2023年11月23日木曜日

「流れる連打」フリオ・セサール・ボルボア①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

IBF世界J・バンタム級王者。ひたすら連打するメキシカン。世界王座挑戦。ロバート・キロガ戦ほかを紹介します。

フリオ・セサール・ボルボア(メキシコ)

身長177cm(?):オーソドックス(右構え)

フリオ・セサール・ボルボア 10R 判定 アルフレド・コティ

(J・バンタム級、1992年)

「流れる連打」フリオ・セサール・ボルボア①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:映画の「ロッキー・バルボア」に名前が似ていることから「ロッキー」とも呼ばれるボルボア。アマチュアからプロへ。これまで4敗しており、ポジション的には「中堅選手」といったところ。「身長177cm」というデータがある(本当だろうか? そんなに大きくは見えないが。誤りだと思われる)。コティはガーナ期待の新鋭で、無敗の世界ランカー。ボルボア戦は軽くクリアしなければならない。フィラデルフィアでの一戦。ボルボアが初回から積極的に攻め、コティが応戦に回るという意外な展開。ボルボアは一発一発は軽いがバランスが良く、よどみなく回転の速い連打を打ち続ける。特に左フックのボディ打ちが巧い印象。コティはパワーを込めて打つが力んだ感じで、細かく動くボルボアにパンチが当たらない。判定は2-1。手数でボルボアの勝利。コティは力んで後手に回ってしまった。後にコティはWBO世界バンタム級タイトルを獲るが、この敗北はかなり痛かったに違いない。)


フリオ・セサール・ボルボア 12R TKO ロバート・キロガ

(IBF世界J・バンタム級タイトル戦、1993年)

「流れる連打」フリオ・セサール・ボルボア①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:ボルボアがタイトル獲得。コティに勝った次の試合が世界挑戦となったボルボア(IBF9位)。その勢いで王座奪取なるか、といったところ。王者キロガはテキサス州サンアントニオ出身。小柄ながら精力的な攻めでこれまで全勝。特にキッド・アキームの挑戦を壮絶な打撃戦の末にしりぞけた試合で評価が高い。ボルボア戦は六度目の防衛戦。サンアントニオでの一戦。両者とも「回転の速い連打」を得意とするタイプで初回から打ち合いに。ただ、ボルボアは軽い感じで数多く打ち、キロガは強いパンチを当てようとする。次第に、ボルボアの細かいパンチがヒットするようになり、キロガはあまり当たらなくなっていく。4R、(おそらく古傷から)出血するキロガ。キロガはこれまで回転の速い連打で相手よりも多く当てることで勝ってきたが、今回は全く逆。パンチをもらい続け、後退し、最後は「まぶたのキズ」と「顔の腫れ」をドクターがチェックして試合終了。より回転力があるボルボアが勝利。「上には上がある」という結果になった。この試合がキロガの事実上のラストファイト。カムバックしたが、判定負けで完全引退。その後、トラブルで刺殺された(2004年、34歳)。)


フリオ・セサール・ボルボア 12R 判定 ホルヘ・ルナ・サラテ

(IBF世界J・バンタム級タイトル戦、1993年)

「流れる連打」フリオ・セサール・ボルボア①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:ボルボアがタイトル初防衛。挑戦者サラテはあのカルロス・サラテの甥。これまで全勝だが、王座戦はこれが初めて。メキシコでの一戦。共にカードを上げてジャブ。リズミカルな動きでボルボアがワンツー、左ボディからの左フックといったコンビネーション。サラテは一発一発にパワーを込めるタイプ。力強いパンチを打つが、打ち終わった後に隙ができるためそこを突かれる。右アッパーなどを自在に打ち込むボルボア。ディフェンスして打ち返したり、クリンチしたりで相手の攻撃を阻止。その流れで12R終了。判定は3-0。テンポの良い連打でボルボアが快勝。サラテは動きが固かった。しかし、ジャッジの一人は2ポイント差。サラテのパワーも評価された。その後、サラテは再起戦でメキシコ王座(J・バンタム級)を獲得したが、三度の世界挑戦は失敗に終わった。)


フリオ・セサール・ボルボア 5R TKO ローランド・パスクワ

(IBF世界J・バンタム級タイトル戦、1993年)

「流れる連打」フリオ・セサール・ボルボア①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

2R:右フックでボルボアがダウン

5R:左フックでパスクワがダウン

(感想:ボルボアがタイトル防衛。二度目の防衛戦でコロンビアのカルロス・メルカドをKOしたボルボア。三度目の相手はフィリピンのサウスポー。パスクワはウンベルト・ゴンザレスをKOしてWBC世界J・フライ級王座を奪ったことで有名。しかし、初防衛戦でメルチョル・コブ・カストロにTKO負け。以来、フィリピン王座(J・バンタム級)獲得、チャッチャイ・サーサクンに判定負け、といった実績。メキシコでの一戦。連打のボルボア。ただし、一発で倒すパワーはないため下の階級から来たパスクワはパワー負けすることなく打ち合う。2R、連打からの右フックでボルボアがダウン。その後、パスクワは攻めるが、力んだ打ち方のためディフェンスされてしまう。5R、ボディが効いたパスクワ。左フックを追い打ちされてダウン。そして、右フック連打でレフェリーストップ。結局ボディが弱かったパスクワ(カストロ戦での負けもボディを攻められたことによる)。この人はゴンザレス戦がピークだったようだ。その後もパスクワはリングに上がり、負けが増えて行くが、WBFやIBOといったマイナー世界団体の王座戦に出場した。)

フリオ・セサール・ボルボア②

ホルヘ・ルイス・ローマン戦、ジャジ・シバリ戦、ハロルド・グレイ戦(初戦・再戦) 

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