2022年7月30日土曜日

「クイック・シルバー」バージル・ヒル⑥「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

世界L・ヘビー級、世界クルーザー級王者。クルーザー級王座を目指した試合。ファブリス・ティオーゾ戦、ドン・ラロンデ戦、ワレリー・ブルドフ戦を紹介します。

バージル・ヒル(アメリカ)

身長184cm:オーソドックス(右構え)

バージル・ヒル 1R TKO ファブリス・ティオーゾ

(WBA世界クルーザー級タイトル戦、2000年)

「クイック・シルバー」バージル・ヒル⑥「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

1R:ワンツー、連打で2度、ティオーゾがダウン

(感想:ヒルが二階級制覇。フランスで行われた試合。王者ティオーゾはフランスの選手。31歳で、これまで42勝(28KO)1敗。WBC世界L・ヘビー級王座とこの王座(WBA世界クルーザー級王座)を獲得し、二階級制覇を達成している。唯一の敗北はWBA世界L・ヘビー級王者だった頃のヒルに挑戦して判定負けしたときのもの。ヒルはミハエルゾウスキーに王座統一戦で敗れた後、ロイ・ジョーンズにTKO負け、IBCのクルーザー級王座獲得。WBA1位で45勝(21KO)3敗。年齢は36歳、と若くはない。1R、共にジャブ、右ストレート。ヒルはワンツーからの左フックなど、左をよく使う。速いワンツーでティオーゾがダウン。立ったが、朦朧とした表情。連打で二度目。それでも立ったが、連打を浴びてレフェリーストップ。ヒルが復活。最初に世界王座を獲得したレスリー・スチュワート戦も見事なKO勝ちだったが、今回もなかなか良い勝ちっぷり。王者としてよりも挑戦者の時の方がいい試合をする。ティオーゾも良い右ストレートを打っていたが、ヒルのクイックなワンツーで勝負がついた。地元で1RでKOされたティオーゾは相当落ち込んだに違いない。しかし、後にカムバックしてかつて獲れなかったWBA世界L・ヘビー級王座を獲得。結局、彼が勝てなかったのはヒルだけだった。)


バージル・ヒル 10R 判定 ドン・ラロンデ

(クルーザー級戦、2003年)

「クイック・シルバー」バージル・ヒル⑥「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

1R:左フックでラロンデがロープダウン

(感想:ジャン・マルク・モルメクのパワーに屈してWBA世界クルーザー級王座を失ったヒル。レナードとの試合でおなじみラロンデ(元WBC世界L・ヘビー級王者)と対戦。ラロンデはカナダの選手で、これまで41勝(33KO)4敗1分。子供の頃、親から殴られて育ったという悲しい過去。古傷のため、左パンチが巧く打てないというハンデもある。「ゴールデン・ボーイ」「ブロンド・ボンバー」と呼ばれ、金髪で試合をしていたが、この試合では金ではない髪の色(「染めた金髪」だったようだ)。ヒルは48勝(23KO)4敗。L・ヘビー級時代と比べると随分丸っこい顔に。1R、共にジャブ、右ストレート。左フックでラロンデがロープダウン(この時、レフェリーが意味不明な動き。不手際なところがあった)。その後、ラロンデは得意パンチである右ストレートを使うが、かわされて当たらず。ヒルがジャブでポイントを取る。7R、ラロンデが右ストレートからの連打。ヒルが打ち返す。10R(最終ラウンド)開始前、リングサイドで何やらトラブル。判定は3-0。最後まで頑張ったラロンデだが、ヒルがジャブで勝利。共に全盛は過ぎていたが、得意パンチは彼ららしい打ち方だった。) 


バージル・ヒル 12R 判定 ワレリー・ブルドフ

(WBA世界クルーザー級王座決定戦、2006年)

「クイック・シルバー」バージル・ヒル⑥「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:ヒルがタイトル獲得。再戦でもモルメクに敗れたヒル。モルメクがスーパー王者に認定されたため、空位になったWBAレギュラー王座の座をブルドフと争うことに。ブルドフはロシアの選手で、これまで30戦全勝(23KO)。ジャブを連打し、力強いワンツー、左フックを打つが、ヒルはこれをかわしてクリンチ。ポイントを取るのはジャブ、ワンツーのヒルの方。12R終了間際にちょっとしたハプニング。大振りの右フックを空振りしたヒル。左手をキャンバスにタッチ。試合終了、判定は3-0。ヒルがWBAの「スーパー王座制」により王座奪回。この王座にどれほど値打ちがあるのかは議論の余地があるが、勝ったヒルは嬉しそうだった。しかし、得意のジャブ&ディフェンスで王座を取り戻したヒルだが、次の試合でかつて下したヘンリー・マスケに敗れ、さらに 暫定王者フィラット・アルスランと「王座統一戦」を行って、これにも敗北。パンチが軽めでパッとしない試合をしてしまうことも多かったため、人気選手だったとは言い難いヒル。ただ、細かく数多く連打するスタミナは相当なもの。王座をKOで獲得したレスリー・スチュワート戦、ファブリス・ティオーゾ戦が印象に残る選手である。)

バージル・ヒル①

レスリー・スチュアート戦、ジャン・マリー・エメベ戦、ラムジ・ハッサン戦

バージル・ヒル②

ウェリー・フェザーストーン戦、ボビー・チェズ戦、ジェームス・キンチェン戦

バージル・ヒル③

タイロン・フレージャー戦、フランク・テート戦(初戦)、サウル・モンタナ戦

バージル・ヒル④

ガイ・ウォーターズ戦、フランク・テート戦(再戦)、クロフォード・アシュレー戦、ドレイク・サージ戦

バージル・ヒル⑤

ルー・デル・バーレ戦、ヘンリー・マスケ戦、ダリウス・ミハエルゾウスキー戦

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