2024年5月12日日曜日

「ロシアの強打者」コンスタンチン・チュー②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

世界J・ウェルター級王者。驚異的なパンチ力。IBF王座防衛戦&その後。レオナルド・マス戦、イスマエル・チャベス戦、カルビン・グローブ戦を紹介します。

コンスタンチン・チュー(ロシア)

身長170cm:オーソドックス(右構え)

コンスタンチン・チュー 1R 負傷引分 レオナルド・マス

(IBF世界J・ウェルター級タイトル戦、1997年)

「ロシアの強打者」コンスタンチン・チュー②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

1R:左フックで2度、マスがダウン

(感想:チューがタイトル防衛。これまで18戦全勝(14KO)の王者チューが五度目の防衛戦。IBF9位の挑戦者マスはプエルトリカン。23勝(15KO)2敗。あのルペ・ピントールを下してWBCの地域王座(J・ウェルター級)を獲得。WBAの地域王座も獲得。しかし、両王座を連敗で相次いで失う。WBCの地域王座を奪回、防衛。そしてチューに挑戦。ラスベガス「Thomas & Mack Center」での一戦(「オスカー・デラ・ホーヤ vs. ミゲル・アンヘル・ゴンザレス」のWBC戦も行われた興行。プロモーターのボブ・アラムはJ・ウェルター級王座統一戦を計画しているらしい)。リングアナはマイケル・バッファ、レフェリーはジョー・コルテス。ゴングと同時に右ストレートをかますマス。互いに右ストレート、左フックに力を込めるが、これはマスにとって危険行為。左フックでマスがダウン。クリンチ、ホールドするマスだが、左フックで二度目のダウン。クリンチするマス。レフェリーが間に入ろうとしたが、チューが強烈な右フックからの左フック。ダウンしたマスは続行不能。公式結果は「1R 負傷引分」。以前、こういう場合はレフェリーがカウントを取ったものだが、コルテスは「ブレイクに従わなかった」ということなのかクリンチ時のチューの攻撃を「有効」と見なさず。かと言って注目選手を「反則負け」にするワケにもいかないため「負傷引分」となったのだと思われる。ただ、選手としての実力はチューが上。連勝記録は途切れたが、実質的には圧勝だった。その後のマス。再起戦に勝利。しかし、三連敗で引退(最後の相手はディオベリス・ウルタド。3RでTKO負け)。チューとの再戦は無かった。)


コンスタンチン・チュー 3R TKO イスマエル・チャベス

(WBC世界J・ウェルター級王座挑戦者決定戦、1997年)

「ロシアの強打者」コンスタンチン・チュー②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

1R:右フックでチャベスがダウン

3R:左フックで2度、チャベスがダウン

(感想:六度目の防衛戦でビンス・フィリップスにTKO負けしたチュー(18勝(14KO)1敗1分)。半年後、この再起戦(97年最後の試合、12月)。「WBC世界J・ウェルター級4位」として挑戦者決定戦に出場。WBC3位のチャベスはアルゼンチンのサウスポー。これまで40勝(19KO)4敗3分1NC。勝ったり負けたりの時期もあったが、アルゼンチン王座(J・ウェルター級)を獲得、連続防衛。このところ連勝中。オーストラリア・タウンズビルでの一戦(レフェリーはアーサー・マーカンテ)。サウスポーのチャベス。力強く右ジャブ、左ストレート、右フック。チューはサウスポーには慣れている。初黒星、ブランクの影響を感じさせないパワフルな攻め。左を使いながら右パンチ、左フック。1Rからピンチのチャベス。左フックからの右フックでダウン。その後も抵抗するチャベスだが、チューはディフェンス&強打。早くもチャベスは出血。3R、ロープ際での連打からの左フックでチャベスがダウン。立ったが、左フックで二度目。タオル投入で試合終了。チューが異常なパンチ力で圧勝。チャベスは左ストレートなどに強さがあったが、完敗。わずか3Rで終わったが、負傷して出血するなどヒドい目に遭った。その後、チャベスはアルゼンチン王座を防衛するなど三連勝で引退。)


コンスタンチン・チュー 1R TKO カルビン・グローブ

(ウェルター級戦、1998年)

「ロシアの強打者」コンスタンチン・チュー②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

1R:右ストレート、右ストレート、左フック、右ストレートで4度、グローブがダウン

(感想:世界王座奪回を目指すチューのプロ22戦目(98年初試合、4月)。グローブは元IBF世界フェザー級王者。ニックネームは「シルキー・スムース(絹のように滑らか)」。身軽な動きからのシャープなジャブ、ストレートが武器。ただ、パンチ力はそれほどでもない。直前の試合ではアルツロ・ガッティにTKO負け。ウェルター級でどんな試合を見せるか? オーストラリア・ニューカッスルでの一戦。かつてスリムだったグローブが丸っこい顔に(昔とは別人。アズマー・ネルソンっぽい顔になった)。1R開始早々、右ストレートでグローブがダウン。得意のジャブを出すグローブだが、チューを止めるパワーは無し。右ストレート、左フックでさらにダウン。ラウンド終了直前、あまりにも強烈な右ストレートでグローブが「ぶっ倒れる」といった感じでダウン。グローブのセコンドが慌ててリングインして試合終了。全くのミスマッチだった一戦。誰がこの試合を組んだのだろう? フェザー級時代でもパワーがあったわけではないグローブをJ・ウェルター級の強打者チューと戦わせるとは。グローブはこれが最後の試合となった。)


その後のチュー

ラファエル・ルエラス(元IBF世界ライト級王者)にTKO勝ち。ディオベリス・ウルタドをTKOで下してWBC世界J・ウェルター級暫定王座獲得。ミゲル・アンヘル・ゴンザレス(WBC世界ライト級王座を10回防衛)を棄権に追い込んでWBC世界J・ウェルター級王座獲得。アーメッド・サントス、フリオ・セサール・チャベス相手に防衛成功。WBA王者シャンバ・ミッチェルとの統一戦に勝利。オクタイ・ウルカル(ドイツ)と統一王座(WBA・WBC)の初防衛戦を行い、判定勝ち。

ウーゴ・ピネダ戦、コーリー・ジョンソン戦、ヤン・ベルクマン戦

ザブ・ジュダー戦、リッキー・ハットン戦(ラストファイト) 

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