世界三階級制覇王者。WBO王座防衛戦。エディ・クロフト戦、ジェシー・ベナビデス戦、オルランド・フェルナンデス戦ほかを紹介します。「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」
マルコ・アントニオ・バレラ(メキシコ)
身長168cm:オーソドックス(右構え)
①マルコ・アントニオ・バレラ 7R TKO エディ・クロフト
(WBO世界J・フェザー級タイトル戦、1995年)
(感想:バレラがタイトル防衛。38連勝中のバレラが四度目の防衛戦。挑戦者クロフトはカリフォルニア出身。デビューから連勝でWBC米大陸王座(J・フェザー級)獲得。しかし、初防衛に失敗、初黒星。トム・ジョンソンのIBF世界フェザー級王座に挑戦して大差の判定負け。その再起戦でバレラに挑戦。ラスベガス「シーザース・パレス」での一戦(「イベンダー・ホリフィールド vs. リディック・ボウ(三戦目)」のアンダーカード)。フットワークは控えめでヒザでリズムを取る両者。互いにジャブ。バレラがパワフルにコンビネーション(ワンツーからの左フック、左ボディからの右ストレート、など)。パンチにはキレもある。クロフトはワンツーなどに良さがあるが、攻撃が単発で「普通」の選手。特に飛び抜けた強さは感じられない。コンビネーションでバレラが優勢。5Rに連打をまとめる。7R、ロープ際でクロフトが連打されたところでレフェリーストップ。まだ、続行できそうな雰囲気もあったが、打たれるシーンが長く続いたため止められてしまった。バレラが快勝。ただ、「勝てる範囲の相手」だった印象。クロフトはこの後、ブランク。カムバックして連敗だったが、なぜかエリック・モラレスのWBC世界フェザー級王座に挑戦するチャンス。3RでTKO負けして、それが最後の試合となった。)
②マルコ・アントニオ・バレラ 3R KO ジェシー・ベナビデス
(WBO世界J・フェザー級タイトル戦、1996年)
(ダウンシーン)
3R:左ボディフックでベナビデスがダウン
(感想:バレラがタイトル防衛。五度目の防衛戦で元IBF王者ケネディ・マッキニーをKOしたバレラ。歴史に残る激戦を制したことで評価アップ。それまでは「やや地味な王者」というイメージがあったが、マッキニー戦での勝利で「スター選手」としての道が開かれた印象。そして白人ベナビデスと六度目の防衛戦。WBO6位の挑戦者ベナビデスはテキサス出身(元「クロンクジム」所属。クロンクは黒人選手が多いが、実力を認められてクロンク入り。バレラ戦の時点ではクロンクを離れていたようだ)。元WBO世界J・フェザー級王者で、王者としてはバレラの先輩にあたる。王座陥落後、トレーシー・ハリス・パターソンのWBC王座に挑戦して敗北。北米J・フェザー級王座を獲得したが、ケビン・ケリーのWBC世界フェザー級王座に挑戦して敗北。バレラを破って王座返り咲きなるか、といった状況。カリフォルニア州アナハイムでの一戦。サウスポーのベナビデス。右ジャブを出すが、パンチにキレがない。バレラがジャブで前進。左パンチがパワフル。ベナビデスは相手の圧力に押され気味だが、2Rに左右フック連打で反撃。3R、左アッパーからの左ボディフックでベナビデスが顔を苦痛に歪めながらダウン。立てず、KO。フィニッシュが見事だった試合。最後のコンビネーションは実にパワフルなもの。相当鍛えていないと打てない連打だった。ベナビデスはピークを過ぎていた。これが最後の試合に。)
③マルコ・アントニオ・バレラ 7R TKO オルランド・フェルナンデス
(WBO世界J・フェザー級タイトル戦、1996年)
(ダウンシーン)
6R:左フックでフェルナンデスがダウン
(感想:バレラがタイトル防衛。七度目の防衛戦。WBO9位の挑戦者フェルナンデス(33歳)はプエルトリコ出身で、かつてこの王座を持っていた選手。王座陥落後はWBF王座(J・フェザー級)、WBCの地域王座(フェザー級)を獲得しているが、ジュニア・ジョーンズには判定負け。以来、三連勝中。コロラド州デンバーでの一戦。なかなか戦闘的なフェルナンデス。踏み込んでジャブ、右ストレート、左フック。しかしながら、パワーはあるがジャブが少なく、攻撃が雑。そのためディフェンスに隙ができてしまう。バレラは攻めてくる相手にジャブで応戦し、左ボディ打ちなどで相手の隙を狙う。3R、クリンチ中にパンチを出すフェルナンデスにバレラが怒りの反撃(レフェリーから注意)。接近戦。ディフェンスとパンチの正確さでバレラ。4R、左フックを食ってフェルナンデスがダウン寸前。クリンチや応戦でしのぐフェルナンデスだが、6Rに左フックでついにダウン。7R、バレラの正確な強打が次々にヒットしてレフェリーストップ。共に強いパンチで勝負した熱戦。フェルナンデスは右ストレート、左フックにパワーがあったが、バレラは強打が正確なうえにディフェンスもできる。総合力でバレラが上回った。その後、フェルナンデスは再起戦でケビン・ケリーとWBU王座(フェザー級)を争ってKO負け。それが最後の試合となった。)
④マルコ・アントニオ・バレラ 10R TKO ジェシー・マガナ
(WBO世界J・フェザー級タイトル戦、1996年)
(ダウンシーン)
7R:右フックでマガナがダウン
8R:連打でマガナがダウン
10R:左フックでマガナがダウン
(感想:バレラがタイトル防衛。八度目の防衛戦。WBO1位の挑戦者マガナはメキシカン。これまで18勝(8KO)4敗2分。デビュー戦に敗北するなど順調とは言えないキャリアだったが、ルディ・サバラに勝利。その次の試合でNABO王座(J・フェザー級)を獲得し、連続防衛中。カリフォルニア「グレート・ウェスタン・フォーラム」での一戦。サウスポーのマガナ。速いジャブ、ワンツー、そして右フック。バレラはサウスポーが相手でもいつもと同じ。前進してジャブ。左フックをヒットさせる。左パンチを当てようとするマガナだが、受け身の姿勢。カウンター狙いで、自分から試合の流れを作る試合ぶりではない。一方のバレラも攻めるが、相手の抵抗に思うように攻められず。7R、右フックでマガナがダウン。しかし、レフェリーはこれをダウン扱いせず(「スリップ」に見えたのだろう)。8R、右フックが効いたマガナ。連打でダウン。10Rには連打からの左フックで痛烈なダウン。倒れると同時にレフェリーは試合を止めた。終わってみればバレラが圧勝。いつものようにボディ打ちで相手を追い込んで強打を叩き込んだ。マガナはワンツーが強く、鋭かったが受け身。ジャブで先手を取るような試合をして欲しかったところ。その後、マガナはグティ・エスパダス・ジュニア(後、WBC世界フェザー級王者に)に敗北するなど連敗してキャリアを終えた。)
エデュアルド・ラミレス戦、ダニエル・ヒメネス戦、フランキー・トレド戦、マウイ・ディアス戦
ジュニア・ジョーンズ戦(再戦)、アンヘル・ロサリオ戦、ホセ・バルブエラ戦
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