパワーがあり、「打ってこい」みたいなアピールをしていたが、ノリスはこれに乗らず。エキサイティングな試合ではなかったが、これが本来のノリスのボクシング。初戦は打ち合いすぎた。)
③ルイス・サンタナ 5R 反則 テリー・ノリス
(WBC世界J・ミドル級タイトル戦、1994年)
(ダウンシーン)
3R:左フックでノリスがダウン
(感想:サンタナがタイトル獲得。35歳のサンタナはこれまで38勝(29KO)15敗2分で、WBCウェルター級9位。ミルトン・マクローリーには敗北したが、マニング・ギャロウェイ(後のWBO世界ウェルター級王者)に勝利。北米ウェルター級王座を獲得したが、サイモン・ブラウンの持つIBF世界ウェルター級王座への挑戦は判定負け。ゴツゴツした感じのフックを打つサンタナ。ノリスはいつものようにフットワークを使って、スピードのあるジャブ、ストレート。無器用だがタフなサンタナ。3R、右ストレートを打たれて足がフラつくノリス。左フックでダウン。4R、バッティングでサンタナが流血。5R、ロープにもたれる体勢になったサンタナの後頭部をノリスが攻撃。失神してタンカで運び出されるサンタナ。反則勝ちでサンタナが新王者に。序盤にもラビットパンチ(後頭部打ち)をレフェリーから注意されていたノリス。若手時代にも反則パンチで負けになってしまったことがある(悪いクセ)。ブラウンから取り戻した王座をつまらない形で失った。「失神」したサンタナは倒れる時とドクター(?)が彼の様態を診る時に「チラッ」と目を開けた。ホントに失神?)
デリク・ケリー戦、エドワード・ネブレット戦、クインシー・テイラー戦
バスター・ドレイトン戦、ジョン・ムガビ戦、ドナルド・カリー戦
ブレット・ラリー戦、カール・ダニエルズ戦、メルドリック・テーラー戦
モーリス・ブロッカー戦、トロイ・ウォーターズ戦、ジョー・ガッティ戦
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