2023年12月31日日曜日

「長身サウスポー」マイケル・ナン②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」 

世界ミドル、S・ミドル級王者。北米王座戦&IBF王座戦。ケビン・ワッツ戦、アイラン・バークレー戦ほかを紹介します。

マイケル・ナン(アメリカ)

身長185cm:サウスポー

マイケル・ナン 9R TKO フランクリン・オーエンス

(ミドル級戦、1987年)

「長身サウスポー」マイケル・ナン②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

5R:右フックでオーエンスがダウン

8R:左ボディでオーエンスがダウン

(感想:連戦連勝のナン。アレックス・ラモスに勝利してカリフォルニア州ミドル級タイトル獲得。プロ25戦目の相手オーエンスはオクラホマの選手。ルイジ・ミンキロ、マシュー・ヒルトンといった実力者に敗れている。ラスベガスでの一戦。黒のトランクスのナン。オーエンスは白で、見た目がジョン・ムガビ風。足を使って距離を取りながらジャブ。そして右ストレート、フックで攻めるがバタバタした動きで攻めるときのバランスが良くない(つんのめるような感じ)。そんなオーエンスを右ジャブ、左ストレートで迎え撃つナン。5R、左フックからの右フックでオーエンスがダウン。8Rには左ボディでダウン。9R、オーエンスの左目の腫れをドクターチェック。試合終了。ナンが正確な細かいパンチで勝利。オーエンスはよく攻めたが、攻撃の正確さに欠いた。その後のオーエンス。マイケル・オラジデ、マイケル・ワトソンに敗北。中堅どころに終わったが、実力者と戦えてよかったのでは?)


マイケル・ナン 12R 判定 ケビン・ワッツ

(北米ミドル級タイトル戦、1988年)

「長身サウスポー」マイケル・ナン②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

5R:連打でワッツがダウン

(感想:ナンがタイトル初防衛。ダーネル・ノックスに決定戦で勝利して北米ミドル級王座を獲得したナン。これが初防衛戦。挑戦者ワッツはニュージャージー州の選手。ニックネームは「Killer」。フランク・テートに2-0で判定負け。王座戦はこれが初めて。カリフォルニア州リシーダでの一戦。基本的なスタイルを確立しているナン。右ジャブ、左ストレート。パンチは軽いが、手数を出す。ワッツはボクサータイプ。ブロックしながら距離を取ってジャブ、ワンツー。接近戦では互いにストレート、フック。基本的に距離を取りたいワッツは受け身の姿勢。ナンは攻めの姿勢で連打。4R、ワッツがナンを挑発(ふざけた動き)。5R、連打でワッツがダウン。その後もナンが手数で優勢。ワッツは守りながらも打ち返す。ただ、強いパンチだが、一貫しない中途半端な攻め。11R、ワッツの右ストレートがヒット。12R終了。判定は3-0。ナンがディフェンシブな相手に手数で勝利。しかしながら、右手で相手を押さえて打つ反則が見られるなどあまり良い試合ではなかった印象。ワッツは中途半端な戦いぶり&ふざけた挑発。勝てば上に行ける重要な試合でその態度はいただけない。その後、ワッツは再起戦でトニー・ソーントンを破って全米ミドル級王座獲得。しかし、初防衛に失敗。次いで北米ミドル級王座獲得。しかし、初防衛に失敗。世界挑戦のチャンスは無かった。)


マイケル・ナン 12R 判定 アイラン・バークレー

(IBF世界ミドル級タイトル戦、1989年)

「長身サウスポー」マイケル・ナン②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:ナンがタイトル防衛。アマチュア時代のライバルであるフランク・テートを下してIBF王者になったナン。ファン・ドミンゴ・ロルダン、スンブ・カランベイを下して二度の防衛成功。ナンをバックアップしているボブ・アラムも満足。これからはナンの時代、といった状況に。挑戦者バークレーはブロンクス出身の強打者。実に荒々しい攻撃をする男で、トーマス・ハーンズをKOしてWBC世界ミドル級王座獲得。しかし、初防衛戦でロベルト・デュランに判定負け、王座陥落。その再起戦でナンに挑戦。実は目を痛めているバークレー。この試合でその影響が出るのかどうか。ネバダ州リノでの一戦(会場ではデュラン、俳優ミスターTが観戦)。荒っぽいバークレー。右ストレート、必殺の左フックを振るう。ナンはジャブ、ストレート、フックで応戦。左アッパーからの右フックといったコンビネーションも入れる。接近戦。フックで打ち合い。打たれながらも攻めるバークレー。ナンはこれでは不利になると考えたか、距離を取ってジャブ、カウンター作戦。中盤以降は特に足をよく使うナン。バークレーは時折パンチを当てるが、逃げられてしまう。12R終了。判定は2-0。ナンがアウトボクシング、パンチの正確さで勝利。バークレーはあまり器用なタイプではない。強打が炸裂しないときはこういった負け方をする。防衛に成功したナンだが、その試合ぶりにアラムが激怒。プロモート契約解除。元々ナンはそれほどパンチが無い。タフな強打者バークレーを巧くさばいた、と個人的には思うが、アラムはナンに対して厳しい態度を取った。その後のバークレー。ナイジェル・ベンのWBO世界ミドル級王座に挑戦して1RでKO負け。ダーリン・バン・ホーンをKOしてIBF世界S・ミドル級王座獲得。トーマス・ハーンズとの再戦に勝利してWBA世界L・ヘビー級王座獲得、三階級制覇。「危険なパンチャー」であることを証明。ナンがバークレーとの打ち合いを避けたのは賢明だった、ということか。) 


マイケル・ナン 12R 判定 マーロン・スターリング

(IBF世界ミドル級タイトル戦、1990年)

「長身サウスポー」マイケル・ナン②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:ナンがタイトル防衛。四度目の防衛戦。89年4月にバークレーを下したナン。試合間隔が空いて、この90年初試合は4月。挑戦者スターリングはベテランでWBC世界ウェルター級王者(WBA王者だったこともある)。テクニシャンタイプだが、パンチもある。J・ミドル級を飛ばしてミドルに挑戦。ラスベガス「Mirage」での一戦(TV解説席にジェームス・ダグラス。マイク・タイソンをKOして世界ヘビー級王者になったばかり)。身長差がある二人。スターリングは例の「顔を隠すかのようなブロッキング」で前進。右ストレートを狙い、時折ヒットさせる。長身のナンは左カウンターなどで相手のガードの隙を狙う。連打するナンだが、スターリングはブロック。接近戦での打ち合い。体格差、階級差があるが、パワーは同じくらい。互いにディフェンスするため決定打を打ち込めない。手数でナンが試合の主導権を握る形で12R終了。判定は2-0。手数でナンが勝利したが、ジャッジの一人はドロー。スターリングの右ストレートを評価したようだ。できればナンに力強くKO防衛してほしかったところではあるが、共にディフェンシブなところがあるテクニシャンタイプ。ある程度予想できた結果。その後、スターリングは再起戦でモーリス・ブロッカーとWBC世界ウェルター級王座の防衛戦を行ったが判定負け、王座陥落。それが最後の試合となった。)

マイケル・ナン①  

スティーブ・ジョンソン戦、ジョン・ボーマン戦、セルヒオ・カンポス戦、ラリー・デービス戦、マルコス・ヘラルド戦

マイケル・ナン③

ランドール・ヨンカー戦、ダニー・モーガン戦、クロフォード・アシュレー戦、スティーブ・リトル戦

マイケル・ナン④ 

アール・バトラー戦、セシル・マッケンジー戦、チャールズ・オリバー戦、エベラルド・アルメンタ戦 

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