2024年5月13日月曜日

「ロシアの強打者」コンスタンチン・チュー③「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

世界J・ウェルター級王者。驚異的なパンチ力で三団体統一。ザブ・ジュダー戦、リッキー・ハットン戦(ラストファイト)を紹介します。

コンスタンチン・チュー(ロシア)

身長170cm:オーソドックス(右構え)

コンスタンチン・チュー 2R TKO ザブ・ジュダー

(WBA・WBC・IBF世界スーパーライト級王座統一戦、2001年)

「ロシアの強打者」コンスタンチン・チュー③「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

2R:右ストレートでジュダーがダウン

(感想:チューがタイトル統一。WBA・WBC世界スーパーライト級(J・ウェルター級)王者チュー。かつて保持していたIBF王座の奪回を目指す。IBF王者ジュダーはニューヨーク・ブルックリン出身の黒人サウスポー。デビューから無敗(トレーナーはあのパーネル・ウィテカー)。決定戦でIBF王座獲得。以来、連続防衛中。ラスベガス「MGM Grand」での一戦(レフェリーはジェイ・ネイディ。会場ではマイク・タイソンが観戦)。1R、慎重に距離を取って右ジャブ、ワンツーのジュダー。チューは誰が相手でも同じ。ジリジリ距離を詰めてジャブ。ジュダーの左フックカウンターがヒット。左ストレートで追撃。2R、初回に打たれたが前に出るチュー。ジュダーはカウンター狙い。そして右ストレートでジュダーがダウン。立ったが完全に足に来ており、再びダウンしてレフェリーストップ。それに納得いかないジュダーはレフェリーに手を出すが、もちろん裁定は覆らない。チューが一撃で勝利。相変わらず右パンチが強い。ジュダーは左パンチに強さがあったが、基本的には距離を取るボクサータイプ。「攻める意識」という点でチューに劣った。試合後、レフェリーへの蛮行でネバダ州コミッションから罰金75,000ドルと6か月の出場停止処分を食らったジュダー。その後、WBO世界スーパーライト級王座獲得。統一世界ウェルター級王者コーリー・スピンクスに判定負け。スピンクスとの再戦に勝利して二階級制覇。その後もフロイド・メイウェザー・ジュニアには敗れたが、多くの王座戦に出場した。)


その後のチュー 

ベン・タッキー相手に三団体王座を判定で防衛。ジェシー・ジェームス・レイハをTKOで下して防衛。しかし、ケガによるブランク。WBC王座、次いでWBA王座を返上(または剥奪)。IBF王座のみを保持。IBFがスーパーライト級暫定王座決定戦を実施。これにシャンバ・ミッチェルが勝利。2004年、チュー(正規王者)とミッチェル(暫定王者)が再戦。3RでのTKOでチュー勝利。リッキー・ハットンと英国で防衛戦を行うことに。


リッキー・ハットン 12R TKO コンスタンチン・チュー

(IBF世界スーパーライト級タイトル戦、2005年)

「ロシアの強打者」コンスタンチン・チュー③「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:ハットンがタイトル獲得。これまで31勝(25KO)1敗1分の王者チューが防衛戦。挑戦者ハットンは英国の白人。ニックネームは「The Hitman」でトーマス・ハーンズと同じ(しかし、身長171cmでリーチは165cm。ハーンズとはスケール、ファイトスタイルが全然違う)。デビューから38連勝(28KO)。英国のローカル王座、WBOインターコンティネンタル王座、英国王座、WBU王座(全てスーパーライト級)獲得。WBU王座を連続防衛後、ついにメジャー団体IBFの世界王座に挑戦。英国マンチェスターでの一戦(大観衆。リングアナはジミー・レノン・ジュニア)。積極的なハットン。ジャブで前進し、右ストレート、接近してフック。チューは得意の右パンチ、左フックを打とうとするが距離を詰められてやりにくそうな雰囲気。攻めるハットン、カウンターで応戦するチュー。互いに不器用な接近戦。もみ合い、クリンチ、ホールド、ローブロー。レフェリーから両者に「クリーンファイト」の要請。全般的に押し気味のハットン。11R終了後、チューが棄権。ハットンが勢いで勝利。相手に距離を取らせない作戦が上手くいった。これが最後の試合となったチューはさすがにピークを過ぎていたか。KOされるほど打たれたわけではなかったが、あと1Rを残してギブアップしてしまった。その後の二人。ハットンは快進撃。チュー戦の次の試合でWBA王座獲得、王座統一。WBA世界ウェルター級王座獲得、二階級制覇。連勝後、フロイド・メイウェザー・ジュニアに敗れ、初黒星。その後はIBO 王座(スーパーライト級)防衛。マニー・パッキャオにKO負け。大物と激闘を繰り広げた。チューはハットン戦後、脳内出血があったことにより引退。復帰の意志もあったが、結局、ハットン戦がラストファイトに。引退後はモスクワでレストランを経営。オーストラリアに住む息子たちはボクサーになった。)

ウーゴ・ピネダ戦、コーリー・ジョンソン戦、ヤン・ベルクマン戦

レオナルド・マス戦、イスマエル・チャベス戦、カルビン・グローブ戦

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