世界J・バンタム、バンタム級二冠王。防衛戦。アルマンド・サラサール戦、グレグ・リチャードソン戦、イラリオ・サパタ戦を紹介します。「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」
文成吉(韓国)
身長165cm:オーソドックス(右構え)
①文成吉 8R TKO アルマンド・サラサール
(WBC世界J・バンタム級タイトル戦、1992年)
(感想:文がタイトル防衛。文の六度目の防衛戦。WBC5位の挑戦者サラサールはメキシカン。メキシコ王座、WBC米大陸王座(いずれもJ・バンタム級)を獲得しているが、米大陸王座は同じメキシコのホセ・ルイス・ブエノに奪われてしまった。仁川での一戦。共にガードしながらジャブ。サラサールは左フック、文は左フックからの右ストレートなどの連打。互いに重そうなパンチを打つが、キレはそこそこ。接近戦では激しい打ち合い。ワンツーをヒットさせるサラサールだが(3Rほか)、文は打たれてもひるまず、アッパーなどを入れていく。タフな打撃戦。7R、左フックをマトモに食って文がピンチ。8R、文は打たれるが打ち返す。ラウンド終了間際、サラサールが右を食って体勢を崩したところでレフェリーストップ。サラサールが「なぜ止める?」といった感じのゼスチャー。文はよく打たれた。タフネスにまかせる攻めは動きのキレに欠ける状態だとリスクが大きい。サラサールは残念。同じように打ち合うのであればパンチのある方が有利。ストップされたのはダメージに加え、左目のキズもあったためだと思われる。後、サラサールはWBC米大陸王座(バンタム級)を獲得するなどの活躍を見せたが、世界王座には手が届かなかった。)
②文成吉 12R 判定 グレグ・リチャードソン
(WBC世界J・バンタム級タイトル戦、1992年)
(ダウンシーン)
12R:右ストレートで2度、リチャードソンがダウン
(感想:文がタイトル防衛。文の七度目の防衛戦。挑戦者のリチャードソン(アメリカ)は元WBC世界バンタム級王者で日本でもおなじみ。この試合は辰吉丈一郎に敗れて王座を失った再起戦。WBC1位として約1年ぶりの試合。ソウルでの一戦。フットワークで距離を取るリチャードソン。パンチがないことで有名な選手だが、その分、スピードがあって手数が多く、ジャブ、ワンツー、左フックからの右ストレートをヒットさせる。文はブロックしながら前進するが、フックは空転。その代わり、強いジャブ、右ストレートが当たる。足を使うリチャードソンを文が追う展開。10R、文の左ボディでリチャードソンが思わずクリンチ。パンチを当てる器用さを見せるリチャードソンだが、12Rに右ストレートを連続で打たれ、二度ダウン。判定は2-0。倒されるようなパンチではない、ということだったのだろうが文はジャブをよく打たれた。タフネス&強打で乗り切った印象。リチャードソンの方が良かったラウンドもあったが、やはりパンチが軽かった。)
③文成吉 1R TKO イラリオ・サパタ
(WBC世界J・バンタム級タイトル戦、1993年)
(ダウンシーン)
12R:右ボディ、右フックで2度、サパタがダウン
(感想:文がタイトル防衛。文の八度目の防衛戦。挑戦者のサパタ(パナマ)は日本と韓国のファンにとって懐かしい選手(中島成雄、友利正、穂積秀一、張正九と対戦)。WBC世界J・フライ級、WBA世界フライ級王座の二冠王。直前の試合ではWBCの地域王座(J・バンタム級)を獲得し、WBCの9位にランク。ソウルで三階級制覇を目指す。サウスポースタイルから距離を取って右ジャブ、左ストレートのサパタ。動きは悪くない。文は打ち方が良くない。フックを振るうが、正確さに欠ける。ところが左フックがヒットして、サパタがダメージ。ロープ際での右ボディでサパタがダウン。立ったが、打ち合いの中で右フックを食って二度目のダウン。今度も立ったが、レフェリーストップ。映像ではサパタはストップに納得していない様子で、まだ続行できそうな感じもあった(レフェリーの陰になっていたためサパタの表情がよく見えなかったのが残念)。バタバタした打ち方だったが、文がパンチ力で快勝。サパタはこれが最後の試合となった。)
リック・バヘロット戦、シンノイ戦、テプラトム戦
カオコー・ギャラクシー戦(初戦・再戦)、小林智昭戦
ナナ・コナドゥ戦(初戦)、ヒルベルト・ローマン戦、松村謙二戦
ナナ・コナドゥ戦(再戦)、エルネスト・フォード戦、トーサク・ポングスパ戦
カルロス・サラサール戦、ホセ・ルイス・ブエノ戦(ラストファイト)
0 件のコメント:
コメントを投稿