2022年7月27日水曜日

「クイック・シルバー」バージル・ヒル①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

世界L・ヘビー級、世界クルーザー級王者。オリンピック銀メダルからプロ入り。世界戦のレスリー・スチュアート戦、ジャン・マリー・エメベ戦、ラムジ・ハッサン戦を紹介します。

バージル・ヒル(アメリカ)

身長184cm:オーソドックス(右構え)

バージル・ヒル 4R KO レスリー・スチュアート

(WBA世界L・ヘビー級タイトル戦、1987年)

「クイック・シルバー」バージル・ヒル①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

4R:左フックで2度、スチュアートがダウン

(感想:ヒルがタイトル獲得。「クイック・シルバー」と呼ばれるヒル(「速いパンチを打つ銀メダリスト」の意。パンチは速いが、動きのスピードは他の選手とさほど変わらない)。少年時代、モハメド・アリに憧れ、ボクサーを目指すことに。父に自宅に作ってもらったジムでトレーニング。自己流のボクシングだったが、アマチュアで連戦連勝。1984年のロサンゼルスオリンピックではミドル級で銀メダルを獲得。しかしながら、その時の試合ぶりがイマイチだったことと、その大会で金メダルを取ったマーク・ブリーランドらが華々しい存在だったことで、プロでは金メダリストよりはるかに「格下」扱いされてきた。プロ入り後はエディ・ファッチが彼のトレーナーに。元世界王者らを破り、これまで18戦全勝(12KO)。いよいよ世界挑戦。王者スチュアートはトリニダード・トバゴの選手。古豪マービン・ジョンソンから王座を奪取し、これが初防衛戦となる。ヒルがフットワーク&独特の打ち方のジャブ。スチュアートも良いジャブを打つが、あまり攻めていかない。このままの流れで試合が続くのかと思われたが、4R、ヒルの絶妙な左のショートフックでスチュアートがダウン。さらにダウンを追加してKO。見事な左フックを見せたヒル。これまでの苦労が報われた(これがヒルのベストファイトかも)。スチュアートは鋭いパンチを持っている良い選手だったが、積極性が足りなかったような印象。) 


バージル・ヒル 11R TKO ジャン・マリー・エメベ

(WBA世界L・ヘビー級タイトル戦、1988年)

「クイック・シルバー」バージル・ヒル①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

11R:右ストレートでエメベがダウン

(感想:ヒルがタイトル防衛。ルフィーノ・アングロを破って初防衛に成功したヒル。これが二度目の防衛戦。WBA1位エメベはカメルーン出身でフランス国籍の黒人。マービン・ジョンソンが同王座の王者だった頃に挑戦してTKO負けしている。共にジャブ。ヒルは左フック、エメベは右ストレートが印象的。攻めるエメベだが、ヒルはフットワーク&ディフェンス。ヒルがワンツーからの左フック、ボディ打ちなどで優勢。2R、右ストレートでエメベがピンチ。6Rにちょっとしたハプニング。左フックを食ってマウスピースを落としたヒル。自分でそれを拾おう(?)とする。細かい連打、ボディ攻撃を受け、次第に勢いが落ちてくるエメベ。11R、右ストレートでダウン。立ったが、ロープ際で連打されてレフェリーストップ。ヒルがディフェンス&コンビネーションで快勝。エメベは良い右ストレートを打っていたが、攻めがワンパターン。攻撃するときにできる隙を突かれてしまった。)


バージル・ヒル 12R 判定 ラムジ・ハッサン

(WBA世界L・ヘビー級タイトル戦、1988年)

「クイック・シルバー」バージル・ヒル①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:ヒルがタイトル防衛。ヒルの三度目の防衛戦。ハッサンはヨルダン出身(いかにも「ハッサン」といった顔立ち)で、主戦場と住居はアメリカ。これまで25勝(4KO)3敗で、カリフォルニア州L・ヘビー級タイトルを獲得。KO数は少ないが、ジェフ・ラムキン(後、IBF世界クルーザー級王座獲得)、ユーライア・グラント(後、IBF世界クルーザー級王座獲得)を下している。ブロックしながらジャブを打つハッサン。ヒルは速いジャブを連打し、左フック、そして右ストレートをボディに打ち込む。ワンツーからの左フックなどで前に出るハッサンだが、動きのスピードはもう一つ。ヒルが左フックでカウンターする。7R、ハッサンの右フックがヒット。11R、サウスポーにスイッチしたヒルだが、ローブローで減点され、またオーソドックスに戻す(無意味なスイッチだった)。判定は3-0。勝ったが冴えない表情のヒル。左のテクニックは相変わらずだったが、観客にインパクトを与えるような力強い勝ち方はできなかった。ハッサンはクリーンなファイトぶりではあったが、スピードに欠けていた。次の試合でハッサンはマイケル・モーラーと初代WBO世界L・ヘビー級王者決定戦を行い、TKO負け。後、WBCのインター王座(L・ヘビー級)を獲得したが、世界王者にはなれなかった。)

バージル・ヒル②

ウェリー・フェザーストーン戦、ボビー・チェズ戦、ジェームス・キンチェン戦

バージル・ヒル③

タイロン・フレージャー戦、フランク・テート戦(初戦)、サウル・モンタナ戦

バージル・ヒル④

ガイ・ウォーターズ戦、フランク・テート戦(再戦)、クロフォード・アシュレー戦、ドレイク・サージ戦

バージル・ヒル⑤

ルー・デル・バーレ戦、ヘンリー・マスケ戦、ダリウス・ミハエルゾウスキー戦

バージル・ヒル⑥

ファブリス・ティオーゾ戦、ドン・ラロンデ戦、ワレリー・ブルドフ戦

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