WBA・WBC世界J・ライト級王者。世界王座防衛戦とノンタイトル戦。ホルヘ・ラミレス戦、ジミー・ガルシア戦、ホルヘ・パエス戦を紹介します。
ヘナロ・エルナンデス(アメリカ)
身長180cm:オーソドックス(右構え)
①ヘナロ・エルナンデス 8R TKO ホルヘ・ラミレス
(WBA世界J・ライト級タイトル戦、1994年)
(感想:エルナンデスがタイトル防衛。エルナンデスの七度目の防衛戦。トランクスには「Chicanito」「TEIKEN」の文字。挑戦者のラミレスはメキシコのファイターでWBA12位。メキシコのJ・ライト級タイトルを獲得しているが、ホルヘ・パエスには2-0で惜しくも敗北している。長身のエルナンデスが長いジャブ、ワンツー。低い姿勢で接近してくるラミレスに左フックを合わせる。ラミレスはジャブを使って接近し、右ストレート、左右フック連打。3R、互いにフック連打の応酬。6R、7Rには力強い連打を見せたラミレスだが、キズが悪化していく。8R、ラミレスがドクターチェックを受ける。その後、エルナンデスのワンツーがヒットしたところでレフェリーのラリー・ロザディリャは試合を止めた。エルナンデスが懐の深さと左で勝利。ラミレスは頑張ってよく攻めたが、エルナンデスの固いディフェンスを崩すことはできなかった。後、ラミレスはケビン・ケリーらに敗れ、世界には手が届かなかった。)
②ヘナロ・エルナンデス 12R 判定 ジミー・ガルシア
(WBA世界J・ライト級タイトル戦、1994年)
(ダウンシーン)
5R:左フックでガルシアがダウン
12R:右ストレートでガルシアがダウン
(感想:エルナンデスがタイトル防衛。エルナンデスの八度目の防衛戦。メキシコシティで行われた試合(「ウンベルト・ゴンザレス vs. マイケル・カルバハル」の第三戦が行われた興行。リカルド・ロペス、テリー・ノリスも登場)。TV解説席にはフリオ・セサール・チャベス。挑戦者ガルシアはWBA1位。コロンビアのJ・ライト級タイトルを獲得しており、これまで35勝(25KO)3敗。エルナンデスは30勝(15KO)1分。いつものように長く、速いジャブ、ワンツーのエルナンデス。ガルシアは右ストレート、左フックで攻めの姿勢を見せるが、特に右の打ち方が微妙。動きのスピードもさほどなく、真っ直ぐ攻めるところもあり、「世界1位」の凄みはあまり感じられない。4R、ガルシアのバッティングにエルナンデスが珍しくエキサイトして一発食らわす。次第に右目が腫れていくガルシア。5R、左フックでダウン。6R、ガルシアがバッティングでついに減点。7Rにはエルナンデスが強烈な右アッパー、左ボディを打ち込み、いつKOになるか? といった雰囲気に。12R、右ストレートでガルシアがダウン(しかしレフェリーはこれをダウン扱いせず)。判定は大差の3-0。実力差があったにもかかわらずエルナンデスがKOできなかったのが残念だった試合。ガルシアは右を打つときにディフェンスが甘くなるところがあった。この次の試合でガルシアはガブリエル・ルエラスのWBC王座に挑戦。TKO負けを喫し、そのダメージにより死去。)
③ヘナロ・エルナンデス 9R TKO ホルヘ・パエス
(J・ライト級戦、1995年)
(感想:エルナンデスのノンタイトル戦。相手のパエスは元IBF・WBO世界フェザー級王者。これまで50勝(34KO)7敗4分。トリッキーな動きと回転の速い連打を武器とする人気選手であるが、J・ライト、ライト級での世界王座挑戦は失敗に終わっており、これはオスカー・デラ・ホーヤとWBO世界ライト級王座決定戦を行って2RでKOされた再起戦。個性的な髪型でリングイン。ヘッドスリップしながら接近し、やや振りが大きめの左右フックでボディ攻撃。エルナンデスはいつものようにジャブ、ワンツー。ただ、拳を痛めがちなのが原因なのかどうかは不明だが、パンチが軽い印象。パエスの方が思い切って打っている分、力強く見えるシーンも。時折右ストレート、フックをヒットさせるパエスだが、エルナンデスはディフェンスが固い。5R、パエスがロープをつかんでレフェリーから注意。8R開始早々、リング上になぜかパエスのマウスピースが(口には入っていた模様。スペアのもの?)。8R終了後、パエスが棄権。バッティングでできた左目付近のキズが原因と思われる。スッキリしない結末ではあったが、エルナンデスが鋭いジャブとディフェンスで勝利。この後、エルナンデスがオスカー・デラ・ホーヤの持つWBO世界ライト級王座に挑戦することが決定。WBA世界J・ライト級王座を返上して二階級制覇を狙ったが鼻骨を骨折。棄権してTKO負け。プロ初黒星となった。)
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