2024年1月2日火曜日

「長身サウスポー」マイケル・ナン④「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」 

世界ミドル、S・ミドル級王者。世界王座陥落後。アール・バトラー戦、セシル・マッケンジー戦ほかを紹介します。

マイケル・ナン(アメリカ)

身長185cm:サウスポー

マイケル・ナン 10R 判定 アール・バトラー

(L・ヘビー級戦、1995年)

「長身サウスポー」マイケル・ナン④「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:スティーブ・リトルにWBA世界S・ミドル級王座を奪われたナン。王座奪回を目指して新王者フランク・ライルスに挑戦したが、判定負け。階級を上げて再スタート。これまで43勝(28KO)3敗。年齢は32。14勝(6KO)5敗2分のバトラー(28歳)はアリゾナ州の黒人。アンソニー・ヘンブリック戦、北米王座戦(L・ヘビー級)に敗れている中堅どころ。このところ勝ち星に恵まれていない。イリノイ州モリーンでの一戦(会場では俳優ミスターTが観戦。以前もナンの試合を観に来ていた。交流があると思われる)。共にスキンヘッド。足でリズムを取ってジャブ。ナンは以前と同じ。サウスポーのテクニックで勝負。右ジャブ、長い左ストレート。バトラーは右ストレート、接近してパワフルなフック。良いパンチを打つバトラーだが、ブロックなどでディフェンスされてしまう。ナンが隙を突くパンチでポイントを取る流れで10R終了。判定は3-0。ナンがテクニックで勝利。しかしながら、パンチが軽く、重量級の試合にしては迫力に欠けていた。バトラーは残念。当てるテクニックに欠けていたか。その後、バトラーは再起戦でトーマス・ハーンズに判定負け。ジェームス・トニー(ナンに初黒星を付けた男)とWBU王座(L・ヘビー級)を争ってTKO負け。その次の試合でWBF王座(スーパーミドル級)を獲得。名のある選手と戦い、王座も獲ることができた。)


マイケル・ナン 4R TKO セシル・マッケンジー

(L・ヘビー級戦、1995年)

「長身サウスポー」マイケル・ナン④「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:ナンのプロ49戦目。マッケンジーはカリフォルニア州サンノゼ出身の黒人。これまで8勝(5KO)4敗。フランク・ライルスにTKO負けしたが、その後、北米王座(スーパーミドル級)を獲得、防衛。ラスベガスでの一戦(会場ではジェームス・トニーが観戦。TV実況席にはマイク・タイソン戦を数日後に控えたピーター・マクニーリー)。体格で上回るナン。速い右ジャブ、細かい連打。マッケンジーはパワーがある。接近戦で左フックからの右ストレートといったコンビネーション。1Rに右フックをヒットさせる。しかしながら、試合はディフェンス&連打でナン。マッケンジーは空転し、3Rに目を負傷。4R、マッケンジーが連打を浴びたところでレフェリーストップ。ナンが目を痛めた相手に細かい連打をまとめて勝利。マッケンジーは惜しい選手。もう少しテンポ良く連打できれば、といったところ。その後、マッケンジーはWBF王座に挑戦して敗北、引退。カムバックして連勝。最後の相手は西島洋介。空位のカリフォルニア州クルーザー級王座を懸けて戦い、2RでKO勝ちした。)


マイケル・ナン 10R 判定 チャールズ・オリバー

(L・ヘビー級戦、1995年)

「長身サウスポー」マイケル・ナン④「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:ナンのプロ50戦目は「トップランク・ボクシング」(かつて「トップランク社」のボブ・アラムにプロモート契約を解除されたことがあるナン。アラムの興行に出場)。オリバーはミズーリ州の黒人。デビューから無敗だったが、グラシアノ・ロッシジャーニにTKOで初黒星。以来、負けが目立つ。カリフォルニア州インディオでの一戦。左右の構えは違うが、似たタイプの二人。パワーがあまり感じられないジャブ。ナンが攻めの姿勢で右ジャブ、左パンチ。オリバーもジャブを出すが、受け身で手数が少ない。接近戦。連打のナン。オリバーは右ストレート、フック、右アッパーに良いものがあるが、ディフェンスされる。7R、ナンの左ボディ打ちでオリバーは顔をしかめる。左パンチを食って右目が腫れていくオリバー。10R終了。判定は3-0。ナンがサウスポーのテクニックで勝利。共にパワー不足。その後、オリバーはジェームス・トニー、アントニオ・ターバー、ダレル・スピンクス(レオンの息子)に敗北するなど勝ったり負けたり。実力のある選手には勝てない選手だった。)


マイケル・ナン 8R KO エベラルド・アルメンタ

(クルーザー級戦、1996年)

「長身サウスポー」マイケル・ナン④「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

8R:連打でアルメンタがダウン

(感想:NABO王座(S・ミドル級)を決定戦で獲得したナン。その王座を返上。これまで48勝(30KO)3敗、33歳。21勝(20KO)7敗のアルメンタ(27歳)は元メキシコ王者(ミドル級)。ダリウス・ミハエルゾウスキーのWBO世界ライトヘビー級王座に挑戦したときはKO負け。ナンのかつてのライバル、フランク・テートにはTKO負けと判定負け。テキサス州ヒューストンでの一戦。共にサウスポー。ナンはやはり身体が重そう。右ジャブを中心とした軽いボクシング。やや重みが増したパンチ(右フック、左ストレート、左アッパーなど)で連打。アルメンタは左ストレート、接近してフック。パンチ自体は悪くはないが、攻めが単発。ナンは右フックに巧さを見せるが、2Rに左ストレートを食って後退。その後もナンが細かい連打。アルメンタは受け身。8R、連打でアルメンタがダウン、10カウント。ナンが手数で勝利。重量級にしては物足りないが、当てる巧さ、ディフェンスのテクニックがあった。その後の二人。アルメンタはブランクを作りながら数試合をこなしてキャリア終了。ナンは北米L・ヘビー級王座を獲得。そしてグラシアノ・ロッシジャーニとWBC世界L・ヘビー級暫定王座の決定戦を行ったが、判定負け。その後は負け無しだったが、大きなトラブル。2002年、麻薬密売で逮捕。長期の懲役刑。2019年に釈放。いつから薬物を扱うようになったのかはわからないが、常習犯だったとのこと。世界王者になり、全米から注目される大きな試合にも出た選手にしては寂しい話である。) 

マイケル・ナン①  

スティーブ・ジョンソン戦、ジョン・ボーマン戦、セルヒオ・カンポス戦、ラリー・デービス戦、マルコス・ヘラルド戦

マイケル・ナン② 

フランクリン・オーエンス戦、ケビン・ワッツ戦、アイラン・バークレー戦、マーロン・スターリング戦

マイケル・ナン③

ランドール・ヨンカー戦、ダニー・モーガン戦、クロフォード・アシュレー戦、スティーブ・リトル戦

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