2022年6月23日木曜日

「タイのストレートパンチャー」セーン・ソー・プロエンチット④「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

WBA世界フライ級王者。世界王座防衛戦とその後。アレクサンドル・マムトフ戦、ホセ・ボニージャ戦、アルト・マシムバエフ戦、辰吉丈一郎戦を紹介します。

セーン・ソー・プロエンチット(タイ)

身長168cm:オーソドックス(右構え)

セーン・ソー・プロエンチット 12R 判定 アレクサンドル・マクムトフ

(WBA世界フライ級タイトル戦、1996年)

「タイのストレートパンチャー」セーン・ソー・プロエンチット④「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:セーンがタイトル防衛。WBA7位のマクムトフはロシア人。これまでWBCの地域王座などを獲得。ブロックしながらジャブ連打。リズムの取り方や後ろ姿がユーリ・アルバチャコフに似ている。セーンはジャブ、左フックからの右ストレートといったコンビネーション。パンチを当てる器用さを見せるマクムトフ。右カウンター、左フックをヒットさせる(2R、3Rほか)。しかしながら、ポイント上はセーン。慎重な構えのマクムトフに対し、セーンがジャブで先手を取り、手数が多い。8R、セーンが連打、激しい打ち合い。判定は大差の3-0。ポイントでは大きな差がついたが、これは実力差ではない。手数で優位に立つ「プロの試合運び」でセーンが勝利した。後、マクムトフは欧州フライ級王座を獲得したが、オマール・ナルバエスの持つWBO世界フライ級王座への挑戦は失敗。世界には手が届かなかった。)


ホセ・ボニージャ 12R 判定 セーン・ソー・プロエンチット

(WBA世界フライ級タイトル戦、1996年)

「タイのストレートパンチャー」セーン・ソー・プロエンチット④「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:ボニージャがタイトル獲得。WBA11位のボニージャ。WBAの地域王座やベネズエラ・フライ級王座を獲得しているが、日本でもおなじみのヘスス・ロハス、ロセンド・アルバレス(リカルド・ロペスとの試合で有名。来日して世界王座をKO防衛したことも)にはTKO負けしている。セーンがジャブ、ワンツー、左フック。ボニージャは慎重にディフェンスしながらジャブ、右ストレート、左フックからの右ストレートといったコンビネーション。ジャブをかわすボニージャ。右でカウンターし、パワフルな左ボディ打ち。最後は激しく打ち合って12R終了。判定は3-0。セーンはいつもとあまり変わらない動き。ボニージャがディフェンスとパンチを当てる巧さで勝利した。後、ボニージャは日本で井岡弘樹、山口圭司をKOして王座防衛。なかなかの強さを見せたが、王座陥落後しばらくして喘息の発作により死去(34歳)。)


セーン・ソー・プロエンチット 10R 判定 マラト・マシムバエフ

(バンタム級戦、2000年)

「タイのストレートパンチャー」セーン・ソー・プロエンチット④「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:王座陥落後も現役を続けるセーン。カザフスタンのマシムバエフと対戦。マシムバエフはこれがプロデビュー戦。共にガードを上げてジャブ。攻めるセーン、応戦するマシムバエフ。左フック、左ボディ、フック連打などで自在に打ちまくるセーン。手が出ないマシムバエフは足を使って逃げ、「打ち合え」とレフェリーから警告を受ける(7R、9Rほか)。判定は3-0。まるで格下とのスパーリングのような試合ぶりだったセーン。できれば消極的な相手をKOして欲しかったところではあるが、セーンはハードパンチャーというわけではないため、この結果はまずまずといったところ。マシムバエフは時折、左フック、ショート連打で反撃していたが、押されっぱなしだった。そんなマシムバエフ。後、IBAのスーパーフライ級王座を獲得。)


辰吉丈一郎 6R TKO セーン・ソー・プロエンチット

(バンタム級戦、2002年)

「タイのストレートパンチャー」セーン・ソー・プロエンチット④「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:セーンが来日。セーンはスーパーフライ級でWBA2位、WBC5位にランク。これまで43勝(14KO)1敗。バンタムの辰吉と勝負。セーンは元はフライ級であるが背が高いため、体格差は感じられない。ジャブの打ち合い。セーンは長いパンチ、辰吉はショート連打。手数で辰吉が勝り、右ストレート、左ボディをヒットさせる。5R、左フックで足に来たセーン。辰吉が一気に連打。6R、再び左フックを食ったセーン。連打を浴びてレフェリーストップ。まだ続行できたようにも見えたが、セーン陣営はストップに不満はない様子だった。良い右ストレートを打っていたセーンだが、回転の速い連打で辰吉が勝利。セーンは次の試合にも敗北し、引退。王座を失った後、一度も世界戦が無かったのが不思議。キレのあるワンツーを見せていた王者時代が彼のベストだろう。)

 セーン・ソー・プロエンチット①

デビッド・グリマン戦、ヘスス・ロハス戦、アキレス・グスマン戦

金容江戦、ダニー・ヌネス戦、エバンヘリオ・ペレス戦

井岡弘樹戦、張英淳戦、レオ・ガメス戦

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