2022年6月25日土曜日

「韓国の鷹」張正九⑤「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

WBC世界J・フライ級王者。順調に防衛を続ける張。強敵の挑戦を受ける。アグスチン・ガルシア戦、イシドロ・ペレス戦、大橋秀行戦(再戦)を紹介します。

張正九(韓国)

身長161cm:オーソドックス(右構え)

張正九 10R KO アグスチン・ガルシア

(WBC世界J・フライ級タイトル戦、1987年)

「韓国の鷹」張正九⑤「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

7R:左フックでガルシアがダウン

8R:左ボディフックでガルシアがダウン

10R:右アッパーでガルシアがダウン

(感想:張がタイトル防衛。ガルシアはコロンビアの黒人選手。コロンビアのJ・フライ級王座を獲得したことがあり、ロドルフォ・ブランコ(後にIBF世界フライ級タイトルを獲得)とは一勝一敗の実力者。スラリとした体からジャブを伸ばすガルシア。ワンツー、左フック、左アッパーといった左のテクニックを見せる。張はジャブを使って前進し、左右フック、ボディ打ち(いつものパターン)。テクニックはあるが、パワーに欠けるガルシア。接近戦を避けようとクリンチ。7R、左フックでガルシアがダウン。8R、ロープ際での左ボディでガルシアがダウン。10R、追い込まれたガルシアが右アッパーでダウン。ダウンと同時にレフェリーは試合を止めた。張がラッシングパワーとボディ打ちで快勝。ガルシアは器用さはあったが、張をKOするような破壊力は無かった。後、ガルシアは金奉準と空位のWBA世界ストロー級タイトルを争ったがTKO負け。世界を獲ることはできなかった。)


張正九 12R 判定 イシドロ・ペレス

(WBC世界J・フライ級タイトル戦、1987年)

「韓国の鷹」張正九⑤「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

1R:左フックで張がダウン

(感想:張がタイトル防衛。ペレスはメキシカン。メキシコのJ・フライ級王座を獲得したことがあるが、フランシスコ・モンティエル(張に二度挑戦していずれも判定負け)、ウィリー・サラサール(後、柳明佑のWBA世界J・フライ級王座に挑戦して判定負け)に負けているのが気になるところ。1R、実に積極的で好戦的なペレス。スリムな体からジャブ、ワンツー、左フック、左ボディ打ち(カルロス・サラテのようなスタイル)。ガードの隙を突く左フックで張をダウンさせる。接近戦でも力強いペレス。左右フックで一歩も譲らない打撃戦。打たれながらも前に出る張は単発的にストレート、フックをヒットさせる。離れた距離ではペレス。ジャブ、左フックでカウンター。12R、右アッパーを食って張が後退。判定は3-0。ジャッジの二人が1ポイント、2ポイント差のクロスゲーム。張がタフネス、攻めの姿勢でギリギリの勝利。張の防衛戦を全て観たわけではないが、ペレスが一番強いチャレンジャーだったのではないか? 後、ペレスは王座決定戦でWBO世界フライ級タイトルを獲得。)


張正九 8R TKO 大橋秀行

(WBC世界J・フライ級タイトル戦、1988年)

「韓国の鷹」張正九⑤「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

3R:左フック、右アッパー、右ストレートで3度、大橋がダウン

7R:右ストレート、連打で2度、大橋がダウン

8R:右アッパーで2度、大橋がダウン

(感想:張がタイトル防衛。大橋との再戦。大橋はガードを上げた「のぞき見スタイル」で、一発一発パワーを込めて打つ。張は手数と左フック。3R、大橋が三度ダウンして一方的な展開に。完全に終わったと思われたが、ラウンド終了間際、大橋の右ストレートのカウンターで張が大きくグラつく。それまでのダメージが回復したかのように猛然と攻めていく大橋。その後は激しい打ち合いが続いたが、最後は大橋がダウンを繰り返し、レフェリーが試合を止めた。後にWBC、WBA世界ストロー級王者になる大橋に張が再戦でも圧勝。これで15連続防衛。その後、家庭の問題により張は王座を返上。結果的に大橋戦が最後の防衛戦となった。ブランクを作った後、カムバック。ウンベルト・ゴンザレス(WBC世界J・フライ級王座:かつて自身が持っていたベルト)、ソット・チタラダ(WBC世界フライ級王座)、ムアンチャイ・キティカセム(WBC世界フライ級王座)に敗れ、世界王座復帰ならず。張はガチャガチャした打ち方をする選手。連打の回転が速く、タフであった頃はその戦い方で勝つことができたが、全盛を過ぎてしまったらそのパターンでは勝てなくなってしまった。張と比較されることが多い柳明佑(WBA世界J・フライ級王者)。どちらも異常にタフで手数が多い。全盛期に戦っていたらどんな試合になっていただろう?)

張正九①

アマド・ウルスア戦、イラリオ・サパタ戦(初戦・再戦)

張正九②

ヘルマン・トーレス戦(初戦)、ソット・チタラダ戦(初戦)、渡嘉敷勝男戦

張正九③

倉持正戦、ヘルマン・トーレス戦(再戦)、フランシスコ・モンティエル戦(初戦)

張正九④

ヘルマン・トーレス戦(三戦目)、フランシスコ・モンティエル戦(再戦)、大橋秀行戦(初戦)、エフレン・ピント戦

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