WBC世界フライ級王者。世界王座防衛戦のチャーリー・マグリ戦、フレディ・カスティーヨ戦、安来基戦を紹介します。「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」
ソット・チタラダ(タイ)
身長161cm:オーソドックス(右構え)
①ソット・チタラダ 5R TKO チャーリー・マグリ
(WBC世界フライ級タイトル戦、1985年)
(感想:ソットがタイトル防衛。ムエタイの選手だったソット。国際式(プロボクシング)に転向。才能を発揮し、五戦目で張正九のWBC世界J・フライ級王座に挑戦。しかし、手数、試合運びでわずかに及ばず判定負け。再起二連勝後、階級を上げてガブリエル・ベルナル(日本で小林光二を豪快にKOして王座を持ち去ったメキシカン)から王座奪取。マグリと初防衛戦。英国のマグリはかつてこのベルトを所持していた男。マグリとしては地元のファンの前で王座を奪回したいところ。攻めるマグリ。モハメド・アリばりのフットワークと左ジャブを見せるソット。マグリが押し気味の展開だったが、4Rにソットが打ち合いに出る。マグリの負傷により、4R終了でTKO。ややあっけない結果。再戦すればよいのではと思うような結末だったが、なかった。その後、マグリはデューク・マッケンジー(英国の黒人選手。後、三階級制覇)に敗れて引退。王座に返り咲くことはなかった。)
②ソット・チタラダ 12R 判定 フレディ・カスティーヨ
(WBC世界フライ級タイトル戦、1986年)
(ダウンシーン)
(感想:ソットがタイトル防衛。前王者ベルナルと引き分けて二度目の防衛に成功したソット。ベルナルと同じメキシカンで、元王者カスティーヨと三度目の防衛戦。 カスティーヨはベテランで二冠王。かつてこのWBC王座を獲得したが(1982年)、初防衛に失敗。それから数年後の挑戦。直前の試合ではアントニオ・アベラル(メキシカン。コチラも元WBC王者)にTKO負け。勢いのあるチャレンジャーではない。中東クウェートで行われた一戦(「ボクシングマガジン86年4月号」によると、この試合は中東で行われた初の世界王座戦。ソットはイスラム教徒であり、彼自身が中東での試合を希望したため、この地で行われることになったという)。「タイのモハメド・アリ」とも呼ばれるソット。アリ式フットワーク、ジャブからの右ストレートがシャープで力強い。サウスポーのカスティーヨは左ストレート、接近して左右フックボディ攻め。2R、右ストレートでカスティーヨがダウン。その後、時折左ストレートをカスティーヨがヒットさせるが、ポイント的にはソットがジャブで先手を取り、右カウンターで優勢の印象。ソットがサウスポーにチェンジしたりしながら攻めるカスティーヨをかわして12R終了。判定は3-0。ソットがキレのあるストレート系パンチで勝利。左フックも力強くて良かった。カスティーヨはジャブが少なかったのが敗因。これが最後の試合となった。)
③ソット・チタラダ 4R KO 安来基
(WBC世界フライ級タイトル戦、1987年)
(ダウンシーン)
1R:右アッパーで安がダウン
3R:右アッパーで安がダウン
4R:左ストレート(強いジャブ)で安がダウン
(感想:ソットがタイトル防衛。ベルナルに判定勝ちして四度目の防衛に成功したソット。バンコクで安と五度目の防衛戦。韓国の安は韓国フライ級王座を獲得したり、中島俊一を破ったりといった実績。このところ連勝中。1R、強い左ジャブで安がグラつき、アッパーでダウン。その後、安は体勢を立て直したかに見えたが、3R、4RにダウンでKO。テクニシャンのイメージがあるソットが激しい攻めを見せ、パワフルにKO勝利。倒しっぷりという点ではこれがソットのベストファイトかも。)
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