2025年9月3日水曜日

「フィリピンの大型台風」ミラン・メリンド「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

IBF世界ライトフライ級王者。世界王者になる前のカルロス・タマラ戦、ジャン・ピエロ・ペレス戦ほかを紹介します。


ミラン・メリンド(フィリピン)

身長157cm:オーソドックス(右構え)


①ミラン・メリンド 10R 判定 カルロス・タマラ

(フライ級戦、2010年)

「フィリピンの大型台風」ミラン・メリンド「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:フィリピン・ミンダナオ島のカガヤン・デ・オロ出身のメリンド。そのパワーから「Milenyo(ミレニオ:かつてフィリピンを襲った大型台風の名)」と呼ばれる。6歳でボクシングを始め、アマチュアで優秀な成績。2005年にプロデビュー。WBCやWBOの地域王座などを獲得し、これまで22連勝(7KO)。21勝(15KO)5敗2分のタマラはコロンビア・シンセレホ出身。2004年のアテネ・オリンピックにライトフライ級で出場(メダルは獲得ならず)。プロデビューから連勝でWBCラティノ王座(フライ級)を獲得したが、次の試合で判定負け。再起戦でジョバンニ・セグラにも判定負けで二連敗。地域王座戦に勝利後、オマール・ナルバエスのWBO世界フライ級王座に挑戦して判定負け。ブライアン・ビロリアのIBF世界ライトフライ級王座に挑戦して、TKO勝ち。しかし、初防衛ならず。その再起戦でメリンドと対戦。フィリピン・セブでの一戦(レフェリーはブルース・マクダビッシュ。アジアでのWBC関連試合をよく裁いていることでおなじみ)。共に速いジャブ。タマラは南米の選手らしいスタイル。距離を取ってシャープなジャブ、ワンツーからの左ジャブ、左フックからの右ストレート、左ボディ打ち。しかしながら、真っ直ぐ攻めるクセ。パワーで上回るメリンドはブロックしながら隙を突く強打(右ストレート、左フックにパワー)。接近戦で手数を出すタマラだが、メリンドがブロック&強打。10R終了。判定は3-0。メリンドが隙を突く強打で勝利。当てる巧さがあった。タマラはシャープなパンチだったが、パワー負け。上位陣との対戦で不安定なのを物語る試合ぶりだった。その後、タマラはエルナン・マルケスとのWBO世界フライ級王座挑戦者決定戦に敗北し、世界戦はなかった。)


②ミラン・メリンド 1R KO ロセンド・ベガ

(フライ級戦、2011年)

「フィリピンの大型台風」ミラン・メリンド「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

1R:右ボディ、右アッパーで2度、ベガがダウン

(感想:23歳のメリンド。タマラ戦の次の試合。ベガ(33歳)はメキシカン。これまで17勝(11KO)6敗。デビューから二連敗。日本で判定負け、WBCラティノ王座(フライ級)に挑戦して1RでKO負け。直前の試合は日本で亀田大毅に判定負け。セブでの一戦(レフェリーはブルース・マクダビッシュ)。攻めの姿勢のメリンド。ジャブ連打からの左フック、右ストレート。ベガは慎重にガードを上げてジャブ、ストレート、大振りのフック。動きのスピードに欠け、大振りのフックにはキレがない。メリンドの強烈な右フックがヒット。右ボディでベガがダウン。立ったが、左フックからの右アッパーで二度目のダウン。座ったまま10カウントを聞いた。メリンドがパワーで圧勝。勝負はやってみないとわからないが、この程度の相手と試合するのは時間の無駄。ベガは右ストレートはまずまずだったが、全体的なスピード感に乏しかった。これが最後の試合に。)  


③ミラン・メリンド 12R 判定 ジャン・ピエロ・ペレス

(WBOインターナショナル・フライ級タイトル戦、2012年)

「フィリピンの大型台風」ミラン・メリンド「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:メリンドがタイトル初防衛。決定戦でインター王者になったメリンドが初防衛戦。挑戦者ペレスはベネズエラ人。パナマが主戦場で、デビューもパナマ。これまで19勝(14KO)4敗1分。カルロス・ムリージョにKO勝ち、ラファエル・コンセプシオンに2-1の敗北とTKO負け。決定戦でWBA世界フライ級暫定王座を獲得したが、ファン・カルロス・レベコに2RでKOされて初防衛ならず。再起戦に勝利し、メリンドに挑戦。セブでの一戦(レフェリーはブルース・マクダビッシュ)。パワフルなメリンド。この試合では左フックにパワーがあり、左フック連打(ボディからアゴへ)、左右フックボディ打ちに迫力。ペレスはボクサータイプで、スタイリッシュなボクシング。ジャブ、ワンツーからの左フック、左ボディ打ち、手数で勝負。互いに器用さ&ディフェンス。接近戦ではパワーと手数の勝負。12R終了。判定は2-0。パワーでメリンド。ペレスはバランスの良い選手だったが、「ナチュラルなパワー」という点でメリンドには及ばなかったか。その後のペレス。日本で井岡一翔にKOされるなど試合間隔が長めになっていった。)


