2025年8月31日日曜日

「小さな鉄人」イヴァン・カルデロン③「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

WBO世界ミニマム、ライトフライ級王者。王座戦のカルロス・ファハルド戦、ダニエル・レイジェス戦ほかを紹介します。


イヴァン・カルデロン(プエルトリコ)

身長152cm:サウスポー


イヴァン・カルデロン 12R 判定 カルロス・ファハルド

(WBO世界ミニマム級タイトル戦、2004年)

「小さな鉄人」イヴァン・カルデロン③「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:カルデロンがタイトル防衛。未だ全勝のカルデロンが5度目の防衛戦。挑戦者ファハルド(23歳)はニカラグア・ムラ出身のサウスポー。デビュー戦に敗北するなどもう一つなキャリア。このところ連勝中の勢いで世界挑戦のチャンス到来。ラスベガス「MGM Grand」での一戦(4度目の防衛戦に続いて「MGM Grand」。カルデロンはベガスで人気なのだろうか? 「マルコ・アントニオ・バレラ vs. エリック・モラレス」など軽量級の興行で、プロモーターはボブ・アラム。会場ではオスカー・デラ・ホーヤが観戦。レフェリーはトニー・ウィークス)。共にサウスポー。左ストレート、振りが大きいフックで攻めるファハルド。カルデロンは受け身のディフェンシブな試合ぶり。相手の攻撃をかわしてジャブ、左ストレートなどでカウンター。ファハルドの雑な攻めをカルデロンがディフェンスして隙を突く展開。11R、ファハルドが減点(ラフ行為?)。全く盛り上がらないまま12R終了(リングサイドの客はノーリアクションだった。デラ・ホーヤも途中で退席)。判定は大差の3-0。カルデロンが大きな会場でつまらない試合。何が原因なのだろう? 自分の商品価値を下げるような試合運びだった。ファハルドは積極さはあったが、そこまで。ただ、ボディ連打は悪くなかった。その後のファハルド。再起戦でWBCラティノ王座(フライ級)獲得。ウリセス・ソリスとIBF世界ライトフライ級王座挑戦権を争ってTKO負け。日本で 亀田興毅にTKO負け。それが最後の試合となった。)  


イヴァン・カルデロン 12R 判定 ヘラルド・ベルデ

(WBO世界ミニマム級タイトル戦、2005年)

「小さな鉄人」イヴァン・カルデロン③「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:カルデロンがタイトル防衛。これまで22連勝(5KO)のカルデロン(30歳)が7度目の防衛戦。挑戦者ベルデ(20歳)はメキシコ・イスタカルコ出身で、13勝(10KO)1敗。WBCラティノ王座(ミニマム級)の初防衛に成功してカルデロン戦。アトランチックシティでの一戦(リングアナはマイケル・バッファ、レフェリーはランディ・ニューマン。元ヘビー級選手で大柄なニューマンが最軽量級の小さい選手の試合を裁く姿は少し面白い雰囲気があった)。この試合のカルデロンは積極的。右ジャブ、左ストレートで前進。ベルデはマイケル・カルバハルのようなタイプ。後ろ髪を少し伸ばして束ねている姿、一発一発にパワーを込める打ち方など。しかしながら、大振りのフックを空振りするなど攻めが単発。カルデロンがディフェンス&コンビネーション(左ストレートからの右フック、右ボディ連打など)でポイント上、優勢。ところが中盤以降、カルデロンは受け身に(コブシを痛めているのか、減量の影響なのか。急にトーンダウンしてつまらない試合に)。ベルデは単発。12R終了。判定は3-0。カルデロンがいわゆる「塩試合(退屈な試合)」で勝利。ベルデはパワーはあったが、継続的な流れるような攻めができない欠点があった。その後のベルデ。WBC・WBOラティノ王座(フライ級)を獲得したが、防衛ならず。勝ったり負けたり後、ブランク。復帰したが、KO負けが続いた(無茶なカムバック。相当ダメージがあるだろう)。)


イヴァン・カルデロン 12R 判定 ダニエル・レイジェス

(WBO世界ミニマム級タイトル戦、2005年)

「小さな鉄人」イヴァン・カルデロン③「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:カルデロンがタイトル防衛。8度目の防衛戦。挑戦者レイジェスはコロンビア人で、身長はカルデロンと同じ152cm(たぶん、間違ったデータ。映像ではもっと背が高く見えた)。リーチは165cmある(カルデロンは160cm)。1996年アトランタ・オリンピックにフライ級で出場(メダルは獲得ならず)。同年、プロデビュー。コロンビア王座(ミニマム級)を獲得するなど連戦連勝でロベルト・カルロス・レイバと空位のIBF世界ミニマム級王座を争ったが、3-0で初黒星。そこから連勝。エドガル・カルデナスからIBF王座奪取。初防衛戦でレイバにTKOで雪辱。ムハマド・ラクマンに2-1で敗れ、二度目の防衛ならず。再起戦はオマール・ソトとのIBF王座挑戦者決定戦で、3-0の敗北。決定戦でWBCラティノ王座(フライ級)を獲得してカルデロンに挑戦。戦績は34勝(29KO)3敗1分で素晴らしいが、王者の地元でどんな試合を見せるか? プエルトリコ・サンフアンでの一戦(レフェリーはロベルト・ラミレス)。ガードを上げて長い左ジャブ、右ストレートのレイジェス。大きく振るう右フックに迫力。しかしながら、大きなパンチをかわすのはカルデロンの得意技。右ジャブを使いながらディフェンス(時にはクリンチ)し、左ボディストレート、右フックをヒットさせる。連打の回転の速さでカルデロン優勢。10Rには斜め下から絶妙な右フックを決め、客席が沸く。その後もカルデロンがディフェンス&右フック。レイジェスの長い右パンチは空転。12R終了。判定は3-0(ほぼフルマーク)。KOできなかったが、カルデロンはこの試合での動きは良かった。レイジェスはパンチのキレに欠け、ちょこまか動くカルデロンを捉えることはできなかった。その後、レイジェスはWBO世界ミニマム級暫定王座を決定戦で獲得。しかし、初防衛ならず。なかなかのスペック(スリムな身体&長いリーチ)を持ちながら、世界王者としては短命だった。)

 

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