2025年8月29日金曜日

「小さな鉄人」イヴァン・カルデロン②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

WBO世界ミニマム、ライトフライ級王者。王座戦のエドガル・カルデナス戦、ロベルト・カルロス・レイバ戦ほかを紹介します。


イヴァン・カルデロン(プエルトリコ)

身長152cm:サウスポー


イヴァン・カルデロン 12R 判定 リー・サンドバル

(NABOミニマム級王座決定戦、2002年)

「小さな鉄人」イヴァン・カルデロン②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:カルデロンがタイトル獲得。デビューから12連勝(3KO)のカルデロン(27歳)が初の王座戦。サンドバル(32歳)はニカラグア・レオン出身で、19勝(10KO)7敗3分。1993年デビュー。後の世界王者ロセンド・アルバレスに判定負け、ニカラグア王座(ミニマム級)獲得、後の世界王者カルロス・ムリージョにTKO負け、WBCの地域王座(ミニマム級)獲得、ラタナポン・ソーウォラピンのIBF世界ストロー級王座に挑戦してTKO負け。このところニカラグア王座を防衛しているが、WBC米大陸王座戦(ライトフライ級)に敗れるなど勝ったり負けたり。プエルトリコ・カグアスでの一戦(会場ではフェリックス・トリニダードが観戦)。巧さと連打の回転の速さを見せるカルデロン。ワンツーからの右フック、突き上げるように打つ右フックなどで隙を狙う。サンドバルはタフそうな男で、右ストレート、左フックにパワーを込める。しかしながら、力みすぎで、攻撃が単発に終わる。6R、カルデロンが速い連打(ワンツーダブルからの右フック)。その後も手数でカルデロンがポイント上、優勢。12R、これまで強打が空を切っていたサンドバルが右ストレートを決め、カルデロンはクリンチでしのぐ。12R終了。判定は大差の3-0。カルデロンが当てさせないテクニックで勝利。しかし、KO勝利ならず。瞬発力はあるが、相手を制圧するパワー、KOを狙って畳み掛けるパワーに欠けるのが原因。サンドバルは工夫が足りないボクシング。パワーはあったが、カルデロンの柔軟な動きに対応するだけの機敏さに欠けていた。その後、サンドバルはホルヘ・アルセ、ウリセス・ソリスらに連敗で引退。)


イヴァン・カルデロン 11R KO エドガル・カルデナス

(WBO世界ミニマム級タイトル戦、2004年)

「小さな鉄人」イヴァン・カルデロン②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

11R:右ボディでカルデナスがダウン

(感想:カルデロンがタイトル防衛。WBO世界ミニマム級王者エドゥアルド・レイ・マルケスを負傷判定で下して王座を獲得したカルデロン。これまで18連勝(3KO)。3度目の防衛戦の相手は元世界王者。カルデナスはメキシコのニコラス・ロメロ出身で、30勝(16KO)11敗2分。1991年デビュー。北米王座、メキシコ王座、NABO王座、WBC米大陸王座(全てライトフライ級)を獲得した後、初の世界挑戦でIBF世界ミニマム級王座獲得。しかし、ダニエル・レイジェスにTKO負けで初防衛ならず。その再起戦でカルデロンに挑戦。ところがカルデナスが体重超過。「カルデロンが勝った場合は王座防衛、カルデナスは勝っても王座無し」の条件に。プエルトリコ・グアイナボでの一戦。ワンツー、左フックで攻めるカルデナス。右ストレートを当てようと狙うが、打ち終わった後に隙ができる欠点。カルデロンは例によってディフェンスしながらワンツー、斜め下からの右フック、左ストレートからの右ジャブ。相手の隙を突くカウンターが時折ヒットする。一方、攻めるが当てさせてもらえないカルデナス。11R、右ボディでダウン。ヒザをキャンバスに着いたまま10カウントを聞いた。カルデロンが珍しくKO勝利。「一発のパワー」はあることを証明。カルデナスは動きやパンチのキレに問題。力強く前に出たが、標的になってしまった。これが最後の試合に。)


イヴァン・カルデロン 12R 判定 ロベルト・カルロス・レイバ

(WBO世界ミニマム級タイトル戦、2004年)

「小さな鉄人」イヴァン・カルデロン②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:カルデロンがタイトル防衛。29歳のカルデロンが4度目の防衛戦。挑戦者レイバ(24歳)はメキシコ・ソノラ出身のサウスポーで、これまで23勝(20KO)3敗1分。WBCユース王座(ミニマム級)、NABO王座(ライトフライ級)を獲得後、IBF世界ミニマム級王者に。ミゲル・バレラに王座を奪われ、王座奪回を目指したがバレラ、新王者ダニエル・レイジェスにKO負け。標的をWBO王座に。ラスベガス「MGM Grand」での一戦(エリック・モラレス、ラファエル・マルケスが登場した軽量級の興行。フリオ・セサール・チャベスがジュニアの試合の応援。会場ではプロモーターのボブ・アラムが観戦。リングアナはマイケル・バッファ)。サウスポー同士。ガードを上げて右ジャブ。足でリズムを取るレイバはオスカー・デラ・ホーヤのような動き。1Rに早くもバッティングでカルデロンが負傷。接近戦。ディフェンスしながらフックでの打ち合い。やや振りが大きめのレイバは力強いがディフェンスされて、カルデロンが細かいパンチを当てる。しかし、8Rに十八番の「ワンツーからの右フック」を出したカルデロンだが、全般的にディフェンシブ。大きな舞台にしては消極的な試合ぶりで12R終了。判定は3-0。カルデロンがテクニックで勝利。レイバは空転。昔はラスベガスのリングサイドの観客はメインイベントしか観戦しないということがよくあったが、この試合の時点ではお客は結構入っていた。この試合を観たベガスのファンはどう思っただろう? 個人的には「最軽量級とは思えない」と思うようなエキサイティングなものではなかったように見えた。その後のレイバ。エドガル・ソーサにTKO負けでWBC世界ライトフライ級王座奪取ならず。敗北を重ね、ラストファイトはウィルフレド・バスケス・ジュニアに3RでKO負けだった。)

 

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