2024年1月18日木曜日

「パワフルな右フック」マーク・ジョンソン①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」 

世界フライ、S・フライ級王者。マイナー王者時代。アルベルト・ヒメネス戦、アルマンド・ディアス戦ほかを紹介します。

マーク・ジョンソン(アメリカ)

身長160cm:サウスポー

マーク・ジョンソン 12R 判定 アルベルト・ヒメネス

(WBBフライ級王座決定戦、1993年)

「パワフルな右フック」マーク・ジョンソン①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:ジョンソンがタイトル獲得。「Too Sharp」と呼ばれた黒人サウスポーのジョンソン(鋭いパンチと身のこなしを表現していると思われる)。ワシントンD.C.出身。アマチュアで活躍後、プロへ。デビュー二戦目で負けてしまったが、それ以降は全勝。これまで13勝(10KO)1敗、21歳。「WBB」なる団体のフライ級王座に挑戦。24勝(21KO)2敗1分のヒメネス(24歳)はメキシカン。バランスが良い好戦的なファイターで「世界王者になるのは確実」と評価されている実力者。ムアンチャイ・キティカセムのWBC世界フライ級王座に敵地で挑戦したときはダウンを奪ったが、判定負け(1991年)。以降は連勝中。カリフォルニア「グレート・ウェスタン・フォーラム」での一戦。スリムなジョンソン。グローブ(黄色)が大きく見える。距離を取ってサウスポースタイルから速い右ジャブ連打、ワンツー、右フック、ボディ連打。素早く連打をまとめてまた距離を取る。左ストレートからの右フック、打ち下ろすように打つ左ストレートに迫力がある。ヒメネスは典型的な選手。ジャブ、右ストレート、左フック。相手がサウスポーということで右ストレートを狙う。共に手数。ヒメネスは時折サウスポーにチェンジするが、それほど効果的とは思えない。ジョンソンがコンビネーション、左カウンターで優勢か? 7R、激しいフックの応酬。12R、ジョンソンが左右フック。12R終了。判定は2-1。ジョンソンが連打をまとめて勝利。当てる巧さがあり、打たれても打ち返すことで劣勢になるのを阻止する試合運びの上手さもあった。ヒメネスは右ストレートからの左フックなどに良さがあったが、手数で及ばず。しかし、後にWBO世界フライ級王座獲得。)


マーク・ジョンソン 12R 判定 アルマンド・ディアス

(WBBフライ級タイトル戦、1993年)

「パワフルな右フック」マーク・ジョンソン①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

1R:フック連打でディアスがダウン

(感想:ジョンソンがタイトル初防衛。挑戦者ディアスは24歳のメキシカン。メルチョル・コブ・カストロ、アルフレド・コティに敗れるなど戦績は良くないが、実力者ホセ・ルイス・セペダに勝ったことがある。「グレート・ウェスタン・フォーラム」でのサウスポー対決(会場ではIBF世界S・ミドル級王者ジェームス・トニーが観戦。TV画面には「WBC」と間違ったテロップ)。1R、ジョンソンが距離を取りながら長いジャブ、左ストレート。接近戦では右フック、左アッパー。ディアスは勇敢。前進し、右フックからの左ストレートなどを使う。フック連打でディアスがダウン。その後も攻めるディアス。ジョンソンは速い連打をまとめて距離を取り、パンチは振りが大きいが正確さがある。終盤はジョンソンがボディ打ち、左ストレートで優勢。しかし、ディアスは負けじと打ち返す。12R終了。判定は大差の3-0。映像ではそんなに大きな差は感じられなかったが、ジョンソンがアウトボクシング&連打でポイントを積み重ねた。ディアスは頑張る選手であったが、決定力に欠けていた印象。その後、ウンベルト・ゴンザレス、エリック・モレルらに敗北。負けの方が多いキャリアとなったが、多くの試合をこなした。)


マーク・ジョンソン 12R 判定 ロベルト・アルバレス

(WBBフライ級タイトル戦、1993年)

「パワフルな右フック」マーク・ジョンソン①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:ジョンソンがタイトル防衛。二度目の防衛戦(それにしてもよくわからない「WBB」という王座。TV画面のテロップには「WBOペンタ・コンティネンタル王座戦」とある。こだわる必要はないのかもしれないが、参考までに)。挑戦者アルバレスは18歳のメキシカン。これまで13連勝(4KO)。「グレート・ウェスタン・フォーラム」での一戦(会場ではガブリエル、ラファエルのルエラス兄弟が観戦)。いつものように速く、長いパンチのジョンソン。アルバレスは力を込めるタイプで、右ストレート、左フックにパワー。接近戦が続く。共にパワフル、ボディ攻め。6R、アルバレスの右がヒットしてジョンソンがピンチ。その後も両者、力強い打ち合い。右を当てるアルバレス、連打をまとめるジョンソン。12R終了。判定は3-0。この試合もアルマンド・ディアス戦のようにジョンソンがポイントを積み重ねて勝利。ポイント差ほど実力の差は無かったように見えた。それにしてもジョンソン。長いリーチで強いパンチを打っていたが、ダウンを奪えず。アルバレスがタフだったのか、ジョンソンは意外にパワーが無いのか(それは後に答えが出る)。その後、アルバレスはNABOフライ級王座獲得、防衛。勝ち続けたが、世界挑戦のチャンスが無いまま二連敗でキャリア終了。一度ぐらいは世界戦をやって欲しかったと思うほど勇敢なファイターだった。)


マーク・ジョンソン 3R KO ハビエル・フアレス

(WBBフライ級タイトル戦、1994年)

「パワフルな右フック」マーク・ジョンソン①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

3R:左ストレートでフアレスがダウン

(感想:ジョンソンがタイトル防衛。四度目の防衛戦。挑戦者フアレスはメキシカン(アメリカの軽量級はメキシカンが多い。ジョンソンの対戦相手は必然的にメキシカン中心。当時、日本はIBFに加盟していなかったため、後にIBF王者になったジョンソンは日本選手と戦うことは結局、無かった)。世界王者になる前のリカルド・ロペスに判定負け、実力者ホセ・ルイス・セペダ、マルコス・パチェコに勝利。WBC米大陸王座(J・フライ級)を獲ったこともある。勝ったり負けたりだが、戦いには慣れている。「グレート・ウェスタン・フォーラム」での一戦。速いパンチのジョンソン。フアレスは右パンチにパワーを込める。接近戦。互いにフック、アッパー、ボディ打ち。ジョンソンは常にアグレッシブ。ディフェンスしながら激しい連打。左フックからの右フック、ボディ連打に迫力。3R、左フックを食ってグラついたフアレス。左ストレートでダウン。座ったまま10カウントを聞いた。ジョンソンがパワフルに勝利。メキシカンはタフな選手が多いが、好戦的な姿勢で挑戦者を粉砕した。フアレスは気の毒。ジョンソンにはかなりの勢いがあった。その後、フアレスはエリック・グリフィン、ファーラン・ルークミンクワンらに敗北。世界王座は獲れなかった。)

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