2023年12月9日土曜日

「精力的な連打」ジョン・ジョン・モリナ①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

世界J・ライト級王者。世界王座防衛戦。ルペ・スアレス戦、フェルナンド・カイセド戦、フランシスコ・セグラ戦を紹介します。

ジョン・ジョン・モリナ(プエルトリコ)

身長170cm:オーソドックス(右構え)

ジョン・ジョン・モリナ 6R TKO ルペ・スアレス

(IBF世界J・ライト級タイトル戦、1990年)

「精力的な連打」ジョン・ジョン・モリナ①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

1R:右ストレートで2度、スアレスがダウン

(感想:モリナがタイトル防衛。プエルトリコのモリナ。本名は「ファン・モリナ」(「ジョン・ジョン」とは一体何だろう? よくわからないが「ファン」は珍しい名ではないことからニックネーム的なリングネームにしたのではないか?)。10人兄弟で生活苦の一家出身。兄がアマチュア選手だったこともあり、リングへ。アマで好成績(タイトルも獲得)。1984年のロサンゼルス・オリンピックにはバンタム級で出場(メダルは獲得ならず)。「メインイベンツ社」と契約し、プロデビュー。連勝だったが、ルペ・スアレスにTKO負け。その後、IBF世界J・ライト級王者トニー・ロペスに挑戦。内容では勝っていたが、足を使い過ぎたせいなのか惜しくも判定負け。ファン・ラポルテとの決定戦でWBO王座獲得。その王座を防衛戦をすることなく返上し、ロペスと再戦。TKOで勝利して雪辱すると共にIBF王者に。初防衛戦の相手は因縁のスアレス。どんな内容となるか? スアレスはテキサスの選手。アマチュアではフェザー級で活躍。プロデビューから連勝だったが、レフジオ・ロハスに初黒星(ロハスはその勝利でフリオ・セサール・チャベスのWBC世界J・ライト級王座に挑戦したが、TKO負け)。その後、連勝。モリナ、ラポルテに勝利。アズマー・ネルソンのWBC世界J・ライト級王座に挑戦してTKO負け。実力はあるが、あと一歩及ばない状況。モリナとの再戦は二度目の世界挑戦となる。アトランチックシティ「Trump Plaza Hotel」での一戦(モリナのセコンドに「狂犬」ルー・デュバ)。モリナが開始から精力的。ジャブ、ワンツー、左フック。サウスポーのスアレスはダッキングしながら右ジャブ、左ストレート、右フック。どうやら距離を取って戦うタイプらしい。手数、勢いで押すモリナ。右ストレートを当て、さらに右ストレートでスアレスからダウンを奪う。スアレスは立ったが、右ストレートで二度目のダウン。その後、モリナも距離を取りながらジャブ、ワンツー。両者一歩も引かない打ち合い。スアレスの左ストレート、右フックもヒットする。5R、スアレスがキズのドクターチェック。6R、キズが悪化したスアレスが連打を浴びたところでレフェリーストップ。モリナが手数で勝利。それはいつもの勝ちパターンであるが、今回は「雪辱」がテーマ。より気合いが入っていた戦いぶりだった。スアレスはテクニックで勝負するタイプ。左ストレートをクリーンヒットさせたシーンもあったが、試合の主導権を握るような試合運びではなかった。その後もスアレスはリングに上がったが、モリナ戦が最後の王座戦となった。)


ジョン・ジョン・モリナ 4R TKO フェルナンド・カイセド

(IBF世界J・ライト級タイトル戦、1992年)

「精力的な連打」ジョン・ジョン・モリナ①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

3R:右ストレートでカイセドがダウン

4R:連打でカイセドがダウン

(感想:モリナがタイトル初防衛。トニー・ロペスとの三度目の対戦に敗れて王座を失ったモリナ(予想では有利だったが、ロペスが機敏な動きでディフェンス。モリナは攻撃をかわされ続けたうえにダウンを食ってしまった)。再起後、連勝。ジャッキー・ガンガルーザ(南アフリカ)との決定戦に勝利してIBF世界J・ライト級王座奪回。ノンタイトル戦に勝利して、この初防衛戦。IBF1位の挑戦者カイセドはコロンビアの黒人サウスポー。WBC米大陸王座(フェザー級)を獲得するなどデビューから全勝。ただし、これまでの試合は全て地元。プエルトリコ・バヤモンでの一戦。リングアナのコールに笑顔を見せるカイセド。足を使うアウトボクサーで、右ジャブ、左ストレート。モリナは強引に接近して右ストレート、左フック。残念な挑戦者カイセド。1Rから反則。クリンチ中にモリナの肩に噛み付き。「この野郎!」とばかりにモリナは怒りを見せる。その後も抱きつくようにカイセドはクリンチし、しかもクリンチ中にパンチ。2Rにはロープをつかむ反則。それでもモリナは連打するが、クリンチされてやりにくそう。カイセドのマナーの悪さにレフェリーも怒りの警告。3R、左フックからの右ストレートでカイセドがダウン。4Rには連打でダウン(崩れ落ちたカイセドに連打するモリナ。相当頭に来ていたようだ)。立てず、KO。モリナが妙な挑戦者にパワー&連打で勝利。それにしてもカイセド。一体何がしたかったのか? 序盤は足を使って中盤以降に勝負するつもりだったのだろうか? 4Rで終わってしまったため、彼の妙な動きの意図はわからなかった。その後、カイセドはあのルペ・ピントールを破ってWBCの地域王座(ライト級)を獲得したが、二度目の世界挑戦は無し。引退後の2007年に38歳で死去。死因は不明。)

  

ジョン・ジョン・モリナ 8R TKO フランシスコ・セグラ

(IBF世界J・ライト級タイトル戦、1993年)

「精力的な連打」ジョン・ジョン・モリナ①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:モリナがタイトル防衛。二度目の防衛戦。IBF12位の挑戦者セグラはロサンゼルス出身。カリフォルニア州王座戦(J・ライト級)に敗れるなどまだ王座を獲ったことは無いが、元世界王者ルイ・エスピノサを判定で下している。プエルトリコ・サンファンでの一戦。共に27歳。小柄なセグラ。その分、接近して精力的に手数を出す。モリナは以前と比べると筋肉が付いた印象。接近してパワーで攻める。ワンツー、左右フック。ひねりを加えるかのように打つ左フックが特徴的。互いに打ち合いを選択。接近戦での打ち合いが続く。4R開始早々バッティング。セグラが出血、ドクターチェック。その後も打ち合い。互いのパンチがヒット。手数ではモリナだが、セグラも右ストレート、左フックを時折ヒットさせる。8R、頑張るセグラ。しかし、連打されたところでレフェリーストップ。キズの悪化&パンチでセグラの敗北。モリナは打ち合いを制して勝利したが、かつてのようなキレが無く、打たれるシーンがあったのが気になった。ボクシングは筋肉ではない。イベンダー・ホリフィールド、英国のフランク・ブルーノもモコモコした筋肉マンにキャリア途中で変身したが、その分、キレが落ちて魅力も落ちてしまった。その後のセグラ。再起戦で全米王座(フェザー級)獲得。トム・ジョンソンのIBF世界フェザー級王座に挑戦したが、判定負け。実力があったのは間違いないが、世界王座には手が届かなかった。)

ジョン・ジョン・モリナ②

マヌエル・メディナ戦、バーナード・テーラー戦、フロイド・ハバート戦

ジョン・ジョン・モリナ③

グレゴリオ・ゴーヨ・バルガス戦、ウィルソン・ロドリゲス戦、エデュアルド・ペレス戦 

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