2024年1月20日土曜日

「パワフルな右フック」マーク・ジョンソン③「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

世界フライ、S・フライ級王者。IBF王座防衛戦。アレハンドロ・モンティエル戦、セシリオ・エスピノ戦ほかを紹介します。

マーク・ジョンソン(アメリカ)

身長160cm:サウスポー

マーク・ジョンソン 12R 判定 アレハンドロ・モンティエル

(IBF世界フライ級タイトル戦、1997年)

「パワフルな右フック」マーク・ジョンソン③「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:ジョンソンがタイトル防衛。これまで30勝(23KO)1敗のジョンソン(25歳)。二度目の防衛戦。IBF9位の挑戦者モンティエル(25歳)はフェルナンド・モンティエル(日本で長谷川穂積からWBC世界バンタム級王座強奪)の兄。33勝(22KO)2敗。デビューから連戦連勝。元世界王者ヘルマン・トーレスに勝利。メキシコ王座(J・フライ級)を連続防衛。しかし、TKOで初黒星。WBC米大陸王座(フライ級)を連続防衛して、この初の世界挑戦。カリフォルニア「グレート・ウェスタン・フォーラム」での一戦。ジョンソンがいつものように長い右ジャブ、左ストレート。モンティエルは慎重姿勢でジャブ。ジャブで先手を取って連打をまとめるジョンソンに対し、モンティエルは受け身。力むタイプで流れるような攻めができない欠点。4R、ローブローでモンティエルが減点。その後もラフなモンティエル。レフェリーが注意しようとして押し倒してしまうハプニング(リングにモノが投げ入れられた)。8Rにもモンティエルがローブローで減点。試合自体はジョンソンがジャブ、左カウンター、右ボディからの右アッパー(マイク・タイソンの逆パターン)でポイント。モンティエルは左右フックを使うが、ローブロー、ヒジ打ち(なかなかダーティ)。11R、12R、ジョンソンが妙な動きでモンティエルを挑発(あまりウケていなかった。メキシカンが多いカリフォルニアの客は打撃戦を好む傾向がある)。12R終了。判定は大差の3-0。ジョンソンはいつものパターン。モンティエルは残念。自分自身の不器用さにイラついたのだろうが、ラフな行為連発。その後、米大陸王座をさらに連続防衛してIBA王者に。しかし、再びIBF王座に挑戦して判定負け。メジャーな世界王座はついに獲れなかった。)


マーク・ジョンソン 2R KO セシリオ・エスピノ

(IBF世界フライ級タイトル戦、1997年)

「パワフルな右フック」マーク・ジョンソン③「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

2R:右フックでエスピノがダウン

(感想:ジョンソンがタイトル防衛。三度目の防衛戦。挑戦者エスピノ(26歳)はメキシカン(メキシコ人とばかり戦っているような気がする)。これまで33勝(28KO)5敗1分。北米バンタム級王座獲得、防衛の実績。川島郭志のWBC世界J・バンタム級王座に挑戦して判定負け。その再起戦でジョンソンに挑戦。ランキングはフライ級ではなくJ・バンタム級で入っている(IBF12位)。ジョンソンに体格的なハンデがあるのかどうか? コネチカット州での一戦。左フックからの右ストレートといったコンビネーションを使うエスピノ。右パンチにパワーを込める。しかしながら、ジョンソンの右ジャブ、ディフェンスに阻止されて攻撃できず。2R、右フックが効いたエスピノ。連打を浴び、右フックでダウン。ヒザを着いたまま立てず、KO。ジョンソンが最も得意とする右フックで勝利。エスピノは悪い選手ではないが、普通。ジョンソンはこれまでエスピノのようなタイプのメキシカンと戦って勝ってきた。楽ではないだろうが、「メキシカン退治」に慣れている利点があった。エスピノはこれで引退。)


マーク・ジョンソン 12R 判定 ルイス・ロロン

(IBF世界フライ級タイトル戦、1998年)

「パワフルな右フック」マーク・ジョンソン③「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:ジョンソンがタイトル防衛。エスピノ戦後、アンヘル・アルメニャ(プエルトリコ)、アーサー・ジョンソン(アメリカの実力者)相手に防衛に成功したジョンソン。六度目の相手はプエルトリカン。IBF10位の挑戦者ロロン(31歳)はアマチュアで活躍した男。1988年のソウル・オリンピックにライトフライ級で出場(メダルは獲得ならず)。プロではアメリカが主戦場。デビューから連勝だったが、ダリル・ピンクニーに二敗。このところ連勝中であるが、王座戦はこれが初めて。ウィスコンシン州ベローナでの一戦(会場ではケン・ノートンが観戦)。慎重なロロン。右ストレート、振りが大きめのフックを使う。ジョンソンは正確なパンチで隙を突き、右フック、ボディ打ちにパワー。接近戦。フックでの打ち合い。ディフェンス、手数でジョンソン優勢。ロロンは力強いパンチを持っているが、単発。自分から試合の流れを作れない欠点がある。5R、6R、ロロンがローブローで減点。その後もしゃくるような左アッパーなどジョンソンが離れても接近しても強く、正確なパンチ。しかし、8Rあたりからジョンソンはアウトボクシング(コブシを痛めたか?)。軽いパンチで連打。11R、ふざけた動き(あまりよろしくない印象)。12R終了。判定は大差の3-0。ジョンソンが勝った、というより、ロロンは消極的だった、といった内容の試合。ただ、接近戦でローブローを連発したように元々ロロンは攻めるのが得意ではない選手だったような印象。その後、NABO王座(S・フライ級)を獲得して引退。世界王者にはなれなかった。)


マーク・ジョンソン 7R TKO ホセ・ラウレアノ

(IBF世界フライ級タイトル戦、1998年)

「パワフルな右フック」マーク・ジョンソン③「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

6R:右アッパーでラウレアノがダウン

(感想:ジョンソンがタイトル防衛。七度目の防衛戦。挑戦者ラウレアノはプエルトリカン。これまで15勝(8KO)3敗1分。WBCの地域王座(J・フライ級)を獲得した実績。パワーのあるジョンソンに通用するかどうか? アトランチックシティ「Trump Taj Mahal」での一戦。スキンヘッドで貫禄のあるジョンソン(すっかり「小型ハグラー」といった雰囲気)。互いにジャブ。ラウレアノはワンツー、右ストレートからの左フックといったコンビネーション。しかし、パンチの伸びでジョンソン。速いジャブ、左ボディ打ちで優勢。接近戦でもパンチのキレ、ディフェンスによりジョンソンのパンチが正確にヒットする。6R終了近く、右アッパーでラウレアノがダウン。立ったが、このラウンド終了後に棄権。ジョンソンが快勝。同じように打ち合っても当たるのはジョンソンのパンチ。ラウレアノは戦いながら焦りをつのらせていったに違いない。その後二人。ラウレアノは再起戦でWBAの地域王座(J・フライ級)を獲得したが、次第に負けが込むようになっていった。ジョンソンはIBF世界フライ級王座返上。ラウレアノ戦の次の試合はラタナチャイ・ソーウォラポン(タイ)とのIBF世界S・フライ級王座決定戦。これに判定勝ちして二階級制覇。二度防衛後、王座返上。しかし、ラファエル・マルケス(メキシコ)に二連敗でバンタム級では苦戦。フェルナンド・モンティエルを判定で下し、WBO世界J・バンタム級王座獲得。サウスポーはテクニシャンが多いが、ジョンソンにはパワーがあった。特に右フックにパワーとキレがあった「小さな巨人」である。)

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