2022年6月26日日曜日

「ソナギ(夕立)パンチ」柳明佑①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

WBA世界J・フライ級王者。タフネス&連打。世界王座を目指す戦い&防衛戦。孫五空戦、ジョーイ・オリボ戦、喜友名朝博戦を紹介します。

柳明佑(韓国)

身長163cm:オーソドックス(右構え)

柳明佑 7R KO 孫五空

(フライ級戦、1985年)

「ソナギ(夕立)パンチ」柳明佑①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

2R:孫が2度、スタンディングダウン

7R:左ボディフックで孫がダウン

(感想:「ソナギ(夕立)パンチ」と呼ばれる激しい連打で有名な柳明佑。WBA世界J・フライ級王座を獲得し、17連続防衛(通算では18度の防衛)。その勇敢なファイトぶりに地元のファンは彼を「小さな猪」と呼んでいたらしい。ソウル生まれ。サッカーと野球を好む少年時代だったが、背が低いためボクサーに。アマチュアでのキャリアはわずか三試合(2勝1敗)。18歳でプロデビューして以来、連戦連勝であったが、最初の13試合は全て判定勝ち。日本へ移籍する話もあったが「パンチのない選手はいらない」と日本のジムに断られた、というのは有名なエピソード。真面目で練習熱心。東洋太平洋J・フライ級王座を決定戦で獲得。相手の「孫五空」はリングネームであり、本名ではない。タフネスとパワーで勝負する選手。足を使ってジャブを打つ柳。左手でこめかみ付近をガードする独特のディフェンス。孫はジャブ、そして思い切った打ち方で右ストレート、左右フック。2R、激しい打ち合い。柳は右ストレート、孫は左右フック。柳のショートパンチがヒットして、孫がスタンディングカウントを聞く。連打を浴びて孫が再びダウンしたが、レフェリーはこれをダウン扱いせず(なぜ?)。さらに連打で孫がスタンディングダウン。4Rにも激しい打撃戦。柳が左でボディ打ち。力強い孫だがパンチの振りが大きいためディフェンスされ、有効打ではショートパンチの柳が上回る。6R、孫が連打されて後退。7R、左ボディで孫がダウン。立ったがカウントアウト。柳が連打、ディフェンス、タフネスで激戦を制した。孫は強かったが、攻めるときに隙があった。国内の強敵を倒した柳。東洋太平洋J・フライ級王座を返上。次の対戦相手は世界王者ジョーイ・オリボ。後、孫は穂積秀一に判定勝ちするなどの実績を上げたが、タイトルを獲得することもなくキャリアを終えた。「柳明佑に借りを返したい」と語っていたようだが、再戦は無かった。)


柳明佑 15R 判定 ジョーイ・オリボ

(WBA世界J・フライ級タイトル戦、1985年)

「ソナギ(夕立)パンチ」柳明佑①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:柳がタイトル獲得。「15R制」だった時代の試合。柳が地元・韓国で初の世界挑戦。オリボはスラリとした長身選手で、フットワークを使いながらジャブを打つキレイなスタイル。柳はケンカみたいにしつこく左右フックで追いかける作戦。柳が前に出て、オリボが応戦するパターンが15R続き、判定へ。2-1で柳。柳が打たれ強さと攻める姿勢で勝利。オリボはキレイなボクシングをしていたが(個人的には好みのスタイル)、柳を止めるにはパワー不足だったか。ここから柳の長い時代が始まる。)


柳明佑 12R KO 喜友名朝博

(WBA世界J・フライ級タイトル戦、1986年)

「ソナギ(夕立)パンチ」柳明佑①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

1R:左フックで喜友名がダウン

12R:左フック、連打で2度、喜友名がダウン

(感想:柳がタイトル防衛。ホセ・デ・ヘススを15R判定で下して初防衛に成功した柳。これが二度目の防衛戦で、これまで20戦全勝。しかしKO勝ちはたったの4つ。意外なことにこれが初めての日本人選手との対戦。WBA4位の喜友名は15勝(7KO)1敗。1R、左をリズミカルに使う喜友名だが、左ショートフックでダウン。ダウンを奪ったことで自信を持ったのか、柳は前に出てプレッシャーを強める。喜友名は速いジャブ、連打で応戦。9Rからはボディ攻撃などで柳が完全に優勢に。12R、二度のダウンで終了。柳が連打、スタミナ、打たれ強さで勝利。喜友名は左が器用でスピードもあったが、KOするパワーに欠けていた。)


マリオ・デマルコ戦(初戦)、ベネディクト・ムリーリョ戦、ロドルフォ・ブランコ戦

ホセ・デ・ヘスス戦(再戦)、ウディン・バハルディン戦、小見山カツミ戦、徳島尚戦

レオ・ガメス戦(初戦・再戦)、カートコン・デンプータイ戦

井岡弘樹戦(初戦・再戦)、細野雄一戦(ラストファイト) 

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