WBO世界ヘビー級王者。オリンピック金メダリスト。衝撃のKOとなった世界挑戦＆防衛戦。フランチェスコ・ダミアニ戦、トミー・モリソン戦、ジェリー・ハルステッド戦を紹介します。
レイ・マーサー（アメリカ）
身長185cm：オーソドックス（右構え）
①レイ・マーサー 9R KO フランチェスコ・ダミアニ
（WBO世界ヘビー級タイトル戦、1991年）
（ダウンシーン）
9R：左フックでダミアニがダウン
（感想：マーサーがタイトル獲得。マーサーは1988年ソウルオリンピックのヘビー級で金メダル。これまで16戦全勝（11KO）で、WBA・WBC９位。ダミアニは1984年ロサンゼルスオリンピックのスーパーヘビー級で銀メダル。27戦全勝（23KO）。注目の「メダリスト対決」ではあるが、王者ダミアニは（残念ながら）見た目もパンチも「強い」というイメージが無い。左ジャブと細かい連打を使うダミアニ。マーサーはジャブと豪快な振りの大きい左フックを打つが、相手を見てしまって手数が少なくなるシーンが多い。9R、かするような左フックが鼻に当たってダミアニがダウン。立ったが、出血もあり、続行できなかった。フィニッシュの左フックが凄まじかった試合。もたつきながらもマーサーが定評のある強打で勝利。「危険なパンチ」を持っていないダミアニは怖い相手ではなかった。）
②レイ・マーサー 5R TKO トミー・モリソン
（WBO世界ヘビー級タイトル戦、1991年）
（ダウンシーン）
5R：フック連打でモリソンがダウン
（感想：マーサーがタイトル防衛。WBO８位「ホワイトホープ」モリソン。映画『ロッキー5/最後のドラマ』に出演したこともある人気選手。接近して左右フック、右アッパーでモリソンが先制攻撃。マイク・タイソンばりの「右ボディからの右アッパー」を決め、客席がドッと沸く。マーサーはモリソンの勢いに押されて、左ジャブ、右ストレートで迎え撃つ体勢に。5R開始早々、マーサーの強打を浴びてグラッときたモリソン。凄まじい左右フックを浴びてダウン、KO。歴史に残るKO劇。マーサーのあまりにも凄まじい勢いの連打にレフェリーが割って入れず、壮絶なKOシーンとなった。グラついたモリソンに一気にラッシュをかけて倒し切ったマーサーの「勝負をかける勘」が見事だった試合。リングサイドでドナルド・トランプが観戦（彼が後に大統領になると誰が予想しただろう？）。）
③レイ・マーサー 3R TKO ジェリー・ハルステッド
（ヘビー級戦、1992年）
（ダウンシーン）
2R：左フックでハルステッドがダウン
（感想：WBO王者マーサー。元王者ラリー・ホームズとの防衛戦を計画。しかし、WBOはマイケル・モーラーとの対戦を指示。マーサーはこれに応じず、王座を剥奪されてしまう。しかも、ホームズにまさかの敗北、初黒星（「19勝（14KO）1敗」に）。このハルステッド戦は再起二戦目。ハルステッドはこれまで77勝（59KO）9敗1分の大ベテラン。Ｓ・ミドル級で試合をしていたが、オクラホマ州ヘビー級タイトルを獲得。ただし、試合数は多いがグレグ・ペイジ、トニー・タッブス、ジェームス・ダグラス、トミー・モリソンといった名のある相手には負けている。マーサーの強打を警戒しながらジャブを飛ばすハルステッド。マーサーはジャブ、右ストレートでハルステッドにプレッシャーをかける。フックの打ち方がぎこちないハルステッド。2R、ロープ際での強烈な左フックでダウン。立ったが、ダメージ。2R終了後、右目付近のキズにより棄権。マーサーはやっぱり強い。正確にジャブを当てただけで相手は異常にひるんでしまうほど。全盛を過ぎたホームズの小技にしてやられたのがあまりにも残念（「マーサー vs. モーラー」が観たかった）。ハルステッドは後、西島洋介山と日本で対戦するなど、最終的に100戦を超えるキャリアとなった。）
ジェシー・マクギー戦、デビッド・ホプキンス戦、ケン・クロスビー戦、アル・エバンス戦
エディ・リチャードソン戦、オジー・オカシオ戦、ライオネル・ワシントン戦、バート・クーパー戦
ジェシー・ファーガソン戦（初戦）、マーク・ウィリス戦、マリオン・ウィルソン戦
ティム・ウィザスプーン戦、レオ・ロイアコノ戦、ジェフ・ペグース戦
ドン・スティール戦、ウラジミール・クリチコ戦、シャノン・ブリッグス戦
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