2025年8月31日日曜日

「小さな鉄人」イヴァン・カルデロン④「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

WBO世界ミニマム、ライトフライ級王者。王座戦のミゲル・テレス戦、ホセ・ルイス・バレラ戦ほかを紹介します。


イヴァン・カルデロン(プエルトリコ)

身長152cm:サウスポー


イヴァン・カルデロン 9R TKO ミゲル・テレス

(WBO世界ミニマム級タイトル戦、2006年)

「小さな鉄人」イヴァン・カルデロン④「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:カルデロンがタイトル防衛。デビューから25連勝(5KO)のカルデロン(31歳)が10度目の防衛戦。挑戦者テレス(28歳)はニカラグア・レオン出身で、17勝(6KO)5敗。ニカラグア王座(ミニマム級)を獲得しているが、WBAの地域王座戦(ミニマム級)は敗北。「ニカラグア代表」といった感じでカルデロンに挑戦。プエルトリコ・グアイナボでの一戦(テレスのセコンドにニカラグアの先輩ロセンド・アルバレス)。左右の構えは違うが、互いにジャブを使いながらストレートを狙う。器用さではやはりカルデロン。右ジャブ、左カウンターを当て、連打(右フックからの左ストレートなど)をまとめる。テレスは力まかせな打ち方で、単発。左フックをかわされるなど空転。5R、少しオーソドックスにチェンジするカルデロン(良い右ストレートを打っていた。勝つためにサウスポーになったのだろうが、オーソドックスの方が強いかもしれない)。テレスは強引に攻めるが、右眉上をカット(バッティング?)。8R、テレスがキズのドクターチェック。9R、カルデロンが速く、細かいパンチ。テレスがキズのドクターチェックを受け、試合終了。カルデロンが相手の負傷で勝利。瞬間的なパワー、動きの機敏さは昔から変わらない。テレスは柔軟さに欠ける力んだ攻め方。相手に逃げられ、細かいパンチを食った。その後、テレスはニカラグアの新しいスター、ローマン・ゴンサレスに二連敗。最後は連敗続きで引退。)


イヴァン・カルデロン 12R 判定 ホセ・ルイス・バレラ

(WBO世界ミニマム級タイトル戦、2006年)

「小さな鉄人」イヴァン・カルデロン④「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

6R:右フックでバレラがダウン

(感想:カルデロンがタイトル防衛。11度目の防衛戦。挑戦者バレラはベネズエラのエル・ビギア出身。2000年シドニー・オリンピックにライトフライ級で出場(メダルは獲得ならず)。プロではデビューから連勝後、WBA地域王座戦(ミニマム級)で負傷判定負け、初黒星。そこから連勝でカルデロンに挑戦。コロンビア・バランキージャでの一戦。カルデロンが前進し、得意の右ジャブ、左パンチ。1Rから右フックをヒットさせる。バレラは一発一発にパワーを込め、右ストレート、左フック。4Rには右フックをヒットさせる。しかしながら、バレラは単発傾向。よく動くカルデロンを捉えることができない(カルデロン戦に良くあるパターン。カルデロンはディフェンスが巧く、隙を突くテクニックがある。力む選手、隙を見せる選手ではカルデロンを攻略できない。これまで敗れ去ったチャレンジャーたちはカルデロンの映像を見て研究することなくリングに上がったのだろうか?)。6R、カルデロンに合わせてサウスポーにスイッチしたバレラだが、右フックでダウン。その後はいつものパターン。カルデロンがディフェンス&隙を突くパンチ。挑戦者は力むが、空転。12R終了。判定は大差の3-0。カルデロンが安定の判定パターンで勝利。最早、KO勝ちは期待するまい。バレラは工夫に欠けた。その後のバレラ。再起戦に勝利したが、ローマン・ゴンサレスに1RでKO負け。にもかかわらず、新井田豊のWBA世界ミニマム級王座に挑戦するチャンス。これにKO負け。以後、ラウル・ガルシアとのIBF世界ミニマム級王座戦で二連敗するなど全敗。なぜか世界戦のチャンスを何度ももらえたが、世界王者にはなれなかった。)


イヴァン・カルデロン 12R 判定 ロナルド・バレラ

(WBO世界ミニマム級タイトル戦、2007年)

「小さな鉄人」イヴァン・カルデロン④「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:カルデロンがタイトル防衛。12度目の防衛戦。挑戦者バレラはコロンビア・バランキージャ出身の黒人で、これまで20勝(12KO)2敗1分。デビューから連勝でコロンビア王座(ミニマム級、ライトフライ級)獲得。パナマで初黒星。コロンビア王座(スーパーフライ級)獲得。日本で新井田豊のWBA世界ミニマム級王座に挑戦して判定負け(2006年)。そこから連勝でカルデロンに挑戦。試合地は前回の防衛戦と同じコロンビア・バランキージャ(挑戦者の地元)。いつものように右ジャブ、左カウンター、隙を突く右フックのカルデロン。ドレッドヘアーのバレラは長いパンチを使う男で、ジャブ、ストレート。悪くはないが、長いパンチをかわされ、頻繁に左右にスイッチする中途半端なボクシング。6Rにバレラの右ストレートがヒット。カルデロンがいつものようなパターンで12R終了。セコンドにかつがれて勝利を確信している様子のバレラだが、判定は僅差の2-1(三者とも「115-113」)。映像では競った内容には見えなかったが、バレラの前に出る姿勢が評価されたようだ。個人的には「当てるテクニック」でカルデロンが勝ったと見る。バレラは攻撃の正確さに欠いた。その後、バレラは地域王座は獲得できたが、世界挑戦は失敗に終わった。)


その後のカルデロン

全勝のままWBO世界L・フライ級王者ウーゴ・カサレスに挑戦し、2-1の判定勝ちで二階級制覇。カサレスとの再戦はドローに終わったが、王座を連続防衛。2010年、WBA世界ライトフライ級王者ジョバンニ・セグラと王座統一戦。KO負けでプロ初黒星。再戦もKOで敗北。WBO世界ミニマム級王者モイセス・フェンテスに挑戦したが、王座奪回ならず、引退。「Iron Boy」というほどの凄味はなかったが、「一瞬のパワー」はあった。

 

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