2022年6月23日木曜日

「韓国の鷹」張正九①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

WBC世界J・フライ級王者。速いワンツーが武器。世界王座を目指す戦い。アルフォンソ・ロペス戦、アマド・ウルスア戦、イラリオ・サパタ戦(初戦・再戦)を紹介します。

張正九(韓国)

身長161cm:オーソドックス(右構え)

張正九 3R KO アルフォンソ・ロペス

(フライ級戦、1981年)

(ダウンシーン)

2R:左フックで2度、ロペスがダウン

3R:連打でロペスがダウン

(感想:「韓国の鷹」と呼ばれた張正九。WBC世界J・フライ級王座を獲得し、15連続防衛。具志堅用高が作ったJ・フライ級王座連続防衛記録「13」を抜いた。張は釜山の生まれ。周りの友人たちに勧められてボクシングを始めた、という。17歳でプロデビュー。連戦連勝。「本物のボクサー」になるため、実力者を選んでキャリアを積む。ロペスはパナマの選手。WBA世界フライ級王座を獲得(1976年)。王座陥落後はイラリオ・サパタに勝利したり、具志堅用高、金煥珍のWBA世界J・フライ級王座に挑戦したり(いずれも敗北)。この試合はロペスにとって金煥珍に敗れた再起戦でもある。この頃はまだパーマ頭ではなかった張(天然パーマかと)。フットワーク、速いジャブ、右ストレート。ロペスはガードを上げてジャブ、ワンツー。共に右ストレートを当てようとする。接近戦ではフックでの打ち合い。2R、荒々しく攻める張。右ストレートからの左フック(? 角度的によく見えなかった。たぶん、左フックだと思う)でロペスをダウンさせる。さらに左フックで二度目。3R、フック連打でロペスがダウン。立ったがカウントアウト。振りが大きいフックで張が元世界王者に快勝。多少カウンターを打たれたが、タフネスで押し切った。ロペスは全盛を過ぎていた模様。攻められて踏ん張りが利かなかった。)


張正九 10R 判定 アマド・ウルスア

(フライ級戦、1982年)

「韓国の鷹」張正九①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

6R:右ストレートでウルスアがダウン

(感想:ウルスアはメキシカン。あのイラリオ・サパタを2RでKOしてWBC世界J・フライ級王座を獲得したパンチャー。しかし、意外にも初防衛戦で友利正に15R判定負けで王座陥落。共に似た体格、構え方でジャブを飛ばす。右ストレート、ワンツーにキレがある張。ウルスアは得意の左フックをパワフルに振るう。接近戦では互いに左右フックでガチャガチャした打ち合い、もみ合い。張の精力的な攻めでウルスアは次第に受け身に。6R、右ストレートでウルスアがダウン。判定は3-0。張が後の試合でも見せる攻撃力で勝利。ダッキングでウルスアの強打を巧くかわした。この時点で既に世界王者級の実力があった張。標的は世界王座のみ。)


イラリオ・サパタ 15R 判定 張正九

(WBC世界J・フライ級タイトル戦、1982年)

「韓国の鷹」張正九①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:サパタがタイトル防衛。パナマのサウスポー、サパタ。これまで20勝(10KO)2敗。友利正を破って王座返り咲き。張はこれが世界初挑戦。デビュー以来、18連勝(9KO)。スラリとした体型のサパタが距離を取って右ジャブ、左ストレート。張は相手の懐に飛び込もうとするが、スウェーやクリンチで攻撃をかわされてしまう。それでも攻める張。右ストレート、左右フック、ボディ連打。サパタはディフェンスしながらガードの隙を突く左右フック攻撃。中盤あたりから勢いが落ちる張。前進するが、相手に体を預けるような体勢になったり、クリンチしたり。判定は2-1。ダウンシーンも無ければ、どちらかが一方的に打たれるシーンも無く、採点が難しそうな試合だった。ジャッジにはサパタのロングのパンチの方が見た目が良かったように感じられたのではないかと思われる。サパタのパンチは振りは大きめだが、遠心力とキレがあった。)   


張正九 3R TKO イラリオ・サパタ

(WBC世界J・フライ級タイトル戦、1983年)

「韓国の鷹」張正九①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

3R:サパタがスタンディングダウン

(感想:張がタイトル獲得。再戦。前回と同じように左右フックで前に出る張。サパタは右ジャブと左ストレートで迎え撃つ。張の攻めにアウトボクサーのサパタが打ち合いに応じる。3R、スタンディングダウンをとられたサパタ。カウント中に棄権した。サパタは倒しに行くのではなく、当てるパンチでポイントをとるタイプ。勢いのある張を止められないと思ったのではないか? タイトルを獲得した張。この試合から長い時代を築くことに。サパタも階級を上げてWBA世界フライ級タイトルを獲得。日本で穂積秀一の挑戦を斥けるなどの活躍を見せた。)

張正九②

ヘルマン・トーレス戦(初戦)、ソット・チタラダ戦(初戦)、渡嘉敷勝男戦

張正九③

倉持正戦、ヘルマン・トーレス戦(再戦)、フランシスコ・モンティエル戦(初戦)

張正九④

ヘルマン・トーレス戦(三戦目)、フランシスコ・モンティエル戦(再戦)、大橋秀行戦(初戦)、エフレン・ピント戦

張正九⑤

アグスチン・ガルシア戦、イシドロ・ペレス戦、大橋秀行戦(再戦) 

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