その後のメリンド

全勝のままフアン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ)のWBA・WBO世界フライ級王座に挑戦したが、3-0で判定負け。ハビエル・メンドサ(メキシコ)のIBF世界ライトフライ級王座への挑戦も失敗。ファーラン・サックリンJr(タイ:日本で宮崎亮をぶっ倒した男)との決定戦でIBF世界ライトフライ級暫定王座獲得(正規王者の八重樫東が負傷したことにより暫定王座が設定された)。八重樫と正規王座と暫定王座の統一戦を行い、1RでTKO勝利。初防衛に成功したが、WBA王者の田口良一との統一戦に判定負け、王座陥落。拳四朗のWBC世界ライトフライ級王座に挑戦して7RでTKO負け(2018年)。新鋭の中谷潤人にもTKO負け。腕っぷしは間違いなく強かったが、上位陣とは苦戦が続いた。 

2025年9月2日火曜日

「インドネシアの最軽量級」ムハンマド・ラクマン「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

IBF・WBA世界ミニマム級王者。王座戦のデンバー・クエリョ戦、ポンサワン・ポープラムック戦を紹介します。


ムハンマド・ラクマン(インドネシア)

身長160cm:オーソドックス(右構え)


①デンバー・クエリョ 9R TKO ムハンマド・ラクマン

(WBCインターナショナル・ミニマム級タイトル戦、2010年)

「インドネシアの最軽量級」ムハンマド・ラクマン「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

5R:左ストレートでラクマンがダウン

(感想:クエリョがタイトル防衛。インドネシア・メラウケ出身のラクマン。ニックネームは「Predator (捕食者)」。1993年、プロデビュー。連勝だったが、インドネシア・ミニマム級王座の獲得に失敗。しかし、勝つコツをつかんだか、連勝して同王座獲得、防衛。IBFの地域王座も獲得。ようやく世界戦のチャンス。2004年、ダニエル・レイジェス(コロンビア)を2-1で下し、IBF世界ミニマム級王者に。四度目の防衛戦でフィリピンのフローレンテ・コンデスに2-1の判定負け(2007年)。再起戦に勝利したが、ミラン・メリンド、オーレイドン・シスサマーチャイ(WBC世界ミニマム級王座戦、2009年)に敗北。これまで62勝(31KO)8敗5分、年齢は39。オーレイドンに敗れた再起戦でクエリョと対戦。21勝(12KO)4敗5分の王者クエリョ(23歳)はフィリピンのイロイロ州カバチュアン出身。9歳でアマチュアのリングに上がり、17歳でプロに。しかし、まだ身体ができていなかったらしく、デビュー戦は敗北。その後もドロー、敗北。実力を付け、フィリピン・ミニマム級王座を獲得。決定戦でWBCインター王者に。WBC王座挑戦者決定戦で反則負けして後退。「仕切り直し」といった感じで元世界王者ラクマンとインター王座防衛戦。フィリピンのイリガン・シティでの一戦。共にスリムな体型で、似た体格。左右の構えの違いはあるが、共にジャブ連打。パワーも同じくらいか。構え方、右ストレートを伸ばす姿が大場政夫に似ているラクマン。しかし、試合はクエリョがサウスポーのテクニックで優勢。ラクマンのストレート、ショートフックをディフェンスし、左ストレート、連打で手数。斜め下からの左フックにも威力。3R、クエリョの左ストレートがクリーンヒット。5R、左ストレートでラクマンがダウン。その後もクエリョの左構えにラクマンは空転。8R、クエリョの左ストレート&連打。9R、ラクマンが右フックを食ったところでレフェリーストップ。クエリョが積極的な攻めで勝利。一方、ラクマンはこれが初のKO負け。サウスポーが苦手らしく、攻撃が単発に終わった。その後のクエリョ。連勝。インター王座を防衛したり、WBCシルバー王座(ミニマム級)を獲得したり。しかし、熊朝忠に2-0での判定負けでWBC世界ミニマム級王座奪取ならず。アジア王座(バンタム級)に就いたが、世界王者にはなれなかった。) 


②ポンサワン・ポープラムック 12R 判定 ムハンマド・ラクマン

(WBA世界ミニマム級タイトル戦、2011年)

