2025年9月1日月曜日

「双子の世界王者」ラウル&ラモン・ガルシア「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

世界ミニマム、ライトフライ級王者。「ラウル vs. ロンメル・アセンホ」「ラモン vs. ホセ・アントニオ・ヒメネス」を紹介します。


ラウル・ガルシア(メキシコ)

身長163cm:サウスポー


ラモン・ガルシア(メキシコ)

身長174cm:サウスポー


メキシコ・ラパス出身の双子サウスポー、ラウルとラモン(どちらが兄なのかは不明)。1982年9月10日生まれ。ラウルは身長163cmで、デビュー戦は2004年。ラモンは174cmで、2007年。違いはあるが、共に世界王者になった。


ラウル

デビューから連勝。メキシコ王座(ミニマム級)に挑戦してドロー。その後、連勝でメキシコ王座(ミニマム級)獲得、防衛。フローレンテ・コンデス(フィリピン)に2-1で勝利してIBF世界ミニマム級王座獲得。4度の防衛に成功したが、ヌコシナチ・ジョイに3-0で初黒星、王座陥落。WBO世界ミニマム級暫定王座を獲得。正規王者ドニー・ニエテスが王座を返上し、正規王者に格上げ。ロンメル・アセンホと初防衛戦。


ラウル・ガルシア 3R TKO ロンメル・アセンホ

(WBO世界ミニマム級タイトル戦、2011年)

「双子の世界王者」ラウル&ラモン・ガルシア「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

3R:左フックでアセンホがダウン

(感想:ガルシアがタイトル初防衛。これまで28勝(17KO)1敗1分の王者ガルシア(28歳)。挑戦者アセンホはフィリピン・ピグカワヤン出身のサウスポー。ニックネームは「小さな暗殺者」。キャリア初期に判定負けはあったが、このところWBOオリエンタル王座(ミニマム級)を獲得するなど連勝中。20勝(16KO)で、21歳の若さ。その勢いでガルシアを攻略できるかどうか、といったところ。メキシコシティでの一戦(リングアナはルペ・コントレラス)。サウスポー同士。共に速い右ジャブ。ガルシアは足のスタンスを広く取り、相手から距離を取りながらワンツーからの右フックといったコンビネーション、左ボディ打ち。一発のパワーはそこそこだが、しなうように打つフックにキレがある。アセンホは典型的なフィリピンのサウスポー。一発にパワーを込め、左ストレート、右フック。単発傾向だが、ワンツーにはかなりの威力を感じる。2R、ガルシアの左フックがヒットしてアセンホがグラつく。3R、接近戦。互いに斜め下からのフックを当てる。左フックカウンターでアセンホがダウン。再開後も打ち合い、アセンホが右フックでフラついたところでレフェリーストップ。ガルシアが快勝。ディフェンスしながら巧く隙を突き、勝った瞬間、大喜びだった。アセンホはパワフルだったが、融通が利かないタイプ。相手の柔軟な動きについていけなかった。その後の二人。アセンホは地元で連勝後、メキシコでファン・フランシスコ・エストラーダのWBO世界フライ級王座に挑戦したが、3RでTKO負け。その後もリングに上がり続けたが、それが最後の世界戦に。ガルシアは次の二度目の防衛戦でモイセス・フェンテスに判定負けで王座陥落。その後もリングへ。2016年、ドニー・ニエテスのWBO世界ライトフライ級王座に挑戦したが、TKO負け。それが最後の試合に。獲得した王座はIBFとWBOのミニマム級王座。上の階級では通用しなかった。)

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ラモン

ニックネームは「Principe(貴公子)」。デビュー戦はドロー、プロ四戦目で判定負け。以後、連勝。WBCのインター王座(ライトフライ級)を獲得・防衛。ジョンリル・カシメロを破ってWBO世界ライトフライ級暫定王座獲得。「暫定王座」は「一時的なもの」のはずだが、暫定王座を連続防衛。しかも、もう一人の暫定王者が。ヘスス・ゲレスと暫定王者同士の対戦。これに2-1の敗北。正規王者になったゲレスとメキシコシティで再戦(ダイレクト・リマッチ)。4RでのKOで王座奪取。しかし、ついてない。初防衛戦の相手は強打のドニー・ニエテス。3-0で敗北し、WBO王座陥落。再起戦で今度はWBA王座を狙ったが、WBA世界ライトフライ級王者ローマン・ゴンサレスに4RでKO負け。


ラモン・ガルシア 3R TKO ホセ・アントニオ・ヒメネス

(ライトフライ級戦、2013年)

「双子の世界王者」ラウル&ラモン・ガルシア「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:ゴンサレスにKO負け後、再起二連勝のガルシア。これまで18勝(11KO)4敗1分。10勝(3KO)4敗のヒメネスはコロンビア・マガンゲ出身の黒人。デビュー戦は敗北。南米王座(ミニマム級)、コロンビア王座(フライ級)獲得ならず。このところ二連勝だが、元世界王者相手にどれだけの動きができるか? メキシコ・オコトランでの一戦。ラウルとは違って攻めが粗いラモン。踏み込んで左ストレート、接近して左右フック連打。勢いとパワーはあるが、ガードの甘さが感じられる。ヒメネスは慎重な性格なのか、相手から距離を取って左ジャブ、右ストレートで応戦。左フックに良さがあるが、相手の勢いを警戒して押され気味。2R終わりでヒメネスが棄権(左肩を痛めたらしい)。ガルシアが勢いで勝利。その戦い方が通用する相手には勝てるだろう。ヒメネスはもう少し思い切った攻撃をして欲しかったところ。その後の二人。ヒメネスは連勝してホセ・アルグメドのIBF世界ミニマム級王座に挑戦したが、3RでTKO負け。その後も多くの試合を行ったが、地域王座戦でKO負けするなど敗北を重ねていった。ガルシアはこの次の試合に勝利後、空位のIBF世界ライトフライ級王座を狙ったが、3-0で敗北。さらに四連敗で引退。獲得はWBO世界ライトフライ級王座のみにとどまった。)

 

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