2024年6月27日木曜日

「サーカス出身のフェザー級」ホルヘ・パエス③「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

IBF・WBO世界フェザー級王者。世界王座返上後の苦戦。ホセ・ビダ・ラモス戦(初戦)、ファン・マシアス戦、オーギー・サンチェス戦を紹介します。

ホルヘ・パエス(メキシコ)

身長165cm:オーソドックス(右構え)


ホセ・ビダ・ラモス 5R 反則 ホルヘ・パエス

(J・ウェルター級戦、1995年)

「サーカス出身のフェザー級」ホルヘ・パエス③「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

1R:右フックでパエスがダウン

(感想:元IBF 世界フェザー級王者パエス(29歳)。フレディ・ペンデルトンのIBF世界ライト級王座に挑戦して判定負け。オスカー・デラ・ホーヤとWBO世界ライト級王座決定戦を行って2RでKO負け。中堅どころには勝利しているが、大きな勝負には勝てず。元々パワーファイターではないため階級を上げて苦戦するのは当然か。さらにヘナロ・エルナンデスにTKO負けして53勝(35KO)8敗4分に。ラモス戦はその再起戦となる。ラモス(28歳)はドミニカ人。24勝(17KO)2敗。地元を中心にデビューから全勝でドミニカ王座(フェザー級)獲得。しかし、ケビン・ケリーのWBC世界フェザー級王座への挑戦はKOで惨敗。パエスと再起戦。ラスベガス「シーザース・パレス」での一戦(リングアナはジミー・レノン・ジュニア、レフェリーはジョー・コルテス。パエスのセコンドにナチョ・ベリスタイン、ミゲル・ディアス)。白いウェディングドレスで入場のパエス。トランクスは白のロングタイプ。後頭部には文字の刈り込み。1R、スリムなラモスがジャブ連打、右ストレート。距離を取ってボクサータイプの戦い方。パエスはいつものように前に出る姿勢。接近戦。互いにフック。ラモスのしゃくるような大きな右フックが迫力。右フックでパエスがダウン。しかし、パエスも右をヒットさせる。その後、勢いを増すラモス。右ストレートからの左フック、右アッパーからの左フックといったコンビネーションにパワー。手数を出していく。パエスは正確なジャブ、当てる巧さで対抗。4R、激しい打ち合い。攻めるラモスは頭もぶつける。5R、右パンチを当てるパエス。しかし、左ボディ打ちがローブローに。そして再び左ボディ打ちがローブローに。ダウンしたラモスに右フック。うつぶせにぶっ倒れたラモスを見てレフェリーはパエスの反則負けを宣告。意外な結末でパエス敗北。確かにラモスには勢いがあったがパエスのパンチも当たっており、パエスにはタフネスとディフェンスもある。相手のパワーに思わず焦ったのかもしれない。ラモスは攻められると弱いところがあったが、ラッキーな勝利。勝って喜んでいた(ボクサーはイマイチな勝ち方でも勝てば嬉しいものらしい)。その後のラモス。パエスと空位のNABOジュニアライト級王座を懸けて再戦(ダイレクト・リマッチ)し、判定勝利。防衛にも成功し、レジリオ・ツールのWBO世界ジュニアライト級王座に挑戦したが何と1RでKO負け。それが最後のタイトル戦となり、事実上のラストファイトとなった。)

 

その後のパエス

中堅選手相手に連勝後、ナルシソ・バレンズエラとの決定戦でWBC米大陸王座(J・ライト級)獲得。ジュリアン・ウィーラーに判定負け、王座陥落。判定で王座奪回。エンジェル・マンフレディのWBU王座(J・ライト級)に挑戦してTKO負け。再起戦はファン・マシアスと「NABU」なる北米団体のJ・ライト級王座決定戦。


ホルヘ・パエス 6R KO ファン・マシアス

(NABUジュニアライト級王座決定戦、1998年)