「インドネシアの最軽量級」ムハンマド・ラクマン「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:ポンサワンがタイトル獲得。WBA世界ミニマム級王者クワンタイ・シッモーセンをKOして世界王座に返り咲いたラクマンが初防衛戦。挑戦者ポンサワンはタイ・タープラヤー出身。世界を目指すタイのエリートらしくプロ二戦目でPABA王座(ミニマム級)を獲得するなどデビューから連勝。PABA王座を守り続け、タイ王座(ミニマム級)も獲得。全勝のままドニー・ニエテスと空位のWBO世界ミニマム級王座を争ったが、3-0で初黒星。オーレイドン・シスサマーチャイのWBC世界ミニマム級王座、エドガル・ソーサのWBC世界ライトフライ級王座への挑戦も失敗。オーレイドンとの再戦で引き分けた次の試合で、この挑戦。インドネシア・ジャカルタでの一戦。この試合のラクマンはフットワーク&ジャブのアウトボクシング。接近されて打ち合いも展開。しかし、さすがにスピードはそこそこ(キャリア終盤のシュガー・レイ・レナードのような雰囲気だった)。ポンサワンは終始前進し、右ストレート、フック。フックは意外に迫力がなく、ストレートに強さ。アウトボクシングのラクマン、攻めるポンサワン。接近戦では互角に打ち合うが、勢いはやはりポンサワン。ラクマンは当てる巧さを時折見せるが、攻められてクリンチするシーンも。12R終了。共に両手を上げて自身の勝利をアピール。判定は極めて僅差の2-0。ポンサワンが攻勢点で勝利。ラクマンは年齢の割にはよく頑張った。その後の二人。ポンサワンは初防衛戦を日本で行い、八重樫東にKO負け。2012年にWBA世界ミニマム級王座決定戦に出場したが、宮崎亮に2-1の判定負け。PABA戦が中心のキャリアで、世界王者としては活躍できなかった。ラクマンは何とその後もタイトル戦に出場。IBOインターナショナル・ライトフライ級王座を決定戦で獲得。WBA世界ミニマム級暫定王者ノックアウト・CPフレッシュマートに挑戦したが、3-0で敗北。ラストファイトは2016年で、インドネシア・・ライトフライ級王座決定戦で2-1の敗北。長いキャリアを終えた後はボクシングのプロモーターになった。) 

「南アのハグラー」モルティ・ムザラネ「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

IBF世界フライ級王者。IBF王座防衛戦のゾラニ・テテ戦、アンドレア・サリッツ戦を紹介します。


モルティ・ムザラネ(南アフリカ共和国)

身長161cm:オーソドックス(右構え)


①モルティ・ムザラネ 5R TKO ゾラニ・テテ

(IBF世界フライ級タイトル戦、2010年)

「南アのハグラー」モルティ・ムザラネ「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

5R:連打、左ストレートで2度、テテがダウン

(感想:ムザラネがタイトル初防衛。南アフリカ・ハウテン出身のムザラネはスキンヘッドの黒人(「小型ハグラー」といった印象)。しかし、ニックネームはその童顔な風貌から「Babyface」。デビューから連戦連勝だったが、15戦目で初黒星(ダブルタイトル戦。南アフリカ王座、WBCインター王座(フライ級)獲得ならず)。その後は快調。一度失敗したその二つの王座を獲得。しかし、上には上が。ノニト・ドネアのIBF世界フライ級王座に挑戦して負傷TKO負け(2008年)。決定戦でIBF王者に。テテと初防衛戦。挑戦者テテは南アフリカ・ムダントサネ出身の黒人。何と身長175cm。しかもサウスポー。デビューから全勝。WBFフライ級王座を防衛してきたが、メジャー団体の王座を狙う。南アフリカ・ブラックパンでの一戦。ボクサータイプのテテ。相手から距離を取ってシャープで伸びのある右ジャブ、左ストレート。フックにもキレがあり、まるで「サウスポーのトーマス・ハーンズ」といった雰囲気。しかし、ムザラネはその上を行く。スキンヘッドでハグラーのようだが、戦いぶりはアイラン・バークレーといった感じ。ブロックを固めて前進し、パワーを込めた右ストレート、フック。攻めるムザラネ、応戦するテテ。3R、右パンチを食ってテテがバランスを崩すなどパワーでムザラネ優勢。5R、コーナー付近でのフック連打でテテがダウン。立ったが、またしてもコーナーに追い込まれて左ストレートでダウン。再開後、コーナーでムザラネが猛烈な連打、レフェリーストップ。ムザラネが強打&ブロックで快勝。南アフリカの黒人ボクサーはスピードを生かすテクニシャンタイプが多いが、ムザラネは「KOを狙うタイプ」。何とも凄まじい破壊力を見せた。テテは素晴らしい素質を持っているが、身体全体のパワーで及ばず。背が高すぎるのだろう。その後、テテは重要な試合を落としながらもIBF世界スーパーフライ級王者に。WBO世界バンタム級王者にもなり、1R(11秒)でKO防衛したときは世界中の話題となった。)


②モルティ・ムザラネ 7R TKO アンドレア・サリッツ

(IBF世界フライ級タイトル戦、2011年)

