2024年1月3日水曜日

「消灯時間」ジェームス・トニー①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

世界三階級王者。ミドル王座防衛戦。レジー・ジョンソン戦、フランチェスコ・デラキラ戦、マイク・マッカラム戦(初戦)を紹介します。

ジェームス・トニー(アメリカ)

身長178cm:オーソドックス(右構え)

ジェームス・トニー 12R 判定 レジー・ジョンソン

(IBF世界ミドル級タイトル戦、1991年)

「消灯時間」ジェームス・トニー①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

2R:左フックでトニーがダウン

(感想:トニーがタイトル初防衛。ミシガン州出身のトニー。ニックネームの「Lights Out」とは「消灯」のこと(「電気を消して寝る」ように「トニーはパンチで相手を眠らせる」の意)。11歳の頃にボクシングを習ったが、その時は長続きせず。高校ではフットボールでちょっとしたスターに。その一方、ストリートギャングとしても活動し、違法行為も。「チーム競技には向いていない」ということでフットボールを辞めてボクサーに(彼が幼い頃に家庭を捨てて去っていった父もボクサーだったという)。アマチュアではそこそこ。プロでは連戦連勝。プロ7戦目の後、トニーの当時のマネージャーで麻薬売人だった男が射殺された。その後、クロンク・ジムの元広報担当者ジャッキー・カレンがトニーの新マネージャーに。運がさらに上昇。無敗のままIBF世界ミドル級王者マイケル・ナンに挑戦。当時ナンは全勝。トニー戦は軽くクリアすると思われたが、番狂わせのKOでトニーが新王者に。初防衛戦の相手は実力者。IBF1位の挑戦者ジョンソン(野球の「レジー・ジャクソン」に名前が似ている)はテキサス州ヒューストン出身の黒人サウスポー。12歳でボクシングを始め、アマチュアではトップクラス。しかしながら、ロス五輪(1984年)の代表を決める試合に敗北。それをきっかけにプロ入り。デビュー初期に判定負けを喫してしまったが、その後は全米ミドル級王座を獲得するなど好調。ラスベガス「ヒルトンホテル」での一戦。器用なジョンソン。まずは相手から距離を取ってディフェンス。そして右ジャブ、右フック、踏み込んで左ストレート、接近してボディ打ち。トニーはパワー。ジャブを連打し、ワンツー、左フックからの右ストレート。2R、タイミングのいい左フックでトニーがダウン。その後、受け身の姿勢のジョンソン。トニーは右ストレートに力強さがあるが、ディフェンスされるシーンも多い。6R、ジョンソンが左カウンターをヒットさせる。7R、トニーが右ストレート。8R、トニーが右ストレート、左右フックボディ連打。ジョンソンは右アッパー、左ストレート。攻めるトニー、受けに回るジョンソン。12R終了。判定は極めて僅差の2-1。勝ったと思ったジョンソンはガックリ。しかしながら、挑戦者にしては受け身の試合ぶり。トニーにはパワーがあった。その後、ジョンソンはスチーブ・コリンズを決定戦で破ってWBA世界ミドル級王座獲得(1992年)。1998年にはKO勝ちでIBF世界L・ヘビー級王座も獲得した。)


ジェームス・トニー 4R TKO フランチェスコ・デラキラ

(IBF世界ミドル級タイトル戦、1991年)

「消灯時間」ジェームス・トニー①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

1R:左フックでデラキラがダウン

4R:連打でデラキラがダウン

(感想:トニーがタイトル防衛。二度目の防衛戦。IBF7位の挑戦者デラキラはイタリアン。デビューから連勝でイタリア王座、欧州王座(いずれもミドル級)を獲得したが、スンブ・カランベイにTKO負けで欧州王座陥落。イタリア王座を奪回して、この初の世界挑戦。モナコでの一戦(レフェリーはアメリカのフランク・カプチーノ)。1R、実にパワフルなトニー。右ストレート、左フックでデラキラを襲う。デラキラはいかにもヨーロッパ人ボクサーらしいアップライトスタイル。ジャブ、ストレート、左フックの正統派。しかしながら、ディフェンスに甘さがあり、左フックでダウン。その後もトニーのパワフルな攻め。デラキラは右ストレートからの左フックといった武器を持っているが、押される。4R、猛烈な連打でデラキラがダウン。倒れると同時にレフェリーは試合を止めた。トニーが凄まじい強打で圧勝。マイケル・ナンやレジー・ジョンソンは相手の攻撃を巧くかわすタイプだったが、ディフェンスに難があるデラキラはトニーのパワーをマトモに受けることとなった。デラキラは悪い選手ではないが、普通すぎた。その後もデラキラはリングへ。しかし、欧州王座戦でKO負けして王座奪回ならず。)


ジェームス・トニー 12R 引分 マイク・マッカラム

(IBF世界ミドル級タイトル戦、1991年)

「消灯時間」ジェームス・トニー①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:トニーがタイトル防衛。三度目の防衛戦の相手はかなりの実力者。挑戦者マッカラムはジャマイカ出身で元WBA世界J・ミドル級、ミドル級王者。ジュリアン・ジャクソン、ドナルド・カリー、マイケル・ワトソン、スンブ・カランベイを破った星が光る。本来ならマッカラムのWBA王座、トニーのIBF王座を懸けた統一戦になるところだが、マッカラムがWBA王座剥奪。アトランチックシティ「コンベンション・ホール」での一戦(リングサイドではボブ・アラム、ドナルド・トランプが観戦)。ゴング前、マッカラムは自信と威厳にあふれる表情。トニーはやや緊張。似た戦い方をする二人。ジャブ、ワンツー、左フック。上体を巧く使ってディフェンス。パワフルなワンツーで攻めるトニー。マッカラムは左ジャブ、左フックといった左のテクニックで応戦。接近戦での打ち合い。一進一退。トニーの右パンチでマッカラムがクリンチするシーンも。10R、パンチでマッカラムのマウスピースが落下。12R終了。判定はドロー。個人的にはパワーでトニーが勝ったように映像では見えたが、ジャッジはマッカラムの左を評価したようだ。その後、二人はIBF王座を懸けて再戦する。)

ジェームス・トニー②

デーブ・タイベリ戦、グレン・ウォルフ戦、マイク・マッカラム戦(再戦)

ジェームス・トニー③

ダグ・デウィット戦、グレン・トーマス戦、モンテル・グリフィン戦、アーネスト・マーティン戦 

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