WBO世界ヘビー級王者。無冠になり、厳しい試合が続く。ジェシー・ファーガソン戦(初戦)、マーク・ウィリス戦、マリオン・ウィルソン戦を紹介します。
レイ・マーサー(アメリカ)
身長185cm:オーソドックス(右構え)
①ジェシー・ファーガソン 10R 判定 レイ・マーサー
(ヘビー級戦、1993年)
(感想:マーサーはこの試合に勝てばリディック・ボウの世界ヘビー級タイトルに挑戦する予定になっており、決して落としてはならない重要な試合。ファーガソンはマイク・タイソンに敗れたことはあるが、タフネスには定評のある中堅どころ。ジャブを使うマーサー。ファーガソンはブロックして重いフック連打し、タイソンばりに「右ボディからの右アッパー」も使う。ジャブは出ているが、パワーに欠けた姿勢のマーサーに対し、ファーガソンは自信を持って前進。判定は3-0。ファーガソンが番狂わせで勝利。マーサーは「マーシレス(無慈悲な)」と呼ばれるほどのハードパンチャーだが、試合運びが上手くないところがある。おまけに「10万ドルで負けてくれ」とファーガソンに試合中に頼んでいたことも発覚。ビッグチャンスを逃したうえに不正がバレてしまったマーサー。人のせいにしてはいけないが、ラリー・ホームズに負けてキャリアが大きく変わってしまった。ホームズ戦ではなく、WBOの指令通りにマイケル・モーラーとWBO王座の防衛戦をやっておけばよかった。問題を起こしたマーサーだが「スターを必要とするボクシング界」は彼のカムバックを認めた。)
②レイ・マーサー 10R 判定 マーク・ウィリス
(ヘビー級戦、1993年)
(感想:マーサーはこれまで21勝(16KO)2敗。ウィリスは負けが多く、14勝(9KO)11敗。ティム・ウィザスプーン、ジェームス・スミスには負けているが、グレグ・ペイジに勝ったことがある。共にジャブ。力強さではマーサーに負けていないウィリス。ワンツー、左フックにパワーがある。接近戦ではフックでの打ち合い。しかしながら、パンチの正確さとディフェンスでマーサー。ジャブを当て、時折右ストレートをヒットさせてポイントを重ねる。判定は3-0。マーサーが当てる巧さ(特にジャブ)で勝利。ウィリスは打たれながらも最後まで前進し、マーサーがクリンチで勝負を避けるシーンも見られた。ただ、ウィリスの振りが大きめのフックはブロックされることが多かった。ジャブが正確だっただけに、少しもったいない負け方だったような印象。そんな、ウィリス。その後は全敗してキャリア終了。最後の相手はウラジミール・クリチコ。1RでのKO負けだった。)
③レイ・マーサー 10R 引分 マリオン・ウィルソン
(ヘビー級戦、1994年)
(感想:ファガーソンと再戦し、判定勝ちしたマーサー。これまで7勝(3KO)9敗2分のウィルソンと対戦。ウィルソンは戦績からするとタイレル・ビッグスに判定負けするなど、「二線級の選手」といったところ。グローブをオープンにして手のひらを相手に向けた構えでブロックするウィルソン。しかし、パンチは意外にしっかりしたもので、ジャブ、右ストレート、左フックを時折ヒットさせる(オープンブローは反則だが、打つときにグローブをしっかり握っていれば反則にはならないようだ)。いつものようにジャブ、右ストレートで攻めるマーサーだが、2Rには右ストレートでカウンターされたり、パンチをブロックされたり。ジャブを連打するマーサー。ブロックしながら一発を当てようとするウィルソン。判定はドロー。ウィルソンのパンチも悪くはなかったが、一発を狙うスタイルのため、手数を出していたマーサーにポイントでハッキリと上回ることはできなかった。なかなかよく頑張ったウィルソンだが、その後は負けがとても多かった。ただし、彼は全キャリアで一度もKO負けしていない。)
ジェシー・マクギー戦、デビッド・ホプキンス戦、ケン・クロスビー戦、アル・エバンス戦
エディ・リチャードソン戦、オジー・オカシオ戦、ライオネル・ワシントン戦、バート・クーパー戦
フランチェスコ・ダミアニ戦、トミー・モリソン戦、ジェリー・ハルステッド戦
ティム・ウィザスプーン戦、レオ・ロイアコノ戦、ジェフ・ペグース戦
ドン・スティール戦、ウラジミール・クリチコ戦、シャノン・ブリッグス戦
0 件のコメント:
コメントを投稿