「南アのハグラー」モルティ・ムザラネ「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:ムザラネがタイトル防衛。二度目の防衛戦でジョンリル・カシメロをTKOしたムザラネ。三度目の防衛戦は海外で。挑戦者サリッツはイタリア・サルデーニャ島のクアルトゥ・サンテレナ出身で、これまで32勝(12KO)4敗4分。IBFインター王座、WBOインターコンティネンタル王座(いずれもフライ級)を獲得後、オマール・ナルバエスのWBO世界フライ級王座に二度挑戦したが勝てず(2002年、2003年)。そこから欧州フライ級王座をめぐる戦い。そして三度目の世界挑戦のチャンス。イタリア・カリアリでの一戦。互いにジャブ。しかし、1Rからパワーの差が明らかに。ムザラネの伸びとパワーのワンツー、左フックからの右ストレートにサリッツは押される。サリッツは動きは悪くはないが、普通の選手。ワンツー、左ボディ打ちに良さがあるが、攻撃をブロックされてそれっきり。しかし、ムザラネにも問題。パワフルに攻めるが、ブロックするときは防御に専念する攻防分離型。ただ、かなりのパワーと当てるテクニックがあるため、しっかりブロックしてからでも相手を追い込むことができる。パワーでムザラネ優勢。斜め下からのフックにも迫力。7R、ムザラネがワンツーからの左フック、左ボディ打ち。さらに左ボディが入ったところでサリッツは相手に背を向け戦意喪失。対応に戸惑うレフェリー(試合を止めればいいのか、スタンディングカウントを取ればいいのか、といった感じだった)。セコンドからタオルが投入されて試合終了。ムザラネがパワー&正確な攻撃で勝利。サリッツは実績は申し分なかったが、ムザラネと戦えるレベルではなかった。その後の二人。サリッツは欧州フライ級王座戦を行ったが、勝てず。ムザラネは次の防衛戦にも勝利したが、王座返上(ファイトマネーや待遇に不満があったとか)。ブランク。復帰してIBOフライ級王座獲得。連続防衛。何と2018年に決定戦に勝利してIBF世界フライ級王座に返り咲き。日本で黒田雅之、八重樫東を相手に防衛。そこから間が空いてサニー・エドワーズに判定負け、王座陥落。強かった時期にブランクを作ったのが非常に残念。防衛回数といった数字では測れない強い男だった。)

 

2025年9月1日月曜日

「双子の世界王者」ラウル&ラモン・ガルシア「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

世界ミニマム、ライトフライ級王者。「ラウル vs. ロンメル・アセンホ」「ラモン vs. ホセ・アントニオ・ヒメネス」を紹介します。


ラウル・ガルシア(メキシコ)

身長163cm:サウスポー


ラモン・ガルシア(メキシコ)

身長174cm:サウスポー


メキシコ・ラパス出身の双子サウスポー、ラウルとラモン(どちらが兄なのかは不明)。1982年9月10日生まれ。ラウルは身長163cmで、デビュー戦は2004年。ラモンは174cmで、2007年。違いはあるが、共に世界王者になった。


ラウル

デビューから連勝。メキシコ王座(ミニマム級)に挑戦してドロー。その後、連勝でメキシコ王座(ミニマム級)獲得、防衛。フローレンテ・コンデス(フィリピン)に2-1で勝利してIBF世界ミニマム級王座獲得。4度の防衛に成功したが、ヌコシナチ・ジョイに3-0で初黒星、王座陥落。WBO世界ミニマム級暫定王座を獲得。正規王者ドニー・ニエテスが王座を返上し、正規王者に格上げ。ロンメル・アセンホと初防衛戦。


①ラウル・ガルシア 3R TKO ロンメル・アセンホ

(WBO世界ミニマム級タイトル戦、2011年)

「双子の世界王者」ラウル&ラモン・ガルシア「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

3R:左フックでアセンホがダウン

(感想:ガルシアがタイトル初防衛。これまで28勝(17KO)1敗1分の王者ガルシア(28歳)。挑戦者アセンホはフィリピン・ピグカワヤン出身のサウスポー。ニックネームは「小さな暗殺者」。キャリア初期に判定負けはあったが、このところWBOオリエンタル王座(ミニマム級)を獲得するなど連勝中。20勝(16KO)で、21歳の若さ。その勢いでガルシアを攻略できるかどうか、といったところ。メキシコシティでの一戦(リングアナはルペ・コントレラス)。サウスポー同士。共に速い右ジャブ。ガルシアは足のスタンスを広く取り、相手から距離を取りながらワンツーからの右フックといったコンビネーション、左ボディ打ち。一発のパワーはそこそこだが、しなうように打つフックにキレがある。アセンホは典型的なフィリピンのサウスポー。一発にパワーを込め、左ストレート、右フック。単発傾向だが、ワンツーにはかなりの威力を感じる。2R、ガルシアの左フックがヒットしてアセンホがグラつく。3R、接近戦。互いに斜め下からのフックを当てる。左フックカウンターでアセンホがダウン。再開後も打ち合い、アセンホが右フックでフラついたところでレフェリーストップ。ガルシアが快勝。ディフェンスしながら巧く隙を突き、勝った瞬間、大喜びだった。アセンホはパワフルだったが、融通が利かないタイプ。相手の柔軟な動きについていけなかった。その後の二人。アセンホは地元で連勝後、メキシコでファン・フランシスコ・エストラーダのWBO世界フライ級王座に挑戦したが、3RでTKO負け。その後もリングに上がり続けたが、それが最後の世界戦に。ガルシアは次の二度目の防衛戦でモイセス・フェンテスに判定負けで王座陥落。その後もリングへ。2016年、ドニー・ニエテスのWBO世界ライトフライ級王座に挑戦したが、TKO負け。それが最後の試合に。獲得した王座はIBFとWBOのミニマム級王座。上の階級では通用しなかった。)

