IBF・WBO世界J・フェザー級王者。強豪との世界王座戦。マルコ・アントニオ・バレラ戦、ネストール・ロペス戦、ジュニア・ジョーンズ戦、ルイシト・エスピノサ戦を紹介します。
ケネディ・マッキニー(アメリカ)
身長170cm:オーソドックス(右構え)
①マルコ・アントニオ・バレラ 12R KO ケネディ・マッキニー
(WBO世界J・フェザー級タイトル戦、1996年)
(ダウンシーン)
8R:連打、右フックで2度、マッキニーがダウン
9R:連打でマッキニーがダウン
11R:右ショートフックでバレラがダウン
12R:連打、左ボディ、右フックで3度、マッキニーがダウン
(感想:バレラがタイトル防衛。実力が高く評価されているバレラに挑戦。バレラはこれまで39戦全勝(27KO)。マッキニーは28勝(17KO)1敗1分。マッキニーが丁寧にジャブ、そして右ストレートを狙う。バレラはストレートと連打。互いにジャブ、ストレートで強打する展開。8R、見事なコンビネーションブローでマッキニーがダウン。ダメージが大きいマッキニー。9Rにもダウン。11R、右ショートフックでバレラがダウン。ダウン応酬の激しい試合となったが最後はマッキニーが力尽きた。バレラはKOで勝ったが、パンチの振りが大きいため隙があった。マッキニーはジャブ、右をよく当ててダウンも奪った。どっちが勝ってもおかしくない激戦だった。)
②ケネディ・マッキニー 10R 判定 ネストール・ロペス
(J・フェザー級戦、1996年)
(感想:バレラに負けたカムバック戦で全米J・フェザー級王座を決定戦で獲得したマッキニー(IBF世界J・フェザー級3位)。メキシコの中堅どころロペスと対戦。タイトルを獲得したことが無いロペスだが、なかなかタフで勇敢。ジャブ、右ストレート、接近して右フック、メキシカンらしい左ボディ打ち。マッキニーは丁寧なジャブ。攻めるロペス、カウンターで迎え撃つマッキニー、といったパターンが続く。10R終了。共に勝利を確信しているような表情だったが、判定は2-1。よく頑張ったロペスだが、マッキニーはディフェンスも巧い選手。細かいジャブ、カウンターでマッキニーが辛くも競り勝った。後、ロペスはポーリー・アヤラ(後にWBA世界バンタム級王者に。辰吉との試合で日本でもおなじみ)らに負けるなど、大きな活躍はできなかった。)
③ケネディ・マッキニー 4R TKO ジュニア・ジョーンズ
(WBO世界J・フェザー級タイトル戦、1997年)
(ダウンシーン)
3R:連打でマッキニーがダウン
4R:右ストレートでジョーンズがダウン
(感想:マッキニーがタイトル獲得。ブヤニ・ブングにIBF王座を奪われたマッキニー。挑戦者としてブングに挑戦したが、またしても判定負け。そして「WBO3位」として再びWBO王座を狙うことに。ジョーンズはスラリとしたパンチャー。これまで44勝(26KO)2敗。トーマス・ハーンズのような選手だ、とも言われるが、パンチのキレではなく、パワーで勝負するタイプ。その長いパンチは当たったときは凄いが、ディフェンスに難がある、という評価もある男。あのバレラをKOしてこの王座を奪ったジョーンズ。どんな試合になるか? ゴング前、両選手とレフェリーがリング中央に。なぜかジョーンズに背を向け続けるマッキニー(何のパフォーマンス? 映像を持っている方はジョーンズの表情にも注目)。ジョーンズはいつものように長いジャブ、ストレート。マッキニーは丁寧にジャブ、ストレート。3R、右フックからの連打でマッキニーがダウン(やや打たれ脆さを感じた)。しかし、4R。マッキニーの右ストレートがよく当たる。そして右ストレートのカウンターでジョーンズが痛烈なダウン。立ち上がったものの前のめりに崩れてレフェリーストップ。先にダウンを奪われたマッキニーが得意の右ストレートを得意のカウンターで決めて逆転勝利。ウェルカム・ニシタとの初戦でもそうだったが、劣勢を得意の右で挽回。世界J・フェザー級タイトル戦史上に残る衝撃的なKOとなった。)
④ルイシト・エスピノサ 2R KO ケネディ・マッキニー
(WBC世界フェザー級タイトル戦、1998年)
(ダウンシーン)
1R:左フック連打でマッキニーがダウン
2R:連打でマッキニーがダウン
(感想:エスピノサがタイトル防衛。WBO世界J・フェザー級タイトルを返上したマッキニー。階級を上げて二階級制覇を目指す。王者エスピノサはこれまで43勝(22KO)7敗。フィリピンのパンチャーで右ストレートが異常に強い。WBA世界バンタム級王座とこの王座で二階級制覇。しかしながら、「打たれ弱い」というのもまた事実。共に右ストレートを武器とする者同士の一戦。1R、共にジャブ、右ストレート。前に出るマッキニー、迎え撃つエスピノサ、といった形。振りは大きいがキレのある左フックを振るうエスピノサ。右フックからの左フック連打でマッキニーがダウン。2R、またしてもエスピノサが右フック。さらに連打でマッキニーがダウン。倒れると同時にレフェリーは試合を止めた。恐ろしい左右フック乱打でエスピノサが圧勝。打ち合いになればエスピノサには打たれ弱さがあるためマッキニーにもチャンスはある、と思ったが無かった。これが最後の世界戦となったマッキニー。ブランク後、数試合を経験して引退。「ウィルフレド・ゴメスを超える選手になりたい」というようなことを語っていたマッキニーだが、その希望は叶ったと言えるだろうか? 派手な倒し屋ではなかったが、豪快に強敵をKOしたこともある。しっかりしたジャブ、ストレート、ディフェンス。実に良い選手。IBFとWBOの王者だったため、当時IBFとWBOを認可していなかった日本のリングに登場することが無かったのが少し残念。)
エデル・ヘロニモ戦、シュガー・ベビー・ロハス戦、ポール・バンキ戦、ウェルカム・ニシタ戦(初戦)
ウェルカム・ニシタ戦(再戦)、ブヤニ・ブング戦、ジョン・ロウィー戦
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