2023年10月3日火曜日

「正確な強打&端正なマスク」ミゲル・アンヘル・ゴンザレス⑤「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

WBC世界ライト級王者。世界王座防衛戦のラマー・マーフィ戦、再起戦のロバート・グランシオサ戦を紹介します。「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

ミゲル・アンヘル・ゴンザレス(メキシコ)

身長174cm:オーソドックス(右構え)

ミゲル・アンヘル・ゴンザレス 12R 判定 ラマー・マーフィ

(WBC世界ライト級タイトル戦、1995年)

「正確な強打&端正なマスク」ミゲル・アンヘル・ゴンザレス⑤

(感想:ゴンザレスがタイトル防衛。マーティ・ジャクボウスキー(アメリカ)を右フックでダウンさせた末、判定勝ちで9度目の防衛に成功したゴンザレス。これまで37戦全勝(29KO)。10度目の防衛戦はラスベガス「MGM Grand」。挑戦者マーフィはWBC12位の黒人ファイターで18勝(13KO)1NC。「1NC」はフロリダ州のJ・ウェルター級タイトル戦で6RでKO勝ちしたが、その後「ノーコンテスト」扱いされたもの。ジリジリと距離を詰めてジャブを打つマーフィ。そして、右ストレート、左右フック連打。アズマー・ネルソンのような戦いぶり。ゴンザレスはいつものようにジャブ、ワンツーからの左フック、左ボディ打ち。しかしながら、レフェリー(ミッチ・ハルパーン)はちょっとゴンザレスに厳しめ。(それほど低いようには見えなかったが)ボディ打ちをローブローと見なし、減点(2R、6R)。自由奔放なスタイルのマーフィは時折サウスポーにスイッチしたり、左のガードを下げた構えから素早い身のこなしを披露したり。11R、マーフィがラビットパンチ(ローブローの仕返し?)。マーフィが最後まで攻める姿勢を見せて12R終了。判定は2-0。アナウンス後、判定に対する不満からか、両陣営が小競り合い。自身の勝利をアピールするマーフィ。よく頑張ったが攻撃がとぎれる場面がよくあり、攻めるリズムにやや問題があった印象。当てるテクニック、ディフェンスでゴンザレスが辛くも勝利した。その後、ゴンザレスはWBC世界ライト級王座返上。マーフィはゴンザレスに敗れた再起戦でジャン・バチスト・メンディと同王座の決定戦を行ったが、3-0で敗北。ネルソンのように世界を獲得して時代を築くことはできなかった。)


ミゲル・アンヘル・ゴンザレス 4R TKO ロバート・グランシオサ

(J・ウェルター戦、1997年)

「正確な強打&端正なマスク」ミゲル・アンヘル・ゴンザレス⑤

(ダウンシーン)

3R:右フックでグランシオサがダウン

(感想:WBC世界ライト級王座を返上したゴンザレスだが、オスカー・デラ・ホーヤのWBC世界J・ウェルター級王座に挑戦して判定負け。グランシオサ戦はその再起戦。これまで41勝(31KO)1敗で、WBC世界J・ウェルター級2位。グランシオサは31勝(16KO)17敗3分。フィリピン出身であるが、アメリカを主戦場に。ヘスス・サルードに判定負けしたり、IBOのJ・ウェルター級王座に挑戦して判定負けしたりしている中堅どころ。ブランクがあり、これがカムバック戦。ラスベガス「MGM Grand」での一戦。サウスポーのグランシオサ。右ジャブ、左ストレート。動きは悪くない。サウスポーには慣れているゴンザレス。左を使いながら右ストレート、左フック。しかしながら、3Rにボディ打ちがローブロー扱いされ、減点。攻めるゴンザレス。右フックが効いたグランシオサが少し間を置いてダウン。そのラウンドはなんとかしのいだが、3R終了後に棄権(グランシオサはこれが最後の試合に)。ゴンザレスがパンチの正確さで勝利。しかし、この次の試合でフリオ・セサール・チャベスとWBC世界J・ウェルター級王座決定戦を行い、引分(かつて「チャベスの時代はもう終わった」などと語っていたが、倒せず)。コンスタンチン・チュー(ロシア)とWBC世界J・ウェルター級王座決定戦を行い、TKO負け。コリー・スピンクス、ルイス・コラーソの世界ウェルター級王座に挑戦した試合でも敗北。当てるテクニック&連打で勝ってきたゴンザレス。相手を粉砕するようなパワーに欠けていた。そのため、タフな相手、パワーのある相手、階級が上の相手には残念ながら通用しなかった。)   

李永龍戦、ラモン・マルケナ戦、フランシスコ・ダ・クルス戦

ウィルフレド・ロチャ戦(初戦)、ダリル・タイソン戦、エクトール・ロペス戦

デビッド・サンプル戦、ウィルフレド・ロチャ戦(再戦)、ジャン・バチスト・メンディ戦

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