WBO世界ミドル級、スーパーミドル級王者。世界王者になる前の試合。ダレン・パーカー戦、レス・ウィスニュースキー戦、ロン・マレック戦ほかを紹介します。
クリス・ユーバンク(イギリス)
身長178cm:オーソドックス(右構え)
①クリス・ユーバンク 1R TKO ダレン・パーカー
(ミドル級戦、1988 年)
(感想:ロンドン出身の黒人ユーバンク。自信タップリの表情でリングに上がり、まるで歌舞伎役者のような「ニラみ」で対戦相手と観客にアピールした変わり者。本名は「Christopher Livingstone Eubank」(長い)。「ボクシング一族」で兄弟や息子、甥もボクサーに。16歳の時、ニューヨーク・サウスブロンクスに移住し、ボクシングを習う。英国に戻ってアマチュアのリングへ(タイトルも獲得)。プロ入り後はこれまで全勝。パーカー戦はプロ6戦目(88 年初試合、2月)。パーカーはヨークシャー出身の白人。記録からはさしたる実績が見当たらない選手。英国コプソーンでの一戦。やや前傾姿勢のユーバンク。相手と距離を取り、左のガードを少し下げた構えからジャブ、右ストレート。パーカーは正統派。ジャブ、右ストレートからの左フック。しかしながら、スピードはそこそこ。パンチのキレでユーバンク。右ストレートを連打されたパーカーがよろけたところでレフェリーストップ。ユーバンクがクロス気味の右で勝利。スピードに差があった。)
②クリス・ユーバンク 2R TKO レス・ウィスニュースキー
(スーパーミドル級戦、1989年)
(感想:ダレン・パーカー戦後も連勝のユーバンク(22歳)。15戦目の相手はカナダの白人。ウィスニュースキーは32歳。さしたる実績はなく、このところ連続KO負け。英国ブレントウッドでの一戦。基本的なスタイルが完成しているユーバンク。距離を取る慎重姿勢でジャブ、ストレート、フック。ウィスニュースキーはジャブで前進し、左フック、ボディ連打。2R、ユーバンクが速い連打(ワンツーからの左フック)、右アッパー。次々にパンチがヒットしてレフェリーは試合を止めた。ユーバンクが回転力で勝利。特に右パンチが強かった。ウィスニュースキーはボディ狙いは良かったが、一気に連打されてしまった。)
③クリス・ユーバンク 5R TKO ロン・マレック
(ミドル級戦、1989年)
(ダウンシーン)
3R:右ストレートでマレックがダウン
5R:右ストレートでマレックがダウン
(感想:プロ16戦目。マレック(30歳)はカンザス州ウィチタの白人。これまで17勝13敗1分。リンデル・ホームズ、ルペ・アキノにKO負けしている中堅どころ。英国バジルドンでの一戦。この試合のユーバンクはスピードと器用さ。半身に構えてフットワーク。速いジャブ、右ストレート、ショートフック、右アッパー。マレックは攻めの姿勢でジャブ、左フックを出すが、動きのキレはそこそこ。2R、ユーバンクの左フックがクリーンヒット。3R、右ストレートでマレックがダウン。5R、仕留めにかかるユーバンク。左右フックからの右ストレートでマレックがダウン。倒れると同時にレフェリーストップ。ユーバンクが素晴らしい出来で勝利。手首のスナップを効かせたフック、アッパーが効果的だった。この時点で既に世界王者レベルの実力。後は経験を積むだけ。マレックは粘り強さはあったが、スピード感に欠けた。次の試合でヘンリー・ウォートン(後、ユーバンクと対戦)にもKO負けして引退。)
④クリス・ユーバンク 2R TKO ジャン・ノエル・カマラ
(スーパーミドル級戦、1989年)
(ダウンシーン)
1R:ワンツー、左フックで2度、カマラがダウン
3R:右アッパーでカマラがダウン
(感想:プロ17戦目。カマラ(29歳)はフランスの黒人。これまで14勝(6KO)5敗。フランス王座戦(ミドル級)でKO負けするなどこのところ敗北が目立つ。ロンドンのベスナル・グリーンでの一戦。共に白のトランクス。速いジャブ、ワンツー、左フック。ユーバンクはトリッキーな動き。長身のカマラはややアップライトな姿勢で長いパンチ。しかしながら、ディフェンスに差が。ワンツーでカマラがダウン。立ったが、右ストレートが効いて左フックで二度目のダウン。その後も共にシャープなパンチを出すが、当てる巧さでユーバンク。3R、右ボディ打ちからの右アッパーでカマラがダウン。立ったが、レフェリーストップ。ユーバンクが快勝。そろそろ上位陣との対戦を見てみたいところ。カマラは長いパンチの使い手。そういうタイプは隙が大きいことが多い。その後、カマラはビクトル・コルドバ、スティーブ・コリンズにKOされるなど勝ったり負けたりでキャリアを終えた。)
ジョニー・メルファー戦、キッド・マイロ戦、ゲーリー・ストレッチ戦
マイケル・ワトソン戦(初戦)、スラニ・マリンガ戦、リンデル・ホームズ戦
レイ・クローズ戦(初戦・再戦)、グラシアノ・ロッシジャーニ戦、ダン・ショマー戦
ジョー・カルザゲ戦、ルイス・バレラ戦、カール・トンプソン戦(再戦)
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