世界L・ヘビー級、世界クルーザー級王者。必勝パターンで防衛。ガイ・ウォーターズ戦、フランク・テート戦(再戦)、クロフォード・アシュレー戦、ドレイク・サージ戦を紹介します。
バージル・ヒル(アメリカ)
身長184cm:オーソドックス(右構え)
①バージル・ヒル 12R 判定 ガイ・ウォーターズ
(WBA世界L・ヘビー級タイトル戦、1993年)
(感想:ヒルがタイトル防衛。これまで37勝(20KO)1敗のヒル。奪回した王座の五度目の防衛戦。ウォーターズはロンドン生まれで、国籍はオーストラリア。15勝(4KO)2敗1分で、地域王座を獲得しているが、(不器用なことで有名な)デニス・アンドリュースの持つWBC王座への挑戦は判定負けに終わっている。また、トロイ・ウォーターズ(ジャンフランコ・ロッシ、テリー・ノリス、サイモン・ブラウンの世界王座に挑戦したが、王座獲得ならず)の兄でもある。共にジャブ。パンチの打ち方がぎこちないウォーターズ。動きのスピードも無く、右ストレートを狙うが、かわされる。ヒルが速いジャブを序盤からヒットさせ、右でカウンター。11R、ヒルがウォーターズを挑発し、レフェリーから注意。判定は3-0。ウォーターズが不器用だった試合。ヒルもパワー不足。バージル・ヒルという選手は地元では人気だが、国際的にはそうではない。なぜ、彼が(防衛回数にもかかわらず)地味な存在に終わったのかは、この試合を見れば解ってもらえると思う。後、ウォーターズはWBFの世界L・ヘビー級タイトル、IBF の地域王座(スーパーミドル級)を獲得する活躍を見せたが、メジャー団体の世界王座は獲得できなかった。)
②バージル・ヒル 12R 判定 フランク・テート
(WBA世界L・ヘビー級タイトル戦、1994年)
(感想:ヒルがタイトル防衛。再戦。初戦はこの王座の決定戦として行われ、ヒルがジャブで勝利(判定3-0)。初戦と同様「WBA1位」として元IBF世界ミドル級王者テートが二階級制覇を目指す。共に気合いが入った表情でジャブ。ヒルはおなじみの細かいジャブ連打、右ストレートからの左フックを使い、テートは長いジャブ、右カウンター。2R、左フックでテートがピンチ。3R、テートの右でヒルの足がグラつく。チャンスとばかりに攻めるテートだが、右ストレートを空振りして前のめりにズッコケ(キャンバスを叩いて悔しがるテート。せっかくのチャンスだったのに残念)。力強いパンチを打つテートだが、当たるのはヒルの細かいジャブ。6R、腰を振って相手を挑発するテートだが、ワンツーを打たれて足に来る(余計なことをしてエラい目に)。判定は3-0。ヒルがディフェンスしながらジャブ、コンビネーションで勝利。力強かったのはテートの方だったが、パンチが当たらないのではどうしようもなかった。)
③バージル・ヒル 12R 判定 クロフォード・アシュレー
(WBA世界L・ヘビー級タイトル戦、1995年)
(感想:ヒルがタイトル防衛。英国のアシュレーはWBA10位。英国L・ヘビー級タイトルを獲得したことがあるが、マイケル・ナンの持つWBA世界S・ミドル級タイトルへの挑戦はTKO負け。長身で、長い後ろ髪を束ねた個性的な髪型。共にジャブ。良い右ストレートを打つアシュレーだが、攻めが単調な印象。ヒルはフットワークを使い、相手のパンチを異常に警戒。8R、アシュレーの右がヒット。しかし、全体的にヒルが細かいジャブでポイントを重ねる展開。判定は3-0。ヒルがディフェンス&ジャブ連打で勝利。勝ったが、テートとの再戦のように挑戦者の方がパワフルな印象を残した。ヒルの戦い方は理に適ったものではあるが、迫力に欠ける。世界王者は単に勝てばよい、という存在ではないのだが・・・。アシュレーは後、欧州L・ヘビー級タイトルを獲得したが、世界王者にはなれず。地域の強豪にとどまった。)
④バージル・ヒル 12R 判定 ドレイク・サージ
(WBA世界L・ヘビー級タイトル戦、1995年)
(感想:ヒルがタイトル防衛。サージは珍しいチャレンジャー。東アフリカ、マラウイ共和国の選手。WBA7位で、カナダL・ヘビー級タイトルなどを獲得。10Rからの映像で観戦。10R、ジャブ、右ストレートを使って前進し、パワフルに左右フックを振るうサージ。ヒルはいつものようにディフェンス&ジャブ連打のパターンを使うが、ワンツーを打ってコケる(足がもつれたようだ)。力強いサージだが、パンチの正確さに欠ける印象。判定は3-0。ヒルがいつもの勝ちパターンで判定勝利。奪回した王座の八度目の防衛成功(最初に獲った王座は11度防衛。通算19度の防衛)。後、サージはあのジェームズ・トニーを判定で破ってIBOのL・ヘビー級タイトルを獲得。)
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