2024年5月11日土曜日

「ロシアの強打者」コンスタンチン・チュー①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

世界J・ウェルター級王者。独特のファイトスタイル。IBF王座防衛戦。ウーゴ・ピネダ戦、コーリー・ジョンソン戦、ヤン・ベルクマン戦を紹介します。

コンスタンチン・チュー(ロシア)

身長170cm:オーソドックス(右構え)

コンスタンチン・チュー 11R TKO ウーゴ・ピネダ

(IBF世界J・ウェルター級タイトル戦、1996年)

「ロシアの強打者」コンスタンチン・チュー①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

1R:右フックでチューがダウン

4R:連打でピネダがダウン

7R:右フックでピネダがダウン

11R:右ストレート、右フック、右フックで3度、ピネダがダウン

(感想:チューがタイトル防衛。ロシア出身のチュー(綴りは「Tszyu」。「ズー」「ジュー」とも読むらしい)。最終的にWBA・WBC・IBFの世界J・ウェルター級王座を獲得。子供の頃に父親がボクシングジムに彼を連れていったのが始まり。アマチュアで優秀な成績。シドニーで行われた大会がキッカケでオーストラリアに移住。プロ入り後、ファン・ラポルテ、サミー・フエンテス、リビングストン・ブランブルといった実力者に勝利。全勝のままサウスポーの王者ジェイク・ロドリゲスに挑戦して圧勝、IBF王者に。フットワークを使わない珍しいタイプ(まるで古い時代の選手のよう)。初防衛戦の相手は元WBC王者ロジャー・メイウェザー。メイウェザーには打たれ弱さがあるため「チューのKO防衛」かと思われたが、メイウェザーがテクニックで善戦。判定でチューが初防衛、デビューから15連勝(11KO)。そして二度目の防衛戦(96年初試合、1月)。IBF1位の挑戦者ピネダはコロンビアの選手。身長185cm、リーチは191cmもある。地元を中心に試合。これまで27勝(21KO)1分、無敗。コロンビア王座、WBAの地域王座(いずれもJ・ウェルター級)を獲得している。オーストラリア・シドニーでの一戦。頭頂部の髪を編んでいるチュー(トレードマーク。個性的ではあるが、あまりカッコ良くない)。背が高いピネダと身長差がある。ゴング。ボクサータイプのピネダは典型的なサウスポー。相手から距離を取って右ジャブ、左ストレート、右フック。チューがいつものようにジリジリ前進。左を使いながら右ストレート、右フックといった強い右を叩き込む。ピネダは攻められて1Rからクリンチ、ホールド。しかし、サプライズ。右フックでチューがダウン。しかし、その後もピネダは攻められてホールド。4R開始早々、連打でピネダがダウン。追い込まれていくピネダ。ホールドに加え、5Rにはローブロー、減点(レフェリーがイラだった態度でピネダに警告。あまりレフェリーは感情的になるべきではない)。7R、ローブローのピネダ。その報復か、チューが右フックでピネダを倒す。9R、ピネダがローブローで減点。11R、ピネダの左カウンターがヒット。しかし、右パンチで三度倒され、TKO。チューが強打で勝利。しかし、ダウンを喫したうえ左耳から出血。なかなか苦しい試合となった。ピネダは「世界1位」にしては残念な試合ぶり。良いパンチを持っていたが、逃げの姿勢。余程チューのパンチが強かったのだろう。その後、ピネダは連勝。フェリックス・トリニダードのIBF世界ウェルター級王座に挑戦したが、KO負け(1994年)。それが事実上のラストファイト。ブランク後にカムバックしたが、勝ったり負けたりだった。)


コンスタンチン・チュー 4R KO コーリー・ジョンソン

(IBF世界J・ウェルター級タイトル戦、1996年)

「ロシアの強打者」コンスタンチン・チュー①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

3R:左ボディでジョンソンがダウン

4R:ボディ連打でジョンソンがダウン

(感想:チューがタイトル防衛。三度目の防衛戦。挑戦者ジョンソンはミシガン州デトロイト出身の長身黒人。ウーゴ・ピネダほどではないが、身長180cmでリーチは193cm。これまで20勝(7KO)1敗1分。デビューから連勝。後のWBC世界ライト級王者スティーブ・ジョンストンにKO負けで初黒星。その後、負け無しでこの初の世界挑戦。タイトル戦はこれが初めて。シドニーでの一戦。まるで「ピネダ戦の再現」といった感じの試合内容に。ボクサータイプのサウスポー、ジョンソン。足で距離を取って右ジャブ。チューが追い掛け、右強打を当てようとする。左カウンターに良いものがあるジョンソンだが、相手の圧力に押されてクリンチ。3R、右ボディからの左ボディでジョンソンがダウン。4R、ストレート、フックで反撃するジョンソンだが、ボディ連打でダウン。片ヒザをキャンバスに着いたまま10カウント。チューが強打で圧勝。ジョンソンは攻められて受け身に。チューのパンチは思わず逃げ腰になってしまうほど強いらしい。その後もジョンソンはリングへ。中堅どころには勝てたが、IBFインターコンティネンタル王座戦(ウェルター級)、WBC米大陸王座戦(スーパーウェルター級)、全米王座戦(ミドル級)に敗北。王座とは無縁だった。)


コンスタンチン・チュー 6R KO ヤン・ベルクマン

(IBF世界J・ウェルター級タイトル戦、1996年)

「ロシアの強打者」コンスタンチン・チュー①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

6R:左フック、右フックで2度、ベルクマンがダウン

(感想:チューがタイトル防衛。四度目の防衛戦。IBF1位の挑戦者ベルクマンは南アフリカ出身の黒人。デビュー(1990年)から32連勝(26KO)。ローカル王座(ライト級)、南アフリカ王座、WBCインター王座(いずれもJ・ウェルター級)獲得。待望の世界挑戦。オーストラリア・ニューカッスルでの一戦。共に26歳。スリムでスタイリッシュなベルクマン。速いジャブ連打、ワンツー。左フックボディ打ちにはキレがあり、右ストレートからの左ジャブといったテクニック。チューはいつものように右ストレート、左フックに力を込める。スピードとパワーの対決。チューがディフェンスしながらひるむことなく前進。ワンツーからの左フックに迫力。6R、バッティングでチューが左マブタを負傷、ドクターチェック。勝負を急ぐチュー。左フックが効いたベルクマンが左フックでダウン。立ったが、最後は連打からの強烈な右フック。倒れたベルクマンを見てレフェリーは直ちに試合を止めた。チューが強打で勝利。相手はかなりスピードがあったが、しっかりディフェンス。ベルクマンはパワーが足りなかったか。足を使うシーンが目立った。その後もベルクマンはリングへ。ザブ・ジュダーにKO負け(IBF世界J・ウェルター級王座決定戦)。WBU王座(ウェルター級)獲得、連続防衛。しかし、メジャー団体の世界王者にはなれなかった。) 

レオナルド・マス戦、イスマエル・チャベス戦、カルビン・グローブ戦

ザブ・ジュダー戦、リッキー・ハットン戦(ラストファイト) 

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