2022年7月31日日曜日

「無慈悲な強打」レイ・マーサー①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

WBO世界ヘビー級王者。オリンピック金メダルからプロ入り。デビュー当初の試合。ジェシー・マクギー戦、デビッド・ホプキンス戦、ケン・クロスビー戦ほかを紹介します。

レイ・マーサー(アメリカ)

身長185cm:オーソドックス(右構え)

レイ・マーサー 3R TKO ジェシー・マクギー

(ヘビー級戦、1989年)

「無慈悲な強打」レイ・マーサー①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

3R:連打でマクギーがダウン

(感想:「Merciless(無慈悲)」と呼ばれる強打者マーサー。子供の頃は様々なスポーツをやってみたが、チーム競技には向いていなかった、とのこと(個人競技をやっている選手によくあるパターン)。学校を卒業後は軍隊へ(最終的な階級は「sergeant(軍曹)」)。23歳の時、西ドイツで軍人として勤務する中、ボクシングを始めた。アマ時代の最大の実績は1988年ソウルオリンピック。ヘビー級で金メダルを獲得。1989年、28歳でプロ転向(遅いデビュー)。このマクギー戦はデビュー戦。「アイラン・バークレー vs. ロベルト・デュラン」のWBC世界ミドル級タイトル戦の前座カード(デュランが四階級制覇)。これまで6勝(4KO)2敗のマクギーは小柄な選手(身長170cm)。マーサーもそれほど大きい方ではないが、向かい合うと階級が違う選手に見える。マーサーが左手を下げた構えでジャブ、ワンツー、フック連打。マクギーはマーサーの懐に飛び込もうと接近し、ボディにフック攻撃。動き自体はあまり速くないマーサー。時折ジャブ、右フックを食う。ただし、パンチにはキレがある。3R、右ストレートからの連打でマクギーがうつぶせにダウン。倒れる前にロープダウンを取ろうとしたレフェリーだが、倒れたマクギーを見て、試合を止めた。やや相手の攻撃を持て余しながらもマーサーが強打で勝利。畳み掛ける連打が素晴らしかった。デビュー戦で後の試合でも見せる攻撃パターンを見せたマーサー。デビューが遅いため、それも当然か。マクギーは後、ブルース・セルドン、ジェームス・スミスらに敗北。タフな男だったが、体格的にヘビー級ではキツかったようだ。) 


レイ・マーサー 1R KO デビッド・ホプキンス

(ヘビー級戦、1989年)

「無慈悲な強打」レイ・マーサー①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

1R:右ストレートでホプキンスがダウン

(感想:ホプキンスはいわゆる「かませ犬」(失礼?)。左手を下げた構えから速いジャブを打つが、右の打ち方とディフェンスはイマイチ。マーサーがジャブ、右ストレートで積極的に攻める。コーナー付近で右を食ったホプキンスがダウン。立てず、KO。ボクシングは一対一の勝負であり、何があってもおかしくない世界。しかしながら、ディフェンスができていないような選手と金メダリストを戦わせるのはいかがなものか?) 


レイ・マーサー 1R KO ケン・クロスビー

(ヘビー級戦、1989年)

「無慈悲な強打」レイ・マーサー①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

1R:連打でクロスビーがダウン

(感想:クロスビーはこれまで6勝(3KO)1敗。マーサーよりも背が高い。どんな動きを見せるか? 足で距離を取りながらジャブを打つクロスビー。右フックでボディ打ち。しかしながら、引いた姿勢で打つ右ストレートはあまり効果がなさそう。ジャブを使っていたマーサーが右ストレート、左右フックで一気にラッシュ。連打でダウンしたクロスビーは立てなかった。クロスビーはジャブはそこそこだったが、動きのスピード、パンチのキレに欠けていた。)


レイ・マーサー 1R KO アル・エバンス

(ヘビー級戦、1989年)

「無慈悲な強打」レイ・マーサー①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

1R:右フック、右ストレートで2度、エバンスがダウン

(感想:エバンスは背が高い選手。アマチュア時代にマイク・タイソンをKOした、というのが「売り」の男だが、年齢は34、と若くはない。ジャブ、左フックにキレがあるエバンス。しかしパワーはそれほどでもないと見たか、マーサーが強引に攻める。連打からの右フック、右ストレートで二度エバンスを倒し、KO。マーサーが積極的な姿勢で快勝。エバンスは左のテクニックはあったが、マーサーの圧力に押され気味で身体全体のパワーはあまり感じられなかった。)

レイ・マーサー②

エディ・リチャードソン戦、オジー・オカシオ戦、ライオネル・ワシントン戦、バート・クーパー戦

レイ・マーサー③

フランチェスコ・ダミアニ戦、トミー・モリソン戦、ジェリー・ハルステッド戦

レイ・マーサー④

ジェシー・ファーガソン戦(初戦)、マーク・ウィリス戦、マリオン・ウィルソン戦

レイ・マーサー⑤

ティム・ウィザスプーン戦、レオ・ロイアコノ戦、ジェフ・ペグース戦

レイ・マーサー⑥

ドン・スティール戦、ウラジミール・クリチコ戦、シャノン・ブリッグス戦 

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