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ラモン

ニックネームは「Principe(貴公子)」。デビュー戦はドロー、プロ四戦目で判定負け。以後、連勝。WBCのインター王座(ライトフライ級)を獲得・防衛。ジョンリル・カシメロを破ってWBO世界ライトフライ級暫定王座獲得。「暫定王座」は「一時的なもの」のはずだが、暫定王座を連続防衛。しかも、もう一人の暫定王者が。ヘスス・ゲレスと暫定王者同士の対戦。これに2-1の敗北。正規王者になったゲレスとメキシコシティで再戦(ダイレクト・リマッチ)。4RでのKOで王座奪取。しかし、ついてない。初防衛戦の相手は強打のドニー・ニエテス。3-0で敗北し、WBO王座陥落。再起戦で今度はWBA王座を狙ったが、WBA世界ライトフライ級王者ローマン・ゴンサレスに4RでKO負け。


②ラモン・ガルシア 3R TKO ホセ・アントニオ・ヒメネス

(ライトフライ級戦、2013年)

「双子の世界王者」ラウル&ラモン・ガルシア「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:ゴンサレスにKO負け後、再起二連勝のガルシア。これまで18勝(11KO)4敗1分。10勝(3KO)4敗のヒメネスはコロンビア・マガンゲ出身の黒人。デビュー戦は敗北。南米王座(ミニマム級)、コロンビア王座(フライ級)獲得ならず。このところ二連勝だが、元世界王者相手にどれだけの動きができるか? メキシコ・オコトランでの一戦。ラウルとは違って攻めが粗いラモン。踏み込んで左ストレート、接近して左右フック連打。勢いとパワーはあるが、ガードの甘さが感じられる。ヒメネスは慎重な性格なのか、相手から距離を取って左ジャブ、右ストレートで応戦。左フックに良さがあるが、相手の勢いを警戒して押され気味。2R終わりでヒメネスが棄権(左肩を痛めたらしい)。ガルシアが勢いで勝利。その戦い方が通用する相手には勝てるだろう。ヒメネスはもう少し思い切った攻撃をして欲しかったところ。その後の二人。ヒメネスは連勝してホセ・アルグメドのIBF世界ミニマム級王座に挑戦したが、3RでTKO負け。その後も多くの試合を行ったが、地域王座戦でKO負けするなど敗北を重ねていった。ガルシアはこの次の試合に勝利後、空位のIBF世界ライトフライ級王座を狙ったが、3-0で敗北。さらに四連敗で引退。獲得はWBO世界ライトフライ級王座のみにとどまった。)

 

2025年8月31日日曜日

「小さな鉄人」イヴァン・カルデロン④「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

WBO世界ミニマム、ライトフライ級王者。王座戦のミゲル・テレス戦、ホセ・ルイス・バレラ戦ほかを紹介します。


イヴァン・カルデロン(プエルトリコ)

身長152cm:サウスポー


①イヴァン・カルデロン 9R TKO ミゲル・テレス

(WBO世界ミニマム級タイトル戦、2006年)

「小さな鉄人」イヴァン・カルデロン④「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:カルデロンがタイトル防衛。デビューから25連勝(5KO)のカルデロン(31歳)が10度目の防衛戦。挑戦者テレス(28歳)はニカラグア・レオン出身で、17勝(6KO)5敗。ニカラグア王座(ミニマム級)を獲得しているが、WBAの地域王座戦(ミニマム級)は敗北。「ニカラグア代表」といった感じでカルデロンに挑戦。プエルトリコ・グアイナボでの一戦(テレスのセコンドにニカラグアの先輩ロセンド・アルバレス)。左右の構えは違うが、互いにジャブを使いながらストレートを狙う。器用さではやはりカルデロン。右ジャブ、左カウンターを当て、連打(右フックからの左ストレートなど)をまとめる。テレスは力まかせな打ち方で、単発。左フックをかわされるなど空転。5R、少しオーソドックスにチェンジするカルデロン(良い右ストレートを打っていた。勝つためにサウスポーになったのだろうが、オーソドックスの方が強いかもしれない)。テレスは強引に攻めるが、右眉上をカット(バッティング?)。8R、テレスがキズのドクターチェック。9R、カルデロンが速く、細かいパンチ。テレスがキズのドクターチェックを受け、試合終了。カルデロンが相手の負傷で勝利。瞬間的なパワー、動きの機敏さは昔から変わらない。テレスは柔軟さに欠ける力んだ攻め方。相手に逃げられ、細かいパンチを食った。その後、テレスはニカラグアの新しいスター、ローマン・ゴンサレスに二連敗。最後は連敗続きで引退。)


②イヴァン・カルデロン 12R 判定 ホセ・ルイス・バレラ

(WBO世界ミニマム級タイトル戦、2006年)

