2023年12月2日土曜日

「豪快なワンツー」ルイシト・エスピノサ③「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

世界バンタム、フェザー級王者。二階級制覇&防衛戦。マヌエル・メディナ戦(初戦)、アレハンドロ・ゴンザレス戦(再戦)ほかを紹介します。

ルイシト・エスピノサ(フィリピン)

身長173cm:オーソドックス(右構え)

ルイシト・エスピノサ 12R 判定 マヌエル・メディナ

(WBC世界フェザー級タイトル戦、1995年)

「豪快なワンツー」ルイシト・エスピノサ③「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:エスピノサが二階級制覇。元WBA世界バンタム級王者エスピノサが二階級制覇にチャレンジ。王者メディナはメキシカン。ボクサータイプで、滑らかな動きをすることから「マンティカス(ラード、油)」と呼ばれる。トロイ・ドーシーを破ってIBF世界フェザー級王座を獲得して防衛にも成功したが、王座陥落。その後、強打者アレハンドロ・ゴンザレス(エスピノサをKOした男)に勝利してWBC王座獲得。エスピノサ戦は初防衛戦となる。後楽園ホールでの一戦(エスピノサのセコンドにジョー小泉、メディナにはチャック・ボダック)。共に28歳。ジャブを連打するメディナ。パンチは軽いが、とにかくしつこい。エスピノサは右ストレート、左フックを狙う。ジャブもパワフル。しかし、メディナは身のこなしが速い。連打をまとめるエスピノサだが、メディナは巧くかわして連打で反撃。4R、メディナの右ストレートがクリーンヒット。その後、メディナは手数(ジャブ連打、ワンツー、ボディ打ち)、エスピノサはブロック&強打。右目を腫らしながらもメディナが最後まで手数を出し、12R終了。判定は小差の3-0。エスピノサのパワーが評価されたようだ。採点が難しそうだった試合。一発のパワーはエスピノサだったが、メディナは積極的で手数が多かった。しかしながら、これはプロボクシング。「強いパンチ」を評価する世界。エスピノサの勝ちでよいと思う。評価が難しいメディナの戦い方。手数は多いが、パワーがどの程度なのか、どの程度クリーンヒットしているのかが映像ではわかりにくい。そういう選手の評価はリングサイドのジャッジに任せるしかない。結局、打たれ弱いエスピノサにとって軽打のメディナは倒される危険が少ない王者だった、というのが結論の試合。後に両者はこの王座を懸けて再戦。)

  

ルイシト・エスピノサ 4R KO アレハンドロ・ゴンザレス

(WBC世界フェザー級タイトル戦、1996年)

「豪快なワンツー」ルイシト・エスピノサ③「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

1R:左フックでゴンザレスがダウン(レフェリーはダウン扱いせず)

4R:右ストレートでゴンザレスがダウン

(感想:エスピノサがタイトル初防衛。因縁の再戦。初戦でKO負けしたエスピノサとしては世界王座を懸けた今回は絶対に負けられない。是非とも復讐したいところ。ゴンザレスは「元王者」として挑戦。マヌエル・メディナにWBC王座を奪われ、王座はメディナからエスピノサへ。新王者エスピノサに挑戦する形で再戦。メキシコで行われた試合(レフェリーはアーサー・マーカンテ)。1Rから打ち合い。いきなりゴンザレスがダウン(しかし、レフェリーはこれをダウン扱いせず。レフェリーの角度からはパンチがよく見えなかったようだ)。攻めるエスピノサだが、その後、あまり打たれ強くないためフットワークと速いジャブを使って距離を取る。ゴンザレスは左ボディフックが印象的。4R、右ストレートが効いたゴンザレス。さらに追い打ちの右ストレートでダウン。あまりにも痛烈なダウンだったため、そのまま試合終了となった。エスピノサが見事な勝ちっぷり(これが彼のベストファイトかも)。いかにも頑丈そうなゴンザレスを完全に破壊(実に凄まじいパワー)。ただ、パワーでは互角だが、エスピノサには打たれ弱さがある。今回はエスピノサが勝ったが、総合的にはややゴンザレスが上なのではないか? 後、ゴンザレスは再起戦に勝利後、引退。カムバックしてIBAのライト級王者に。マイナー路線ながらリングに上がり続けた。)


