2024年1月26日金曜日

「童顔の暗殺者」マルコ・アントニオ・バレラ③「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

世界三階級制覇王者。衝撃の初黒星後。ジュニア・ジョーンズ戦(再戦)、ホセ・バルブエラ戦ほかを紹介します。

マルコ・アントニオ・バレラ(メキシコ)

身長168cm:オーソドックス(右構え)

ジュニア・ジョーンズ 12R 判定 マルコ・アントニオ・バレラ

(WBO世界J・フェザー級タイトル戦、1997年)

「童顔の暗殺者」マルコ・アントニオ・バレラ③「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:ジョーンズがタイトル初防衛。九度目の防衛戦でジョーンズに倒されたバレラ(初黒星。J・フェザー級の歴史に残る激戦)。立場を入れ替えてジョーンズとダイレクト・リマッチ。王者ジョーンズは元WBA世界バンタム級王者。トーマス・ハーンズにように長いジャブ、ストレートを使うタイプ。しかし、ハーンズとは違って力んだ打ち方。パワーはあるが、パンチのキレの方はそこそこ。ラスベガス「ヒルトン」での一戦。距離を取ってジャブ、ワンツー、左フックのジョーンズ。バレラは接近してボディ攻撃。しかしながら、この試合はジョーンズ。中間距離では長いパンチ、接近戦では連打で優勢。バレラの右ストレートを肩を使ってディフェンス。クリンチも使ってバレラの勢いを奪う。バレラは得意の左ボディ打ちですら勢い、キレがない。9Rにはローブローで減点。11R終了直前にちょっとしたハプニング(打ち合う両者を分けようとしたレフェリーのミルズ・レーンが転倒)。12R終了直前、激しい打ち合い。12R終了。判定は僅差の3-0。終盤になってようやく少しエンジンがかかったバレラ。何とも勢いの無い試合ぶり。判定は僅差だったが、「やらない方がマシ」といった感じのデキだった印象。ジョーンズは距離を取って上手く戦った。バレラをよく研究したのだろう。これでバレラに二連勝となったジョーンズ(どうやらバレラとは相性がいいらしい)。しかし、その次の試合でケネディ・マッキニーにKO負けで王座陥落。これもまた歴史に残る激戦だった。) 


マルコ・アントニオ・バレラ 5R TKO アンヘル・ロサリオ

(フェザー級戦、1998年)

「童顔の暗殺者」マルコ・アントニオ・バレラ③「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

5R:連打でロサリオがダウン

(感想:ジョーンズに二連敗したバレラ(24歳)。97年(4月)はジョーンズとの再戦のみに終わり、98 年2月にロサリオと復帰戦。コンディションが気になるところ。ロサリオはプエルトリカン(33歳)。勝ったり負けたりで戦績はよろしくない。デビュー三戦目で後の世界王者オルランド・フェルナンデス(バレラとも対戦)に判定負け。J・バンタム、次いでフライ級でWBO王座に挑戦したが勝てず。ナナ・コナドゥにKO負け。プエルトリコ王座(J・バンタム)獲得。バレラにTKO負け。WBCの地域王座(バンタム)、WBAの地域王座(J・フェザー級)獲得。実力はあるが、勝っては負け、の繰り返し。このところ二連敗中。ラスベガスでの再戦。スキンヘッドのロサリオ。思い切った右ストレート、大振りの左フックに迫力。まずジャブから入るバレラとは対照的。バレラはよくジャブを出し、ワンツーからの左ボディにキレとパワー。調子は良さそう。接近戦。共に振りの大きいフックを使うが、ディフェンスのテクニックにより当たるのはバレラのパンチ。2R、ホールドを離さないロサリオにバレラが一発「ガツン」。レフェリー(ジョー・コルテス)から両者にお叱り。その後もバレラの正確なパンチがヒット。ロサリオはジャブが少ないためか、攻撃を阻止される。5R、激しい打ち合いの中、連打でロサリオがダウン。倒れると同時にレフェリーストップ。バレラが正確なコンビネーション、激しい連打で勝利。ロサリオも荒々しいパンチでエキサイティングだったが、隙があった。その後、ロサリオはWBCのインター王座、WBAの地域王座戦に出場したが、勝てず。強いが攻撃重視すぎる欠点があった。)


マルコ・アントニオ・バレラ 12R 判定 ホセ・ルイス・バルブエラ

(WBO世界J・フェザー級タイトル戦、2000年)

「童顔の暗殺者」マルコ・アントニオ・バレラ③「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:ジョーンズがタイトル防衛。リッチー・ウェントンとの決定戦でWBO世界J・フェザー級王座を奪回したバレラ。防衛に成功後、同じメキシコのWBC王者エリック・モラレスと王座統一戦を行ったが、判定負け。ところがWBOがこの試合の判定に異議を唱え、バレラを再び王者に認定。バルブエラ戦は再認定された王座の二度目の防衛戦となる。挑戦者バルブエラはベネズエラの選手。ベネズエラ王座(J・フェザー級)を獲得したが、初防衛に失敗、初黒星。以降は負け無しだが、地元中心のローカルなキャリア。ニューオリンズでの一戦(「ロイ・ジョーンズ・ジュニア vs. エリック・ハーディング(世界ライトヘビー級王座戦)」のアンダーカード。会場ではバスケットのマイケル・ジョーダンが観戦)。サウスポーのバルブエラ。距離を取るアウトボクサー。ジャブ、ワンツー、右フック。パンチは軽いが、速さがある。バレラは前進。正確に当てようとする。しかしながら、勢いが無い。攻めるが、上手くディフェンスされて空転。パンチはバレラの方が重いが、バルブエラが時折左カウンターを当てる。12R終了。両手を上げて勝利を確信しているバルブエラ。バレラは「うまくいかなかった」といった感じの表情。判定は3-0。映像ではバルブエラがサウスポーのテクニックでポイントを取ったように見えたが、やはりパンチが軽かったか。リングサイドのジャッジが三人ともバレラを評価したというのであれば、それが正しいのだろう。鋭さに欠けていたバレラ。当たり前のことだが、強いボクサーもキレが無いとイマイチな試合になってしまう。その後の二人。バルブエラは勝ち続け、イスラエル・バスケスと空位のIBF王座を争ったが、TKO負け。その再起戦でセレスティーノ・カバジェロにもTKO負けしてそれが最後の試合に。バレラはあのナジーム・ハメドを破る金星。エリック・モラレスにも勝ってWBC世界フェザー級王座、WBC世界S・フェザー級王座獲得。マニー・パッキャオ、ファン・マヌエル・マルケスには敗れたが、IBF世界S・フェザー級王座も獲得。元々はJ・バンタムだった選手がそれよりずっと重い階級でも活躍。引退後はボクシング番組のコメンテーターを務めているそうだ。) 

マルコ・アントニオ・バレラ①

エデュアルド・ラミレス戦、ダニエル・ヒメネス戦、フランキー・トレド戦、マウイ・ディアス戦

マルコ・アントニオ・バレラ②

エディ・クロフト戦、ジェシー・ベナビデス戦、オルランド・フェルナンデス戦、ジェシー・マガナ戦

0 件のコメント:

コメントを投稿