「小さな鉄人」イヴァン・カルデロン④「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

6R:右フックでバレラがダウン

(感想:カルデロンがタイトル防衛。11度目の防衛戦。挑戦者バレラはベネズエラのエル・ビギア出身。2000年シドニー・オリンピックにライトフライ級で出場(メダルは獲得ならず)。プロではデビューから連勝後、WBA地域王座戦(ミニマム級)で負傷判定負け、初黒星。そこから連勝でカルデロンに挑戦。コロンビア・バランキージャでの一戦。カルデロンが前進し、得意の右ジャブ、左パンチ。1Rから右フックをヒットさせる。バレラは一発一発にパワーを込め、右ストレート、左フック。4Rには右フックをヒットさせる。しかしながら、バレラは単発傾向。よく動くカルデロンを捉えることができない(カルデロン戦に良くあるパターン。カルデロンはディフェンスが巧く、隙を突くテクニックがある。力む選手、隙を見せる選手ではカルデロンを攻略できない。これまで敗れ去ったチャレンジャーたちはカルデロンの映像を見て研究することなくリングに上がったのだろうか?)。6R、カルデロンに合わせてサウスポーにスイッチしたバレラだが、右フックでダウン。その後はいつものパターン。カルデロンがディフェンス&隙を突くパンチ。挑戦者は力むが、空転。12R終了。判定は大差の3-0。カルデロンが安定の判定パターンで勝利。最早、KO勝ちは期待するまい。バレラは工夫に欠けた。その後のバレラ。再起戦に勝利したが、ローマン・ゴンサレスに1RでKO負け。にもかかわらず、新井田豊のWBA世界ミニマム級王座に挑戦するチャンス。これにKO負け。以後、ラウル・ガルシアとのIBF世界ミニマム級王座戦で二連敗するなど全敗。なぜか世界戦のチャンスを何度ももらえたが、世界王者にはなれなかった。)


③イヴァン・カルデロン 12R 判定 ロナルド・バレラ

(WBO世界ミニマム級タイトル戦、2007年)

「小さな鉄人」イヴァン・カルデロン④「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:カルデロンがタイトル防衛。12度目の防衛戦。挑戦者バレラはコロンビア・バランキージャ出身の黒人で、これまで20勝(12KO)2敗1分。デビューから連勝でコロンビア王座(ミニマム級、ライトフライ級)獲得。パナマで初黒星。コロンビア王座(スーパーフライ級)獲得。日本で新井田豊のWBA世界ミニマム級王座に挑戦して判定負け(2006年)。そこから連勝でカルデロンに挑戦。試合地は前回の防衛戦と同じコロンビア・バランキージャ(挑戦者の地元)。いつものように右ジャブ、左カウンター、隙を突く右フックのカルデロン。ドレッドヘアーのバレラは長いパンチを使う男で、ジャブ、ストレート。悪くはないが、長いパンチをかわされ、頻繁に左右にスイッチする中途半端なボクシング。6Rにバレラの右ストレートがヒット。カルデロンがいつものようなパターンで12R終了。セコンドにかつがれて勝利を確信している様子のバレラだが、判定は僅差の2-1(三者とも「115-113」)。映像では競った内容には見えなかったが、バレラの前に出る姿勢が評価されたようだ。個人的には「当てるテクニック」でカルデロンが勝ったと見る。バレラは攻撃の正確さに欠いた。その後、バレラは地域王座は獲得できたが、世界挑戦は失敗に終わった。)


その後のカルデロン

全勝のままWBO世界L・フライ級王者ウーゴ・カサレスに挑戦し、2-1の判定勝ちで二階級制覇。カサレスとの再戦はドローに終わったが、王座を連続防衛。2010年、WBA世界ライトフライ級王者ジョバンニ・セグラと王座統一戦。KO負けでプロ初黒星。再戦もKOで敗北。WBO世界ミニマム級王者モイセス・フェンテスに挑戦したが、王座奪回ならず、引退。「Iron Boy」というほどの凄味はなかったが、「一瞬のパワー」はあった。

 

「小さな鉄人」イヴァン・カルデロン③「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

WBO世界ミニマム、ライトフライ級王者。王座戦のカルロス・ファハルド戦、ダニエル・レイジェス戦ほかを紹介します。


イヴァン・カルデロン(プエルトリコ)

身長152cm:サウスポー


①イヴァン・カルデロン 12R 判定 カルロス・ファハルド

(WBO世界ミニマム級タイトル戦、2004年)

「小さな鉄人」イヴァン・カルデロン③「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:カルデロンがタイトル防衛。未だ全勝のカルデロンが5度目の防衛戦。挑戦者ファハルド(23歳)はニカラグア・ムラ出身のサウスポー。デビュー戦に敗北するなどもう一つなキャリア。このところ連勝中の勢いで世界挑戦のチャンス到来。ラスベガス「MGM Grand」での一戦(4度目の防衛戦に続いて「MGM Grand」。カルデロンはベガスで人気なのだろうか? 「マルコ・アントニオ・バレラ vs. エリック・モラレス」など軽量級の興行で、プロモーターはボブ・アラム。会場ではオスカー・デラ・ホーヤが観戦。レフェリーはトニー・ウィークス)。共にサウスポー。左ストレート、振りが大きいフックで攻めるファハルド。カルデロンは受け身のディフェンシブな試合ぶり。相手の攻撃をかわしてジャブ、左ストレートなどでカウンター。ファハルドの雑な攻めをカルデロンがディフェンスして隙を突く展開。11R、ファハルドが減点(ラフ行為?)。全く盛り上がらないまま12R終了(リングサイドの客はノーリアクションだった。デラ・ホーヤも途中で退席)。判定は大差の3-0。カルデロンが大きな会場でつまらない試合。何が原因なのだろう? 自分の商品価値を下げるような試合運びだった。ファハルドは積極さはあったが、そこまで。ただ、ボディ連打は悪くなかった。その後のファハルド。再起戦でWBCラティノ王座(フライ級)獲得。ウリセス・ソリスとIBF世界ライトフライ級王座挑戦権を争ってTKO負け。日本で 亀田興毅にTKO負け。それが最後の試合となった。)  