ルイシト・エスピノサ 12R 判定 セサール・ソト

(WBC世界フェザー級タイトル戦、1996年)

「豪快なワンツー」ルイシト・エスピノサ③「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:エスピノサがタイトル防衛。二度目の防衛戦。WBC1位の挑戦者ソトはメキシカン。プロデビュー戦は1RでKO勝ち。アルマンド・カストロ、ウィリー・サラサール(共に世界挑戦の経験アリ)といった実力者に勝利。ビクトル・ラバナレスには判定負け。初の世界挑戦はデューク・マッケンジーのWBO世界バンタム級王座(判定負け)。ルイ・エスピノサに勝利してNABOフェザー級王座を獲得するなど好調だったが、アレハンドロ・ゴンザレスとのWBC世界フェザー級王座挑戦者決定戦で判定負け。実力、タフさはあるが、「圧倒的」な存在ではない。敵地で二度目の世界挑戦。フィリピンでの一戦(大観衆)。レフェリーはアーサー・マーカンテ。フットワークで距離を取り、ジャブと右ストレートを狙うエスピノサ。ソトは動きはそれほど速くないが、ガードを上げて振りの大きいフックで前進。2R、ソトの右フックでエスピノサがグラつく。その後、エスピノサはフットワークを使ってジャブを連打する。攻めるソトだが、追いかけるスピードに欠けるため逃げられてしまう。判定は3-0。エスピノサが自分の距離を保って勝利。ソトは足(相手を追うスピード)が弱点。しかし、接近戦ではキレとパワーのあるフックを連打し、メキシカン特有の左ボディ打ちも悪くなかった。両者は後にこの王座を懸けて再戦。)


ルイシト・エスピノサ 8R TKO 平仲信敏

(WBC世界フェザー級タイトル戦、1996年)

「豪快なワンツー」ルイシト・エスピノサ③「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:エスピノサがタイトル防衛。三度目の防衛戦。WBC9位の挑戦者、平仲は元世界王者、平仲明信の弟。これまで16勝(10KO)1敗。日本フェザー級王座防衛後、エロイ・ロハス(ベネズエラ)のWBA世界フェザー級王座に挑戦したが判定負け。再起戦に勝利してこの二度目の世界挑戦。福岡での一戦。エスピノサのセコンドにジョー小泉、平仲には兄・明信。サウスポーの平仲。ブロックしながら前進し、左ストレート、右フック。しかしながら、1Rからエスピノサがパワーで優勢。しかも、平仲は出血(右手で相手をつかんで左パンチを出す反則も)。その後もエスピノサが長い右ストレート、左ロングフック、連打。平仲のショートパンチはかわされ、右目が塞がっていく。7R、平仲がキズのチェック。8R、エスピノサが右ストレート。そしてワンツーが入ったところでレフェリーストップ。エスピノサが接近戦を避けながら離れた位置からのパンチで勝利。平仲は細かいボクシング。パンチの伸びで勝負がついた。その後、平仲は東洋太平洋王座、日本王座(いずれもJ・ライト級)に挑戦したが勝てず。2000年、交通事故により死去。)

カオコー・ギャラクシー戦、ハーリー・スニード戦、タルーンサク・シスボーベー戦、イスラエル・コントレラス戦

エデュアルド・ロハス戦、イブゲニー・ブルチャック戦、アレハンドロ・ゴンザレス戦(初戦)、岩佐智昭戦、ラウル・ペレス戦

マヌエル・メディナ戦(再戦)、カルロス・リオス戦、ケネディ・マッキニー戦、セサール・ソト戦(再戦) 

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