2022年8月2日火曜日

「無慈悲な強打」レイ・マーサー⑥「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

WBO世界ヘビー級王者。キャリア終盤の試合。ドン・スティール戦、ウラジミール・クリチコ戦、シャノン・ブリッグス戦を紹介します。

レイ・マーサー(アメリカ)

身長185cm:オーソドックス(右構え)

レイ・マーサー 5R KO ドン・スティール

(ヘビー級戦、2001年)

「無慈悲な強打」レイ・マーサー⑥「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

5R:右ストレートでスティールがダウン

(感想:マーサーはこれまで27勝(19KO)4敗1分。スティールは何と43勝(43KO)2敗。IBFの地域王座を獲得しているが、ブライアン・ニールセンとIBO王座を争った試合では2RでKO負け。勝つも負けるもKO、というジョン・ムガビみたいな選手。ジャブを打つスティールだが、動きにスピードが無く、動くたびに脇腹の肉が揺れる。マーサーがジャブで優勢。左フックにパワーがある。5R、右ストレートがボディに入ってスティールが場外に転落、KO。マーサーがパワーで勝利。ただ、動きは決して速くはなかった(元々?)。ジャブをキレイに打たれ続けたスティールは「43KO」というのが信じられないほど動きが遅かった。豚バラブロックがボディに付いていたのではマーサーには勝てない。後、スティールは判定勝ちと負けを一つずつ経験してキャリアを終えた。)


ウラジミール・クリチコ 6R TKO レイ・マーサー

(WBO世界ヘビー級タイトル戦、2002年)

「無慈悲な強打」レイ・マーサー⑥「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

1R:左フックでマーサーがダウン

(感想:クリチコがタイトル防衛。王者クリチコはウクライナの選手で、これまで38勝(35KO)1敗。アップライト・スタイルから繰り出す左ジャブ連打からの右ストレートが強く、左フックを二発、三発と連打するなど、よく鍛えられた選手。30勝(22KO)4敗1分のマーサーはかつて持っていたこのタイトルを奪回できるかどうか、といったところ。1R、ジャブの打ち合い。左フック連打で足に来たマーサーがダウン。その後はクリチコが連打で優勢。マーサーはブロックしながらジャブを返すのが精一杯。6R、連打でレフェリーストップ。「時の流れ」を感じた一戦。ガードの間を打ち抜くクリチコの右ストレートはなかなか強烈。マーサーは世界戦で活躍できる状態ではなかった。)


シャノン・ブリッグス 7R KO レイ・マーサー

(ヘビー級戦、2005年)

「無慈悲な強打」レイ・マーサー⑥「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

7R:右フックでマーサーがダウン

(感想:クリチコ戦から連勝を続けるマーサーだが、彼がWBO世界ヘビー級王座を剥奪されたのは92年。全盛を過ぎて丸っこい顔に。背中には「GOLDEN PALACE COM」という文字(広告収入?)。ブリッグスはブルックリンの選手で42勝(36KO)4敗1分。ジョージ・フォアマンを下したこともあるが、レノックス・ルイスの持つWBC王座への挑戦はTKO負け。髪型が個性的な選手でもある。左手を下げた構えからジャブ、ワンツーを使うブリッグス。マーサーはジャブぐらいしか出せない状態。7R、攻めるマーサーだがロープ際でバランスを崩す。ブリッグスがマーサーをかかえるようにして右フックを連発。マーサーがダウンしてKO。スッキリしない結末だった試合。個性的なブリッグス。髪型だけではなくKOシーンも個性的だった(後にWBOタイトルを獲得)。マーサーはこの後も試合をしたが、特筆すべき勝ちは無し。全盛を過ぎて、キックボクシングや総合格闘技にもチャレンジしたが、大した結果は残せず。個人的に好みの強打者ではあるが、初黒星後は残念な試合が多く、ケガや病気といった不運もあった。デビューが遅かったのが少し残念ではあるが、連戦連勝だった全盛期は凄まじいパワーだった。)

レイ・マーサー①

ジェシー・マクギー戦、デビッド・ホプキンス戦、ケン・クロスビー戦、アル・エバンス戦

レイ・マーサー②

エディ・リチャードソン戦、オジー・オカシオ戦、ライオネル・ワシントン戦、バート・クーパー戦

レイ・マーサー③

フランチェスコ・ダミアニ戦、トミー・モリソン戦、ジェリー・ハルステッド戦

レイ・マーサー④

ジェシー・ファーガソン戦(初戦)、マーク・ウィリス戦、マリオン・ウィルソン戦

レイ・マーサー⑤

ティム・ウィザスプーン戦、レオ・ロイアコノ戦、ジェフ・ペグース戦

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