②イヴァン・カルデロン 12R 判定 ヘラルド・ベルデ

(WBO世界ミニマム級タイトル戦、2005年)

「小さな鉄人」イヴァン・カルデロン③「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:カルデロンがタイトル防衛。これまで22連勝(5KO)のカルデロン(30歳)が7度目の防衛戦。挑戦者ベルデ(20歳)はメキシコ・イスタカルコ出身で、13勝(10KO)1敗。WBCラティノ王座(ミニマム級)の初防衛に成功してカルデロン戦。アトランチックシティでの一戦(リングアナはマイケル・バッファ、レフェリーはランディ・ニューマン。元ヘビー級選手で大柄なニューマンが最軽量級の小さい選手の試合を裁く姿は少し面白い雰囲気があった)。この試合のカルデロンは積極的。右ジャブ、左ストレートで前進。ベルデはマイケル・カルバハルのようなタイプ。後ろ髪を少し伸ばして束ねている姿、一発一発にパワーを込める打ち方など。しかしながら、大振りのフックを空振りするなど攻めが単発。カルデロンがディフェンス&コンビネーション(左ストレートからの右フック、右ボディ連打など)でポイント上、優勢。ところが中盤以降、カルデロンは受け身に(コブシを痛めているのか、減量の影響なのか。急にトーンダウンしてつまらない試合に)。ベルデは単発。12R終了。判定は3-0。カルデロンがいわゆる「塩試合(退屈な試合)」で勝利。ベルデはパワーはあったが、継続的な流れるような攻めができない欠点があった。その後のベルデ。WBC・WBOラティノ王座(フライ級)を獲得したが、防衛ならず。勝ったり負けたり後、ブランク。復帰したが、KO負けが続いた(無茶なカムバック。相当ダメージがあるだろう)。)


③イヴァン・カルデロン 12R 判定 ダニエル・レイジェス

(WBO世界ミニマム級タイトル戦、2005年)

「小さな鉄人」イヴァン・カルデロン③「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:カルデロンがタイトル防衛。8度目の防衛戦。挑戦者レイジェスはコロンビア人で、身長はカルデロンと同じ152cm(たぶん、間違ったデータ。映像ではもっと背が高く見えた)。リーチは165cmある(カルデロンは160cm)。1996年アトランタ・オリンピックにフライ級で出場(メダルは獲得ならず)。同年、プロデビュー。コロンビア王座(ミニマム級)を獲得するなど連戦連勝でロベルト・カルロス・レイバと空位のIBF世界ミニマム級王座を争ったが、3-0で初黒星。そこから連勝。エドガル・カルデナスからIBF王座奪取。初防衛戦でレイバにTKOで雪辱。ムハマド・ラクマンに2-1で敗れ、二度目の防衛ならず。再起戦はオマール・ソトとのIBF王座挑戦者決定戦で、3-0の敗北。決定戦でWBCラティノ王座(フライ級)を獲得してカルデロンに挑戦。戦績は34勝(29KO)3敗1分で素晴らしいが、王者の地元でどんな試合を見せるか? プエルトリコ・サンフアンでの一戦(レフェリーはロベルト・ラミレス)。ガードを上げて長い左ジャブ、右ストレートのレイジェス。大きく振るう右フックに迫力。しかしながら、大きなパンチをかわすのはカルデロンの得意技。右ジャブを使いながらディフェンス(時にはクリンチ)し、左ボディストレート、右フックをヒットさせる。連打の回転の速さでカルデロン優勢。10Rには斜め下から絶妙な右フックを決め、客席が沸く。その後もカルデロンがディフェンス&右フック。レイジェスの長い右パンチは空転。12R終了。判定は3-0(ほぼフルマーク)。KOできなかったが、カルデロンはこの試合での動きは良かった。レイジェスはパンチのキレに欠け、ちょこまか動くカルデロンを捉えることはできなかった。その後、レイジェスはWBO世界ミニマム級暫定王座を決定戦で獲得。しかし、初防衛ならず。なかなかのスペック(スリムな身体&長いリーチ)を持ちながら、世界王者としては短命だった。)

 

2025年8月29日金曜日

「小さな鉄人」イヴァン・カルデロン②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

WBO世界ミニマム、ライトフライ級王者。王座戦のエドガル・カルデナス戦、ロベルト・カルロス・レイバ戦ほかを紹介します。


イヴァン・カルデロン(プエルトリコ)

身長152cm:サウスポー


①イヴァン・カルデロン 12R 判定 リー・サンドバル

(NABOミニマム級王座決定戦、2002年)

