2023年12月3日日曜日

「豪快なワンツー」ルイシト・エスピノサ④「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

世界バンタム、フェザー級王者。世界王座防衛戦。マヌエル・メディナ戦(再戦)、ケネディ・マッキニー戦ほかを紹介します。

ルイシト・エスピノサ(フィリピン)

身長173cm:オーソドックス(右構え)

ルイシト・エスピノサ 8R 負傷判定 マヌエル・メディナ

(WBC世界フェザー級タイトル戦、1997年)

「豪快なワンツー」ルイシト・エスピノサ④「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:エスピノサがタイトル防衛。四度目の防衛戦。エスピノサが地元のリングに登場。挑戦者はWBC9位メディナ。前王者メディナが立場を入れ替える形でエスピノサに挑戦。マニラでの再戦(エスピノサのセコンドにジョー小泉)。足でリズムを取るメディナ。いつものようにジャブ、ワンツーで前へ。エスピノサは応戦。ジャブ、右ストレート、フック、連打。パワーと当てる巧さがある。攻めるメディナだが、かわされたりクリンチされたり。6R、エスピノサの右アッパーがヒット。8R、左フックでメディナがダウン(しかし、レフェリーはこれを「スリップ」扱い。映像ではパンチが当たったように見えたが)。そしてバッティングでエスピノサが出血。キズのチェック。負傷判定に。3-0でエスピノサ。消化不良な終わりだったが、エスピノサがパワーとパンチの正確さで勝っていた。メディナはパンチが軽い。そのまま12Rまでやっても3-0だっただろう。その後のメディナ。なかなかしぶとい男。IBF王座奪回、WBO王座奪取。長く防衛することはできなかったが、WBA以外の世界フェザー級王座を獲得できた。)  


ルイシト・エスピノサ 6R TKO カルロス・リオス

(WBC世界フェザー級タイトル戦、1998年)

「豪快なワンツー」ルイシト・エスピノサ④「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

1R:左フックでリオスがダウン

3R:右カウンターでリオスがダウン

5R:左フックでリオスがダウン

(感想:エスピノサがタイトル防衛。エスピノサがメディナ戦に続いて地元で五度目の防衛戦。WBC1位の挑戦者リオスはアルゼンチンの選手。これまで無敗。ただし、全て地元での試合。これが初の海外試合で初の王座戦。フィリピンでの一戦(エスピノサのセコンドにジョー小泉)。エスピノサがいつものように距離を取るためリオスは前進。接近して左右フックを連打するリオスだが、1Rから出血。ジャブを使わない粗い攻め。そして左フックでダウン。2R、慎重にディフェンスするエスピノサだが、バッティングされてダウン。再開後、接近戦に応じてエスピノサがピンチ。3R、見事な右カウンターでリオスがダウン。その後もリオスは当たらない形だけのジャブ。粗いフックは空を切る。5Rに左フックでダウン。6R、右クロスを使うエスピノサ。激しい連打でレフェリーストップに持ち込んだ。エスピノサが粗い相手に勝利。リオスは振り回すフックは迫力があったが、ディフェンスに甘さがあった。その後の二人。エスピノサに変化。ジョー小泉とのマネジメント契約を解消。リオスはフロイド・メイウェザー・ジュニアのWBC世界J・ライト級王座に挑戦して判定負け。南米フェザー級王座獲得。WBO王座への挑戦はTKO負け。世界王座には手が届かなかった。)


ルイシト・エスピノサ 2R KO ケネディ・マッキニー

(WBC世界フェザー級タイトル戦、1998年)

「豪快なワンツー」ルイシト・エスピノサ④「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

1R:左フック連打でマッキニーがダウン

2R:連打でマッキニーがダウン

(感想:エスピノサがタイトル防衛。フアン・カルロス・ラミレス(メキシコ)に負傷判定勝ちして六度目の防衛に成功したエスピノサ。これまで43勝(22KO)7敗。七度目の防衛戦は注目カード。挑戦者マッキニーはミシシッピ州出身の黒人。ソウル・オリンピック(1988年)バンタム級金メダルからプロ入り(実力は十分だが、薬物などのトラブルも)。プロではIBF・WBO世界J・フェザー級王座獲得。階級を上げて二階級制覇を目指す状況。カリフォルニア州で行われた共に右ストレートを武器とする者同士の一戦。1R、共にジャブ、右ストレート。前に出るマッキニー、迎え撃つエスピノサ。振りは大きいがキレのある左フックを振るうエスピノサ。右フックからの左フック連打でマッキニーがダウン。2R、またしてもエスピノサが右フック。さらに連打でマッキニーがダウン。倒れると同時にレフェリーは試合を止めた。恐ろしい左右フック乱打でエスピノサが圧勝。打ち合いになればエスピノサには打たれ弱さがあるためマッキニーにもチャンスはある、と思ったが無かった。これが最後の世界戦となったマッキニー。ブランク後、数試合やって引退。) 


セサール・ソト 12R 判定 ルイシト・エスピノサ

(WBC世界フェザー級タイトル戦、1999年)

「豪快なワンツー」ルイシト・エスピノサ④「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:ソトがタイトル獲得。順調に防衛を続けるエスピノサ。八度目の防衛戦はソトとの再戦。ソトは52勝(39KO)7敗。エスピノサとの初戦以来、連勝中。テキサス州エルパソでの一戦。左を使ってジリジリと前に出るソト。エスピノサは前回と同様、足を使うが打ち合いにも応じる。1Rからソトの左フックがヒット。エスピノサは手数は多いが、動きとパンチのキレに欠ける。そのためソトのフック連打に押される。終盤はフットワークとジャブ連打でややエスピノサが優勢か。判定は3-0。ソトのフック攻撃が評価されたと思われる。エスピノサがついに落城。終盤にやったような戦い方をしていれば初戦のように勝っていたかもしれないが、コンディションが良くなかった印象。むしろ打たれ弱さをカバーしながらよくこれまで戦ってきた、というべきか。ソトはただ振り回すのではなく、左フック連打からの右フックといったコンビネーションで攻めたのが良かったように見えた。その後の二人。新王者ソトはWBO王者ナジーム・ハメドと統一戦およびWBC王座の初防衛戦を行い、判定負け。王者としてほとんど活躍できず。エスピノサはソトに敗れた再起戦でグディ・エスパダス・ジュニア(メキシコ)とWBC世界フェザー級王座決定戦を行ったが、負傷判定で敗北。それが最後の世界戦に。二階級制覇王者のエスピノサ。バンタム級時代が彼のベストだと思うが、フェザー級でアレハンドロ・ゴンザレスをぶっ飛ばした試合は凄まじかった。「打たれ弱さ」&「伸びる強打」でスリリングな試合を提供。引退後は離婚したり、アメリカで雑多な仕事に就いたり。ボクシング・トレーナーの仕事もしているとのこと。)

カオコー・ギャラクシー戦、ハーリー・スニード戦、タルーンサク・シスボーベー戦、イスラエル・コントレラス戦

エデュアルド・ロハス戦、イブゲニー・ブルチャック戦、アレハンドロ・ゴンザレス戦(初戦)、岩佐智昭戦、ラウル・ペレス戦

マヌエル・メディナ戦(初戦)、アレハンドロ・ゴンザレス戦(再戦)、セサール・ソト戦(初戦)、平仲信敏戦

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