2024年1月4日木曜日

「消灯時間」ジェームス・トニー②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

世界三階級王者。IBF王座防衛戦。デーブ・タイベリ戦、グレン・ウォルフ戦、マイク・マッカラム戦(再戦)を紹介します。

ジェームス・トニー(アメリカ)

身長178cm:オーソドックス(右構え)

ジェームス・トニー 12R 判定 デーブ・タイベリ

(IBF世界ミドル級タイトル戦、1992年)

「消灯時間」ジェームス・トニー②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:トニーがタイトル防衛。若き王者トニー(23歳)の四度目の防衛戦。IBF9位の挑戦者タイベリはデラウェア州の白人。ニックネームは「TNT」。デビューから負け無しだったが、ロン・エセットに判定で初黒星。トニー・ソーントンにはTKO負け(エセット、ソーントンは後に数度の世界挑戦。しかし、世界王者にはなれず)。ソーントン戦後、連勝して初の世界挑戦のチャンス。アトランチックシティ「Trump Taj Mahal」での一戦(リングサイドでボブ・アラム、トーマス・ハーンズが観戦)。実に積極的なタイベリ。1R開始からブロックを固めてジャブ、右ストレート、接近して左フック。トニーもブロックしながら打ち合いに応じ、強烈な左フックでタイベリをグラつかせる。接近戦。もみ合うような打ち合い。互いのパンチがヒット。手数でタイベリ、パワーでトニー。そのパターンで最終ラウンドまで打ち合い。12R終了。両手を上げて自身の勝利をアピールするタイベリ。陣営も勝ちを確信している様子。判定は2-1。タイベリはねちっこく攻めたが、トニーのパワーが評価されたようだ。悔しいタイベリは判定に大いに不満。この試合を受けて、アメリカ上院による「ボクシング汚職捜査」が行われることに。その結果、ジャッジの2人が無資格だったことが判明。IBF会長のロバート・リーは再戦を命じたが、タイベリはこの敗北(およびボクシング界)に失望し、引退してしまった。)


ジェームス・トニー 12R 判定 グレン・ウォルフ

(IBF世界ミドル級タイトル戦、1992年)

「消灯時間」ジェームス・トニー②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:トニーがタイトル防衛。五度目の防衛戦。IBF6位の挑戦者ウォルフ(30歳)はフロリダの黒人。ニックネームは「Big Bad」(何が「悪」なのか?)。イタリアでジャンフランコ・ロッシのIBF世界J・ミドル級王座に挑戦してダウンを奪ったが、判定負け(1991年)。その再起戦でトニーの王座に挑戦。後の世界王者スティーブ・リトルに勝ったこともある。ラスベガス「Thomas & Mack Center」での一戦。似たタイプのファイター同士。ジャブ、ワンツー、左ボディ打ち。ウォルフはタイベリ戦を参考にしたか、接近戦を仕掛ける。トニーはタイベリ戦と同様、受け身の姿勢。ただ、ディフェンスしながらパワー&コンビネーション。右ストレート、左ボディ打ちで攻めるウォルフ。トニーは正確なパンチで応戦し、ウォルフは左目が腫れていく。12R終了。トニーは疲れた表情。判定は大差の3-0。パンチの正確さで差がついたようだ。減量苦のトニー。次の防衛戦は大きな試練。マイク・マッカラムとの再戦。ウォルフは再起戦でロイ・ジョーンズ・ジュニアに1RでTKO負けでキャリアを終えた。)


ジェームス・トニー 12R 判定 マイク・マッカラム

(IBF世界ミドル級タイトル戦、1992年)

「消灯時間」ジェームス・トニー②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:トニーがタイトル防衛。六度目の防衛戦は「ボディスナッチャー」マッカラム(IBF1位)との再戦。初戦はパワーでトニーが上だったが、マッカラムの手数によりドロー。今回で完全決着なるか、といったところ。マッカラムはあれからノンタイトル戦で判定勝ちした一試合のみ。ネバダ州リノでの一戦(マッカラムのセコンドにエディ・ファッチ)。金色トランクスのトニー。マッカラムは真っ赤なトランクス。トニーがリズムを取りながらワンツー、左フック。マッカラムは変わらない。左ジャブ、左フックで左のテクニックを見せ、長い右ストレート。互いにディフェンスしながら接近戦。左ボディ打ちなどがヒットする互角の勝負。手数が多いマッカラム。得意のボディ連打、左フック。12R終了。マッカラムは両手を上げて勝利を確信。判定は2-0。前回と同様、トニーのパワーが評価されたか。映像ではマッカラムが手数でわずかに上だったようにも見えたが。その後の二人。トニーはこれが最後の世界ミドル級王座戦に。マッカラムは階級を上げてWBC世界ライトヘビー級王者に(三階級制覇)。動きはスッカリ重くなってしまったが、テクニックでカバーして重い相手に勝利した。ラストファイトはトニーとの三度目の対戦。空位のWBU王座(クルーザー級)を懸けて行われ、トニーが3-0の判定勝ち。ようやく決着。)

ジェームス・トニー①

レジー・ジョンソン戦、フランチェスコ・デラキラ戦、マイク・マッカラム戦(初戦)

ジェームス・トニー③

ダグ・デウィット戦、グレン・トーマス戦、モンテル・グリフィン戦、アーネスト・マーティン戦 

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