「小さな鉄人」イヴァン・カルデロン②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:カルデロンがタイトル獲得。デビューから12連勝(3KO)のカルデロン(27歳)が初の王座戦。サンドバル(32歳)はニカラグア・レオン出身で、19勝(10KO)7敗3分。1993年デビュー。後の世界王者ロセンド・アルバレスに判定負け、ニカラグア王座(ミニマム級)獲得、後の世界王者カルロス・ムリージョにTKO負け、WBCの地域王座(ミニマム級)獲得、ラタナポン・ソーウォラピンのIBF世界ストロー級王座に挑戦してTKO負け。このところニカラグア王座を防衛しているが、WBC米大陸王座戦(ライトフライ級)に敗れるなど勝ったり負けたり。プエルトリコ・カグアスでの一戦(会場ではフェリックス・トリニダードが観戦)。巧さと連打の回転の速さを見せるカルデロン。ワンツーからの右フック、突き上げるように打つ右フックなどで隙を狙う。サンドバルはタフそうな男で、右ストレート、左フックにパワーを込める。しかしながら、力みすぎで、攻撃が単発に終わる。6R、カルデロンが速い連打(ワンツーダブルからの右フック)。その後も手数でカルデロンがポイント上、優勢。12R、これまで強打が空を切っていたサンドバルが右ストレートを決め、カルデロンはクリンチでしのぐ。12R終了。判定は大差の3-0。カルデロンが当てさせないテクニックで勝利。しかし、KO勝利ならず。瞬発力はあるが、相手を制圧するパワー、KOを狙って畳み掛けるパワーに欠けるのが原因。サンドバルは工夫が足りないボクシング。パワーはあったが、カルデロンの柔軟な動きに対応するだけの機敏さに欠けていた。その後、サンドバルはホルヘ・アルセ、ウリセス・ソリスらに連敗で引退。)


②イヴァン・カルデロン 11R KO エドガル・カルデナス

(WBO世界ミニマム級タイトル戦、2004年)

「小さな鉄人」イヴァン・カルデロン②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

11R:右ボディでカルデナスがダウン

(感想:カルデロンがタイトル防衛。WBO世界ミニマム級王者エドゥアルド・レイ・マルケスを負傷判定で下して王座を獲得したカルデロン。これまで18連勝(3KO)。3度目の防衛戦の相手は元世界王者。カルデナスはメキシコのニコラス・ロメロ出身で、30勝(16KO)11敗2分。1991年デビュー。北米王座、メキシコ王座、NABO王座、WBC米大陸王座(全てライトフライ級)を獲得した後、初の世界挑戦でIBF世界ミニマム級王座獲得。しかし、ダニエル・レイジェスにTKO負けで初防衛ならず。その再起戦でカルデロンに挑戦。ところがカルデナスが体重超過。「カルデロンが勝った場合は王座防衛、カルデナスは勝っても王座無し」の条件に。プエルトリコ・グアイナボでの一戦。ワンツー、左フックで攻めるカルデナス。右ストレートを当てようと狙うが、打ち終わった後に隙ができる欠点。カルデロンは例によってディフェンスしながらワンツー、斜め下からの右フック、左ストレートからの右ジャブ。相手の隙を突くカウンターが時折ヒットする。一方、攻めるが当てさせてもらえないカルデナス。11R、右ボディでダウン。ヒザをキャンバスに着いたまま10カウントを聞いた。カルデロンが珍しくKO勝利。「一発のパワー」はあることを証明。カルデナスは動きやパンチのキレに問題。力強く前に出たが、標的になってしまった。これが最後の試合に。)


③イヴァン・カルデロン 12R 判定 ロベルト・カルロス・レイバ

(WBO世界ミニマム級タイトル戦、2004年)

「小さな鉄人」イヴァン・カルデロン②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:カルデロンがタイトル防衛。29歳のカルデロンが4度目の防衛戦。挑戦者レイバ(24歳)はメキシコ・ソノラ出身のサウスポーで、これまで23勝(20KO)3敗1分。WBCユース王座(ミニマム級)、NABO王座(ライトフライ級)を獲得後、IBF世界ミニマム級王者に。ミゲル・バレラに王座を奪われ、王座奪回を目指したがバレラ、新王者ダニエル・レイジェスにKO負け。標的をWBO王座に。ラスベガス「MGM Grand」での一戦(エリック・モラレス、ラファエル・マルケスが登場した軽量級の興行。フリオ・セサール・チャベスがジュニアの試合の応援。会場ではプロモーターのボブ・アラムが観戦。リングアナはマイケル・バッファ)。サウスポー同士。ガードを上げて右ジャブ。足でリズムを取るレイバはオスカー・デラ・ホーヤのような動き。1Rに早くもバッティングでカルデロンが負傷。接近戦。ディフェンスしながらフックでの打ち合い。やや振りが大きめのレイバは力強いがディフェンスされて、カルデロンが細かいパンチを当てる。しかし、8Rに十八番の「ワンツーからの右フック」を出したカルデロンだが、全般的にディフェンシブ。大きな舞台にしては消極的な試合ぶりで12R終了。判定は3-0。カルデロンがテクニックで勝利。レイバは空転。昔はラスベガスのリングサイドの観客はメインイベントしか観戦しないということがよくあったが、この試合の時点ではお客は結構入っていた。この試合を観たベガスのファンはどう思っただろう? 個人的には「最軽量級とは思えない」と思うようなエキサイティングなものではなかったように見えた。その後のレイバ。エドガル・ソーサにTKO負けでWBC世界ライトフライ級王座奪取ならず。敗北を重ね、ラストファイトはウィルフレド・バスケス・ジュニアに3RでKO負けだった。)