「サーカス出身のフェザー級」ホルヘ・パエス③「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

6R:左ボディでマシアスがダウン

(感想:パエスがタイトル獲得。マシアスもメキシカン。デビューから連勝だったが、TKOで初黒星。以来、不調。このところNABO戦、IBAインターコンティネンタル王座戦(いずれもライト級)に敗北するなど連敗中。ラスベガスでの一戦(レフェリーはミッチ・ハルパーン。パエスのセコンドにはおなじみチャック・ボダック)。パエス(黒地にカラフルな水玉のトランクス。「HONDA」の文字入り)が妙な動きを取り入れながら前進。左ボディ、アッパー気味の左フックといった左のテクニック。マシアスはブロックしながらジャブ、左ボディフックで応戦。接近戦。フックにパワーがあるマシアスだが、パエスはディフェンス、左フック連打。手数とハンドスピードでパエス優勢。4R、バッティングでパエスが左眉付近から出血(強く当たったようには見えなかった。たぶん、キレやすくなっているのだろう)。5R、パエスが左フックからの右ストレート。6R、左ボディでマシアスがダウン。ヒザをキャンバスに着いたままカウントアウト。パエスが積極的な攻めで勝利。一発のパワーはそれほどではないが、タフさ、手数、当てるテクニックはまだまだ健在。マシアスは力を込める分、連打の回転力で劣った。その後のマシアス。WBC米大陸王座(J・ライト級)獲得。しかし、フリオ・ディアズ、エンジェル・マンフレディ、ミゲル・コット、パエス(再戦)らに敗北。トップクラスではなかったが、多くの試合に出場した。)


オーギー・サンチェス 7R KO ホルヘ・パエス

(J・ライト級戦、1999年)

「サーカス出身のフェザー級」ホルヘ・パエス③「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

1R:左フックでパエスがダウン

7R:左フックでパエスがダウン

(感想:マシアス戦後、ファン・ポロ・ペレスとの決定戦に勝利してIBAのアメリカス王座(J・ライト級)を獲得したパエス。その次の試合はノンタイトル戦(99年初試合、5月)。サンチェスはラスベガス出身でニックネームは「Kid Vegas」。アマチュアで活躍。フロイド・メイウェザー・ジュニアを破ったことがあるという。ただ、メイウェザーに敗れ、オリンピック出場ならず。プロデビュー以後、連勝だったが、TKOで初黒星。その後、また連勝でパエス戦。ラスベガス「ヒルトン」での一戦(リングアナはマイケル・バッファ、レフェリーはリチャード・スティール)。ピンクやオレンジ色の派手なフリフリなトランクスのパエス。前髪だけを残した坊主頭(実にもっともない。しかし、凄く目立つ。プロは目立つことも必要)。試合ではいつものようにジャブ、意表を突くタイミングでフック攻撃。サンチェスは基本的なタイプ。ブロックを固めてジャブ、左ショートフック。左のテクニックを持っている。左フックでパエスがダウン。その後もインサイドからのアッパーなど器用なところを見せるサンチェス。パエスはフックに迫力。3R、パエスがおどけた動き&大きなフック。接近戦。互いにディフェンス&手数。7R、打ち合いの中、左フックでパエスがダウン。ほぼ失神状態で10カウント。パエスが完敗。振りの大きいパンチがパエスの武器だが、その隙を突かれた。コンディションはいつもと同じように見えた。サンチェスはショートパンチが巧かった。実力による決着。その後もサンチェスは元世界王者ダニエル・ヒメネスを破るなど連勝。しかし、ナジーム・ハメドのWBO世界フェザー級王座への挑戦はTKO負け(2000年。かなりのダメージを負った)。その後、ルイシト・エスピノサ、ダニエル・ヒメネス(再戦)を破ったが、ジョン・マイケル・ジョンソンとのIBA王座戦(フェザー級)で31秒KO負け。ハメド戦と同様、担架で運ばれるほどのダメージを負ったことからボクシングライセンスを剥奪され、引退。トレーナーに転身した。)

ホルヘ・パエス①

カルビン・グローブ戦(再戦)、ルイ・エスピノサ戦(初戦)、アラン・マキトキ戦

ホルヘ・パエス②

フェルナンド・セグラ戦、ジョニー・デラローサ戦、ラモン・フェリックス戦

ホルヘ・パエス④

マイク・ファレス戦、アグスティン・ロレンソ戦、ロドニー・ジョーンズ戦、スコット・マクラッケン戦 

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